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ウェルカム・トゥ・ブラック・パレード【2】


 カペルは不思議だったのだ。ノブレス・オブリージュは美しい言葉だが、権力を持つ側によって都合よく使い古された言葉でもある。だから尋ねた。

 アーデルハイト嬢へ、直接にだ。


『令嬢は、何故、領地の魔獣殲滅を請け負っていたのかな?』


 乳母という答えが提示されても納得はできなかった。

 逃がせばよかったではないか。乳母の家族とともに。


 そこまでのやり取りで、マルクス君がアーデルハイト嬢にベタ惚れであることは察した。そのうえでカペルが抱いた身勝手な感想を言語化するならば、まず。


(アルニムの盾としてマーロウを利用するつもりか?)


 …こちらである。

 我ながらひどい。


 母親の眠る墓を守るため、健気にも頑張っている女の子に持つ所懐しょかいではないとはわかっている。

 しかしただの少女ではない。いたいけな容貌の中身は未知。男にとって女は永遠の謎、とかそういう界隈の話ではない。雷放電現象とでも呼ぶべきシロモノ。積乱雲内部の帯電の仕組みですら、たしかまだ解明されていなかったはず。ただ。

(…マルクス君はそういうのが好きそうなんだよね…)

 善良で、心優しく、困っているひとを放っておけない、笑顔のかわいい女の子相手、あそこまでの深みにはまったかと言われればおそらく否。

 そもそもマーロウ譲りの華麗な美貌の持ち主である。マルクス・ミュラーにとって一方的な想いを寄せられ、秋波を送られることは日課であり、日常茶飯事。意図した異性から冷たくあしらわれた経験も少ないだろう。高嶺の花と女性を見上げたことはないだろう。ぜひとも幸せを勝ちとって欲しい。アーデルハイト嬢の言うとおり。勝利の女神を殴りつけてでも未来をぶんどってくるのだ。ここが、今が踏ん張りどころなのは明白だ。

 魔塔から派遣させた学生たちが学生らしくうっかりと、確信もないまま漏らしていた判断によれば『向こう側』での生存の可能性は高い。位相はこの世のものであって、天国でも地獄でも異世界でもないようだ。

 けれども。

 カペルは親友の名誉が穢されることは我慢ができない。マーロウ・ミュラーの努力と奮戦を一方的に貪ろうとするやからは多い。ミュラー騎士団の派遣。それは約束された勝利の剣だからだ。

 カペルに借金を申しこんでくる自称身内と同じである。事業計画書も返済計画表も示さず、『必ず返す』の一点張り。ついには泣き落とし。滞った返済に督促を行えば、逆ギレに『冷血』『悪魔』と罵ってくる。

「貴方には十分な収入があるし、公爵家当主としての不労所得もある。形ばかりの借用書をもとに返せと言われるとは思わなかった。身内なのだから謝れば許して貰えると思った」

 と、そう。これである。堂々のたまわったのは父方の叔母である。

 そうして得た若い頃の教訓をもとに、カペルは相手に持つ善意や好意から金銭は貸さないと決めている。

 事業としての投資はお仕事だ。未回収、からの損失はコンラーディン・カペルとカペル公爵家の精査、審査、総合的判断能力の敗北というだけだ。コンコルドの誤謬ごびゅうと同じてつを踏むまえに、速やかな被害損害対策を行うのみ。明日の小麦価格が書かれた新聞などどこにも売っていないのだから。

 同じようにマーロウ本人が由とした契約であったのだとしても。口をはさまずにはいられなかった。

 言い訳を、させて貰えるならば。

 今のカペルには一家族の逃亡など整然と行える。家具と食料付の住居を用意し、迎えの馬車を送り、家族が問題なく生きてゆくことのできる仕事を与えることができる。

 たやすいかどうかはともかくとして。18歳のカペルにもまた、それは可能だった。

 だが12歳だったカペルに家族単位、下手をすれば一族丸ごとの避難を準備できたかと問われればそれは否。アーデルハイト・アルニムもまた庇護を必要とする子どもであった事実を考慮しないのは卑怯だった。

 薬のこともそうだ。まずは訝しんだ。入手先を別に求めればよかったのではないかと。

 費用はかかるが、成分分析に出せば内容物については判明するだろう。フリードリヒ殿下の口ぞえがあれば国立の法科学鑑定研究所に依頼することも可能だった。民間であっても、ブラートフィッシュのように、ミュラーのように、医療に力を入れている領地は独自の研究機関を持つことも珍しくない。

 頼もしい部下たちが、なによりマルクス君がいただろうにと。何年も放置したことを疑問を持ち…つまりは疑った。アーデルハイトが第五王子から婚約破棄を突きつけられる以前より、彼らは『片翼の天使』計画を探り始めていた。何故って? 知ったのだ。打ち明けられたのだろう。アーデルハイト令嬢そのひとから。だから動き始めた。彼らの隊長のために。

 しかし令嬢は彼らに救いを求めなかった。


 答えは最初に与えられている。


『私には友人がいないので』


 僕が返答に詰まったことは否定しない。


 横。横だよ。令嬢、とりあえず君の横を見て。

 隣に座った婚約者のエッ?って驚く顔を見てやって?


『仕事が先立つ関係を友人と呼ぶのは難しい気がします』

『上司から友情を押しつけられる部下にも言い分があるかと思います』


 …うん。まぁね。加減て難しいよね? 他人との距離感て難しいよね?

 カペルとて部下のワークライフバランスには気を配っている。しかし今、まさに起こっている緊急事態となれば遠慮なく使い潰す前提である。そのための高い給与水準だ。

 とはいえ平時、勤務時間外に友人面した上司より気軽に呼び出されてはたまったもんじゃないだろう。彼女は自分ひとりで解決しようとしたのだろう。

 令嬢はもう少し自分に自信を持ってもいい。仲間を頼っていい。休日だろうが、深夜だろうが、君の危機に駆けつけるのが君自身の選んだ婚約者だ。



 ひときわ大きな爆音が窓のガラスを震わせる。赤々と燃える炎が夜空を塗りつぶした。いくつもの輪が連なる連立術式。芸術的なまでに精緻であり、どこまでも暴力的。

 ブルクハルトが書類をめくる手をとめ、窓へと目を向ける。

「弟くんもあの下だろう?」

「はい」

「心配だろう。よくブラートフィッシュ侯が送りだしたね」

「本人が望んだことです」

「ああ…、授与式の会場では助かった。侯にも礼を伝えておいてくれるかい?」

「父は喜ぶでしょう。本人はいたって身軽なものでしたが。いってきますと言い残して、後ろも見ずに走っていきました」

「子離れ、親離れも、やってくるときはそんなものさ」

 ブルクハルトは曖昧に微笑んだ。

 仮眠から飛び起きた弟が上着を片手、慌てて駆けだして行ったとき。趨勢すうせいはまだ決まっていなかった。フリードリヒ王子を擁したマルクス・ミュラー大尉による軍部への謀反、反逆。

 ブレンの行動はブラートフィッシュ侯爵家によるそれらへの加担、肩入れ。王太子から第四王子への支持乗り換え。そういった政治闘争を疑われても仕方がない状況だった。

 だからマルクス・ミュラー副官は部隊の各自に身の振り方を考える時間を与え、カペル宰相は『よく送りだしたね』と口にした。

 ブルクハルトとしても父は弟を引きとめるだろうと考えていたけれども。

「父さん。兄さん。じゃ、俺、行って来るね」

「…ああ。行って来い。達者でな。元気で過ごせ」

 ミュラー騎士団への入団も事後報告。意外なことに、父は、政治的な理詰め、どころか。ブレン、おまえを心配していると情に訴えることもなかった。はなから送りだすつもりのブルクハルトとしては余計なことを言う必要がなかった。

「身体には気をつけて。おまえの武運長久を祈っているよ」

「うん」

 ブレンは振り返らない。迷いなく駆けてゆく背中を見送ったブラートフィッシュ侯爵は穏やかな目をしていた。

「貴方がこうもあっさりブレンを送りだすとは思いませんでした」

「そうか? …いや、そうだな。先般、バルドリックと軍令部に足を運んださい、ついでにブレンの様子を見に行ってな。あとをつける格好になったんだが…」

「なにをやっているんです?」

 侯爵の地位にある男がやることではないだろう。

 案内を断り、回廊を歩く弟を先に見つけたのは長兄であるバルドリックだった。声をかける前に、ブレンは同じ軍服を着用した少女の姿を見つけた。荷物を持って歩いていた黒髪の上官に自ら声をかけ、代わりに荷を持った。その時点ですでに。

 長男は口元を手に覆っていた。

「ぶ、ブレンが…っ」

 紳士らしく、女性を淑女レディ扱いしている。

 驚愕に見開いた視線を息子より向けられたブラートフィッシュ侯爵もこくこくと頷いた。親子そろって何故かこっそりと壁に隠れるように様子をうかがった。ここ数年は読書と観劇にくらいしか出番のない身体強化しんたいきょうかを発動。聞き耳をたてる。

 幸い、ブレンは開かれたドアの前で立ち止まった。室内に入ることはなかった。しょんぼりと肩を落とした姿に、振りかえったアーデルハイトがゆっくりとした口調に水を向けてやる。

「…どうした。なにかあったか?」

「訓練用の魔石を燃やしました」

「そうか」

「扱いには気をつけろって言われてたのに。…副官、帰ってきたら怒りますよね?」

「ブレン少尉。焦らなくていい」

「俺、辞めたくないです。連れて行って欲しいんです」

「ああ。最高の火炎系魔道士を目指そう。私も一緒に謝りに行こう。並んで叱られてやる」

「…はいっ!」


 広報誌に載るような─── …理想的な上官と部下の関係がそこにはあった。


魔道士部隊タリスマンに戦闘用の魔石を寄付しましょう。とりあえず出入りの商人よりありったけを用意させます」

「バルトリック。子の友情に値段をつけるような真似はやめなさい」

「しかし…っ」

 たしなめられた長男は胸にほとばしる圧倒的感謝の気持ちを他に、どう表していいのかわからないともどかしげだった。

 ブラートフィッシュ侯爵家の三男が魔道士部隊タリスマン隊長であるアーデルハイト・アルニム少佐を慕っているのはあきらかだった。


 話を聞かされたブルクハルトは少し笑ってしまった。緊迫した状況の最中ですら笑うことができた。

 二人、並んで叱られているブレンとアーデルハイトを想像したからだ。なるほど、上官相手でも、位階持ちが相手でも、あの副官は変わらないらしい。本人はお小言のつもりかもしれないけれども。


 人の倫理から外れた道をゆくのではないかと恐れていたブレンに名誉を与え、飼い慣らしたのはアーデルハイトその人であり、彼ら魔道士部隊タリスマンだった。

 ブレンは自分が生きる場所を自分で選んだ。親離れ、子離れとは言い得て妙。

「あいつももう十八だ。自分の生きる道は自分で決められる年だ」

 父はそう締め括り、ブレンを送りだした。

 ブルクハルトもまた、頷きかえした。


 両親より皇都へ呼び寄せられ、弟の手助けを命じられたブルクハルトは王立学園での聞き取りのセッティングを行った。その日。久しぶりに会った弟は帰ってこなかった。皇都騎士団の営倉に拘留されていた。

 文官寄りのブラートフィッシュ家が事態を掴んだときには弟の仲間がすでに。部下を救うべく上官である“マルクス副官”が軍部の釈放状を手に現場へと乗りこんでいた。

 弟を助けるために動く人間が家族以外にいるという事実。そしてかけられた言葉。

『ブレン少尉。貴官の問題行動は三つだ』

 ブルクハルトの前で、マルクス副官は叱責を行った。理路整然、堂々としたものだ。感心した。すべての理由に納得ができるし、言葉運びのセンスもよい。少々意地悪く、『なんと答えたと思う?』で問うた答えが『当ててみましょう』、だ。当てていようが外していようが如才なく、嫌味もない。


 ブレンはアーデルハイト令嬢個人に忠誠を誓った。

 弟と同類だと自ら認めた、彼女の婚約者の前で。


 皇都騎士団トップである騎士団長からブラートフィッシュ侯爵に対する正式の謝罪は入った。

 第五王子を溺愛する王妃の命令に従ったのではなく、王太子の母親の希望に沿っただけというのが主張だった。まさか同じ王太子支持基盤、ブラートフィッシュの嫡男が網にかかるとは考えていなかったのだろう。

 騎士団長の地位にある男が跡を継いだ侯爵家と、ブラートフィッシュ侯爵家で長年揉めていた越境建物問題についての譲歩が手土産だった。

 皇都騎士団の受付窓口、ブルクハルトの追及を隠れてやり過ごそうとしていた現場の監督者は降格。居合わせた騎士たちは二ヶ月間の減俸。ブルクハルトの母親は納得していないようだったが、命令に従っただけの兵をこれ以上痛めつけるのはブルクハルトらとしても本意ではない。当主である夫より自制を促がされた母は別方向に、正しく闘志を燃やした。

 第五王子と王妃の失脚である。

 どちらかと言えば物静かな、男ばかりの兄弟が三人もいて本を読んでいるような実家にあって、母はとにかくパワフルなひとなのだ。弟の、燃えさかる炎の如き激しさの一面は母に似ていると父はこぼす。そこが可愛いと惚気のろけをこぼす。

 フランツ殿下は無能と素行不良を理由とした廃嫡を避けられないだろう。王妃は納得などしないだろう。フリュヒテゴット殿下の立場を守るためにも二人の排除は避けられない。


 ブレンへの、マルクスへの、ブルクハルトの問いかけに対する答えは図らずも身内から与えられた。


(…もっとも、)

 それで、マルクス君が止まるとは思わない。

 殺したいほどに感謝しているとは、なかなか素敵な言い回しだ。


「カジノ・バーデンは楽しめたかい?」

「久しぶりに胸が高鳴りました。大きな勝負の場に居合わせた幸運と、ご招待に感謝します。たまにはギャンブルも悪くないですね」

「それはなにより。落ち着いたらもう一度招待状を送るよ。アーデルハイト嬢の友人になったと聞いたよ。次の機会は自分のためにスペードAのパーフェクトペアを決めてくれ。ああ、得意のポーカーでも構いはしないが?」

 君なら使いこなせるだろう、と言外に振られたブルクハルトは肩をすくめた。知っているという事実は大きなアドバンテージだが、それだけで勝てるわけでもない。なによりブルクハルトには勝利への情熱が乏しい。

 とはいえ宰相閣下からのご招待だ。褒美であり、好意なのだ。顔を出さないわけにもいかない。義務感だけで参加するつもりだった。カードゲームのテーブルについた老若男女の顔を舞台のように眺めて終わるつもりだった。

 それもまぁそのうちに。と考えていたところに某所からの情報漏洩リークがあった。

 婚約を結んだばかりの二人がカジノ・バーデンへと足を運ぶことを知ったブルクハルトは土曜日、いそいそと有給を取得した。新調したばかりのモーニングコートを鏡のまえに確認した。常になく華やいだ気分になっていた。先回りした賭博場のバーに腰かけた。カクテルの一杯目で目当ての二人が姿を現したのは幸運だった。大変真面目なことに、彼らはお仕事を定時に終えてから直行したらしい。


 挨拶を交わしたアーデルハイト令嬢はマルクス・ミュラーの色をまとっていた。念の入ったマーキングぶりに、紹介される前から、彼女がマルクス・ミュラーの婚約者であることは一目で理解できていた。


 なお、某所。迂闊な裏切り者の正体はブレン・ブラートフィッシュ。弟である。

 PTSDと診断されたことを理由に、ブレンは官舎ではなく皇都中心部の一等地に居を構えたブラートフィッシュの家から通勤している。ブルクハルトは弟に秘密の堅守を約束させたが…。深刻な危機感をもっての心配でもない。家族と部隊の仲間たち以外の人間は、ブレンに個体認識されていない。へのへのもへじと描かれた案山子かかしと大差のない存在だ。ただ、そこに居るだけ。弟には説明や会話を面倒がる悪癖があった。誰が、案山子かかし相手に言葉のキャッチボールを試みる? それでも話しかけてくる相手には警戒する。弟の口が本当に軽くなるのは、親しく、同じ言語を喋る、ブレン自身が好感を持つ相手だけなのだ。

 そしてそれはおそらく友人となったばかりの少女も同じことだ。彼らは二人とも、飛びぬけて知能が高く、恐ろしく共感性が低い。けれど誰に理解されずともよいと言い切ってしまえるような偏屈な老人ではない。褒められれば喜ぶ素直な一面を持ち合わせた少年少女でもあった。この年代に必須であろう友人という存在への興味も持ち合わせている。

(…マルクス君がいてくれてよかったな)

 アーデルハイト令嬢のついででも良いので、弟が獣に落ちぬようどうか面倒を見てやってくださいと菓子折りを持参したいところだ。ミュラーへ帰参する前には両親を伴ってご挨拶にうかがう予定である。嫁入りじゃないんだから、とブラートフィッシュのご家族に突っこめる勇気ある御仁はそうそういない。それに。

「結婚式の招待状は弟だけではなく、私名義でも送ってもらえることになっています」

「……まぁ、ほどほどに。マルクス君がやきもちをやいてしまうからね」

 心外だ。

「二人の結婚祝いも確保済みなのですがね?」

「へぇ…。僕もね、とある博物館に飾られていたボルトアクションライフルを買取しようとしたんだけどね?」

「贈り物は花嫁が喜ぶものを。花嫁の喜ぶ顔こそ、花婿への最高の贈り物。基本ですね」

「ヴェーバー博物館の館長が言うには、とある侯爵家の代理人に売ったそうなんだよね」

「残念でしたね」

「…倍だすよ?」

 リサーチ力には自信があったのだろう宰相が取引を持ちかけてきたが。

「お断りします。金銭の問題ではないので」

 即座に却下した。これはブラートフィッシュ家の総意である。冒険者組合に依頼した単分子ナイフの発注競争にはおそらく負けるだろう。カペル公爵家が持つ財力は帝国随一。人脈も一流。帝国に二つしかない公爵の地位にはブラートフィッシュも及ばない。情報の入手に先手を取ったここで譲るわけにはいかない。

 婚約を為した彼ら二人が欲しがる物について、弟に尋ねた。明確な答えを期待していたわけではないが、まさかの即答があった。白紙の小切手を持ったプライベートバンカーを博物館管理者のもとへ走らせた。家族ぐるみ、付き合いの長い男は期待通りの働きをしてくれた。

 ボルトアクションライフルの管理については魔塔の専門家を派遣してもらう手筈になっている。鑑定も済ませた。結婚式の祝砲代わり、一発だけならば実弾も撃てるだろうとの太鼓判も貰っている。直前までは特殊な魔力遮断容器のなかで保管しつつ移動させる。彼女の魔力素養を考えれば、発射の一発で銃身は錆びついてしまうだろうけれども。

「花火のようなものだ」

「あら。おめでたくていいわね」

 侯爵と侯爵夫人は明るく笑いあった。



今期の!転勤!ありませんでした!

これで落ち着いて書ける…。


いいねやブックマークなど、評価や反応が本当に嬉しいです。書く気力になります。もっとください(真顔)。こんなにたくさんの小説がアップされる中で読んでくださり、ありがとうございます。

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