今宵、我ら花を奪う【7】
変化は足元ではなく、上空から訪れた。
篝火の用意に入ってすぐ。
「敵影イチ! 大型! 北東より─── 急速接近!」
デニスが警告を叫び終えるよりも目視が早かった。
間髪を入れず、弓矢を放ったのはシュタインの祖父だった。オートマチックに発動する旋回の魔弾。銘入りの名弓は詠唱を必要としない。射手の指先に一撫で、それだけで矢は重量付与の術式をまとわせる。
ヒュゴッ!
旋風が起こり、中心部に加速。飛びだした一本が標的を貫く。いや、肉が弾け飛ぶ。赤く染まった空に黒が散った。骨のような翼の一つを失った塊が失速、ぐらりと傾ぐ。
続くのはシュタインが手にしたコンパウンドクロスボウより放たれた魔石付の弓矢だ。
バゴンッ!
着弾と同時、爆裂術式が展開する。
きりもみに落下する先は王宮内だ。
急速接近が幸いした。皇都の民家へ落ちることはなかった。跳ね橋の門扉上部の飾りへと突き刺さって絶命。血のような瘴気を撒き散らし、二度、三度と痙攣したのちに動きを止める。
シュミット家の祖父と孫はたった二本の矢に大型の魔獣を撃破した。
帝国最強のミュラー騎士団において揺るぎない地位を築く家門の名に相応しく。それでいて驕った素振りもない。むしろできて当然と受けとめる修羅の国がミュラー辺境領だった。
あまりにも呆気ない仕留め方には、このような場でお決まりの「ズーパー!」や「アウスゲツァイヒネト!」の歓声もあがらない。
むしろ探索術式に標的の最期を見届けたリュデガーとデニスの二人が「うっわ」と眉根を寄せている。さすがに声には出さないが。城内はにわかに騒がしくなる。それはゲートを取り囲んだ歩兵大隊も同様だ。
「さすが鷹の目。腕は衰えちゃいないな」
「恐悦至極」
マルクスの賛辞に白い息を吐いて、意気軒昂。
エメットが首を傾げる。
「随獣ですかね」
「羽が三つも生えた鳥は初めて見たな」
「どうやって飛んでるんでしょうねぇ。…魔獣という可能性は微レ存?」
「鳥の進化に奇数の羽が必要か? 合成獣だろう」
「ご新規様が来ちゃいますかー…」
ブルードラゴンの随獣として皇都から湧いて出たずんぐりむっくりの飛行タイプではない。もっとシャープな形状だった。接近のスピードも速かった。
北東の空からだ。
瘴気に惹かれてのことか。迷う素振りもなく、まっすぐにこちらを目指していた。
目的はゲートか。ドアか。そこから現れるであろう王を迎えるためか?
いずれにせよ、マルクスらの主張とは真正面よりぶつかる行動だ。つまりは敵である。
同じことを考えたのだろう、しゃがんだエメットはグラデーションの空を見上げる。
「星弾の在庫ってありましたっけ?」
アルミニウム粉、硝酸バリウム、硫黄をワセリンやパラフィンで練り合わせ、風の術式を刻むことで滞空時間を伸ばした照明弾の有無を問う言葉に、背筋を伸ばしたマルクスは淡々と答えた。
「オスカー副長が近衛の武器庫から拝借済みだ」
「ワーオ…。これだから俺たち軍需品の横領とか疑われちゃうんですよ」
「必要な物資を必要とする場所へ輸送する手間を省いてやっただけだ」
弾数制限が必要な遠征地でもなし。死蔵させては意味がない。出番を迎えることなく破壊される羽目にでもなれば目も当てられない。
マルクスは皮肉に唇を歪める。
「準備のよい副長がいてくれてありがたいだろ?」
「ええ。とても。清廉潔白な無能のせいで死ぬのはごめんです」
「違いない」
「……偉大なるパイセン方は出てきますかね?」
エメットが警戒しているのは真理の天秤を掲げた一角だ。丸裸の頭上より降りかかる術式だ。遮るものも、隠れる場所もない見晴らしの良い平野に喰らえば防ぎようがない。しかも広範囲が確定である以上、走って逃げることも不可能だ。
「出てきたところで、抑止力以上の力は発揮できない」
下手を打てば極大術式同士がぶつかりあう。魔道士部隊とてこれを単独起動できるのは二人だけだ。アーデルハイトの雷。そしてブレンの炎。
国内。王宮内。大陸間弾道右ストレートパンチの応酬を許容できるかと言われれば否。命令をくだす人間がいれば正気を疑う。ただし、その正気をいともたやすく奪うのが戦争だ。
グレート・パンジャドラムなる古代兵器の例もある。少し立ち止まって考えれば「なにかおかしいな?」「なにか引っかかるぞ?」と気がつくだろうに、実戦配備寸前まで到達している。なぜ設計の段階で誰も止めなかったのか。自走式陸上爆雷の発想はわからんでもないが、思いついたとしても普通は開発しないだろう。
しかし、やってしまうのだ。懐事情が厳しければアイデア頼みになり、逆に潤沢であれば余裕からおかしなものを作ってしまう。人間が、本当は戦争なんかしない方がいいのは自明の理である。
「混戦の肉弾戦に高齢の魔道士が放りこまれればすぐに死ぬ。そんなもったいない使い方はせん」
マルクスは偉大なる魔道士のパイセン、爺様二人と面識がある。言葉を交わし、なんならチェスの勝負をしたこともある。歴史編纂室にだ。窓際部署の代表格とも言えるこんなところに、こんな重要人物がいるとは思わなかった。戦闘魔道士という存在に対する扱いを物語っていた。
「マルクス副官ならそうでしょうねぇ。あとはウチの軍がどこまで瘴気に耐えられるか。どこまで正気を保っていられるか」
呟くような声だった。アーデルハイトを呑みこんだ大地を一撫で、エメットは立ち上がる。
残照すらもが一掃された世界に、大地は大きく胎動を始める。混乱と同義である黒炎が波打つ。
まるで水音。
そこへ、風をうつ羽音が重なる。
「…エメット准尉」
「いきます」
黒い大地にざくりと剣先を立てた宣言。息を吸って集中。そして詠唱。
「天使は貴方を守られる。すべての災いを免れさせ、また貴方の命を守られる。今からとこしえに至るまで。貴方の出ると入るを守られるであろう。─── 障壁」
活性化する瘴気を撥ねつけ、領域展開。馬留めの柵と篝火の足には魔石を設置済みだった。“人”ではなく、区切られた“場所”に付与術式を施す。不動に鎮座まします『扉』を中心に蒼光が正方形を描く。
「光は闇のなかに輝いている。そして、闇はこれに勝たなかった。─── 祝福」
ッカァァン!
頭上、鐘の音色とともに白い光りが舞う。
50名近い兵の戦闘を包みこむ広さだ。二つの術式を施したエメットはさすがに肩で息をしている。常日頃の飄々とした表情を崩しながら、それでも続ける。
やれるか、と問うたマルクスにエメットは「やります」と応えた。
何故ならエメットにとってのこれは推しへの情熱を示すサイリウムダンス。
エメット・エクヴィルツの人生に、おそらくは二度と現われっこない憧れの魔法少女アーデルハイト・アルニムのソロコンにして引退コンサートに捧げる全身全霊だからだ。
他人からはいかにふざけているように見えても、当人にとっては本気の参戦だ。推しとのお揃い、限界オタクコーデに身が引き締まる。手足が折れても踊ることをやめるという選択肢はない。オーバーヒートしそうな脳みそに膝が震える。だからどうした。力の限りにアンコールを叫ぶ。
厨二病ぽくてイヤです、と頭を横にふっていた聖句の詠唱すらも厭わない。柄を握る手に力をこめる。
「わたしは常に天使をわたしの前におく。天使がわたしの右にいますゆえ、わたしは動かされることがない。─── 戦太鼓」
ダッダダダダッ!
連打、連突の太鼓が鳴る。
「よくやった。下がって休め」
鼻血をだして片膝をついたエメットの肩をたたき、後退を命じる。ミュラーの騎士に伴われ、ふらつくエメットは数時間は使い物にならないだろう。─── 十分だ。
扉を背に、二本の足で立ったマルクスは腰に帯びたカラドボルグの柄頭に触れた。父が寄越したものだ。正確に言えば、父が走らせた直卒の騎士が運んできたものだ。『おまえは手放すな』だと?
(言われるまでもない)
張りつめた空気を吸って深呼吸を一つ。
「総員、遠距離戦闘用意」
騎士たちの手によって星弾があがる。
過酷な夜の始まりを知らせる合図が。
「引きつけて撃つ。リュデガー少尉、デニス准尉。コマンドデータリンク」
二名からの復唱。通常の索敵術式に重ねがけされた暗視鏡の視界。月明かりにハレーションを引き起こすほどの情報量を取捨選択。
「爆裂術式用意。ブレン少尉の炎に続け」
月や星の光りを遮る黒点が夜空に飛ぶ。一つ、二つ、三つ、四つ…。数えるのを止めた頃には射程範囲内だ。うずっと肩を揺らすブレンを片手を上げた威圧に黙らせ、待つのは数秒。随獣たちが魔道士部隊の必中射程距離に入る。
「撃て」
右手を振り下ろす。
炎が夜空を照らし焦がした。続く爆裂音が魔獣の咆哮と断末魔を掻き消した。
「…始まりましたよ」
「始まっちゃったねぇ」
王宮と隣接する内閣府。執務室の窓から炎の乱舞を見上げたブルクハルトは真面目に首を傾げた。
「抑えられますか」
「ここに至っては信じるしかないね」
答えるカペル公爵は顔を上げる素振りもない。積みあがった書類の内容を確認し、指示を書き込み、サインを行う。待機している部下たちへ託し、口頭での指示を付け加える。命令書を飛ばし続けている。
受け取った文官たちは開けっ放しのドアをくぐり、運動不足の身体に伝令兵さながら駈けてゆく。戻って来る者の手には行きの倍の陳述書がある。
一日の徹夜のダメージが三日もあとを引くような年齢のカペルが、痛む肩と腰に鞭打っての勤勉も致し方ないというものだ。
行くつくところまで行くようならば、王宮近辺からの避難勧告、どころではなく。皇都からの脱出も考えなくてはならない。百人や千人の話ではない。自分の足に動ける者ばかりでもない。どこの組織にも属さない個人に情報が伝達されるまでには時間もかかる。大仕事である。
魔道被膜加工済みのマントの確保一つをとってみても、進捗は芳しくない。内閣府の備蓄数は職員を想定してのものだ。皇都にある商人組合からは災害時の優先契約を持ってありったけを吐き出させているが…とても足りない。支払いは公務保証、内閣府のお墨付きとはいえ、こちらの足元を見て価格交渉に挑もうとする商人もいた。まったくもって逞しいことである。
率先し、在庫の扉を開けたのはミュラー領の商団だった。あちらは軍馬の斡旋事業を主としているが、軍需関連産業にも太いパイプを持っている。騎士団員が身につけている瘴気抵抗力の高いアーティファクトも自主的に拠出してきた。
商談の場にて、恰幅のよい商団主はフォーゲルを名乗り「今後ともご贔屓に」と恭しく頭を下げた。需要と供給を見極める目は大切だが、一瞬の儲けよりも今後の信頼関係を優先したわけだ。おかげさまで法外な値をふっかけて来た者たちはそろって口を噤んだ。
腹に「ミュラーのマッチポンプではないか?」と考える者はいただろうが、穀倉地帯ミュラーにそっぽを向かれても良いと商人が放言するのは命知らずのやることである。むしろこの機会に誼を結んでおきたいと考える方が自然だ。困っているときにこそ手を差しのべ、恩を売るのだ。商業都市として発展したクラウゼ領のように。
なにしろミュラー騎士団の敗北、そして帝国の敗戦など、誰も考えていないから。
壇上に上がったカペルが見下ろす状況は大変よろしくない。為政者として、最悪を想定する立場としては、最低の部類と呼んでもいいだろう。
皇都の民は現在、息を潜めて嵐が去るのを待っている。夜が来る前に移動した政府の避難所と教会に指を組んで天使様に祈っている。
緊急時になすべきことがある人間たちは幸いだ。降りかかる不幸に対し能動的に、自らの力を持って抵抗できる。そして地位にはむろん、責任が伴う。
内務尚書であるカペルに避難を促がす勇気ある文官も居た。が、本人も言っているとおり、もはやここに至れば信じるしかない。実際に剣をふるって戦う者たちをだ。非常事態に備え、部下たちと共に積み重ね、準備してきた一つ一つをだ。
統率機構の離散はすなわち近代国家の瓦解である。場所を移して抗戦を継続するよりも、短期決戦による決着を選択した。そこにマルクス・ミュラーが提示した72時間の制限時間が影響を与えた可能性は否定しない。
ただ、コンラーディン・カペルは家族の居る者には積極的な帰宅を促がしてもいた。魔獣はどこに湧くかわからない。内閣府に残っている人員は大幅に減っている。それでも危険を顧みず働く者たちが居る。すばらしき挺身。すべてが片付いた暁には、公爵家自慢のワインセラーを開いてワインを振舞おう。カペルが仕事に集中できるよう、公爵家を守っている妻には感謝と敬意を。秘蔵の一本をともに開けよう。
それに、と付け加える。
「有翼種たちは北東よりまっすぐ王宮の中庭を目指している。途上にあるすべての集落に見向きもしていない。皇都の民間地区にもだ。お出迎えの、防備の準備が整っていない場所に立ち寄る素振りがないのは幸いだよ。マルクス君たちは宣言どおり囮となって敵を引きつけ続けている。彼らの隊長であるアーデルハイト嬢の薫陶どおり、愚直にも堅守を貫くつもりだろう」
飼い主の帰りを待つ忠犬のように。とは、さすがに口にしなかった。室内には事情を知るブルクハルト以外の人間もいる。ただし機密保持能力は総員が特Aクラス。カペルの執務室へアポイントなく入室できるのは、空気を読むことを当然として要求される職業人たちなのだ。
そも、マルクス・ミュラーはただの犬ではない。地獄の門を守るのは三つ首のケルベロスだが、地獄を歩む魔女を守る猟犬がヘルハウンドだった。群れを率い、敵には牙を向く。黒髪の魔女に付き従う黒剣。
「……そこにゲートがあるから集まってくるのでは?」
「卵が先かニワトリが先か論争に答えがあるとでも?」
「都合のよい答えを見つけることは可能でしょう」
「まぁね。たとえ査問会議になっても国際法と軍法に知悉したうちの弁護士団を送りこむけどね?」
背後に書類をさばく秘書官が頷く。ああ、手配済みかとブルクハルトは納得した。
外務卿とともに国境紛争における討論の場に立つプロ集団が投入されるのだろう。魔道士部隊が不当に罰せられることはない。たとえ一方が正当を叫ぼうともだ。
法による線引きとは、ピンと張ったロープによって峻別が行われているわけではない。弛み、たわんだそれを引っ張り、有罪と無罪の色を塗り替えることは可能だ。
フランツ殿下が婚約者を糾弾した罪状など、人差し指一本で動かせる程度のものだ。その程度のことでさえ、証拠も理論武装も不十分。具体的な犯跡も目撃証言の裏づけもとれていない。学園という箱庭にばらまかれた、ただの噂話だ。学徒動員された彼らが見た、とは言うが…。
本気の大人たちが出てくれば、しどろもどろの弁明に終始していた。それはそうだ。治癒師以外の学生たちは第二戦にすら出ていない。後方待機のまま、一度も剣を抜いていない者が大半だ。そんな者たちがしたり顔に嘯く正規軍の不正。鈍らの剣を得意げに振りあげて、その先の落とし処をどう確保するつもりだったのやら。
なにが起こるのか、推考もしていないとは恐れ入る。
まずはブラートフィッシュ家が動いた。カペルの横で書類をめくっている男の父親だ。アーデルハイト令嬢が婚約破棄を言い渡された騒動の三日後にはベッカー男爵家に圧力をかけ始めていた。家格が違う。本気で締め上げれば男爵家の領地経営は三ヶ月と持たなかっただろう。王妃と第五王子の本人に対しては、ブラートフィッシュ侯爵夫人がサロンに抗議活動を始めている。人脈の活用に躊躇はなく、カペルの妻さえ、魔道士部隊に同情的だった。
ブラートフィッシュ家は第一王子フリュヒテゴットを積極的に指示する貴族の中核だ。派閥の扱い方を心得ている。王立学園にグリフォンが出現して以降は、フランツ殿下の取巻きたちの実家へも牙を向けた。銀行からの貸し剥がし、まとまりかけていた縁談の横槍など、やり方は様々だ。新聞社へのリークはマルクス君が自ら始めている。プロパガンダ、世論の誘導を目論んでいるのだろう。カペルとしては両者に先を越されたなぁと思っている。
(まぁ…やるよね)
この程度のことは。
フランツ殿下にはむしろこの程度の反撃がないと信じた根拠をくれよと言いたい。
友情はけっこうなことだ。友人の恋を応援したいという気持ちはカペルにだってわかる。とても深く。そして学生の自分がいかに無力であったかすらも体験している。
婚約者のスカートに隠れた王子の取巻きたちは従軍した自分たちが何故前線に出ずに済んだのか、魔獣との殺し合いをせずに済んだのかを。無事に家に帰ることができた幸運の理由を想像してみるべきだったのだ。
情実人事がはびこり、カネで兵役逃れが買えてしまう現状に不満を抱く平民からの不満を逸らすための学徒動員。カペルは一貫して反対を表明してきたが軍部に押しきられた。癒し手としてのギフトを持つ人間はともかくとして、結局のところ前線近くに送られたのは学園の下位貴族の子弟たちだ。非難の先となる高位貴族からはスペアとされる次男、三男の子供たちである。
彼らが五体満足で帰宅できたことはむろん喜ばしい。
しかし母親の庇護のもと、ぬくぬくと暮らしてきた帝国の五番目は、戦場に向かう学友たちの背になにも感じなかったのか? 彼の平穏を守っていたのはとうの悪役令嬢だったと言うのに。
授与式の用意に合わせ、カペルは10名ほどの部下を情報収集に放っている。おしゃべりな聞き上手たちだ。学園に何が起こったかは一日にして把握できた。三日も待てば『同僚』の勤務態度や領地運営における姿勢など、立派な報告書があがってくる。
同僚、とは。アーデルハイト嬢の父親、ランベルト・アルニム伯についてだ。その一族に関するものだ。フランツ殿下の派手なパフォーマンスが功を為したとも言える。Arnimについて話題をふることは自然で、誰も疑問を持たなかった。
カペルがブルクハルトを介し、天幕前のミュラー騎士団に託したものだ。
マルクスの手元に届いたことは、文官である二人がともに疑っていない。
規律正しい騎士団において、王族の随行員がトップにと手渡しした封緘物が勝手に開封されることはないし、捨てられることはもっとない。
近衛に拘束されたランベルト・アルニム伯の懲戒解雇の用意が整ったと、喜ばしい報告に締め括ったお手紙だ。
お仕事に体中がギシギシ言っていますが、マイパソコンもギギギギギという異音を発しながら稼働中です…。
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