クロクロ
とある1人の少女が家出をしたことからこの話は始まる。
その家出娘の名は『高槻 桜』年齢は16歳、父親との喧嘩により、只今家出中である。
『なんで私の事を理解してくれないのかしら。』
桜はあてもなく駅のホームで電車が来るのを待っている。
『この後どこに行こうかしら。学校はしばらくお休みね。』
そして電車が到着して桜は乗り込むと、そのまま姿を消した。
そして桜の家出から2年が過ぎた頃ようやく父親に見つかり家に連れ戻される事となる。
だが、この2年の間に桜はいろいろと変わっていた。
桜は2人の子供を連れていたのである。
『桜、お前が家出をして今回で何度目か分かるか?』
『48回ね。』
『そうだ。だがなぜ子供がおる!』
『この子達は私の子よ。』
桜は子供達を抱き寄せて父親に見せた。
『紫音と翠よ。2人とも、おじいちゃんにご挨拶をして。』
『初めまして。紫音7歳です。』
『翠5歳です。』
丁寧に挨拶をする子共達、だが桜は今年18歳こんな歳の子供がいるはずも無い。
『桜、お前が養子縁組でこの子達を施設から引き取ったのは知っている。だがお前もまだ若い、結婚もしておらんのだぞ。』
『えぇ、知っているわ。分かってるし、その上で私はこの子達の母になったの。』