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真っ赤な着物  作者: ふぇにっくすからあげ
2/2

真っ赤な着物(後編)

真魔がもうひとり?!

え?死期がわからなかったのは私だけ?

9月彼女の葬儀へ。




葬儀はその建物の中の1番大きなホールで行われた。

続々と人が集まってくる。

こりゃ地元のスーパーより人口密度が高い。











葬儀が終わり彼女の家に親族が集結した。

真魔のおかんはかなり精神的に追い詰められているようで目が真っ赤だ。

これは距離をとっておいたほうがよさそうだ。

特にやることもない。

3DSを開いてはさすがによろしくない雰囲気だ。

親族同士の会話に耳を傾けながら居間から庭を眺める。

草木も敷き詰められた小石もそのきっちり整備された空間はちょっとした神社だ。


真魔のおばちゃんが笑顔で話しかけてきてくれた。

「おばちゃんこれからケーキ買いに行くけど〇〇(真魔の本名)ちゃん一緒に行く?〇〇(私の本名)ちゃんも行くっしょぉお?」

もちろんOKだっ!!!

真魔はこのおばさんと気が合うそうだ。

何年かに一度くらいしか会えない存在らしいがすきらしい。

※この先のおばちゃん登場シーンは語尾は上げ明るく少し早めな口調、だということを了承の上読み進めてほしい。


彼女の家の玄関を出て立派な木戸をくぐった。

玄関は真魔が幼少期の時とは異なりしっかりバリアフリー設計にリフォームされていたらしい。


駐車場へ向かうのかと思ったらおばちゃんはそのまま歩き出した。

真魔は世間の常識を覆す程無口だがこの時は珍しく自分から口を開けた。

「おばあちゃんが死ぬの去年の11月くらいにもう分かった。それをばば(真魔のおかん)に言ったら滅茶苦茶怒られた」

おばちゃんは笑顔で頷いていた。

「〇〇(真魔の本名)ちゃんは夢で分かるタイプ?」

「あ、ん、いや、よく分からないけど今回は違った。」

「いやぁ~おばちゃんは今年に入るまで分からなかったんだ」

私は黙って聞いていた。

いやむしろこの会話この状況で私はどうすればよかったのか?

はっきり言ってこれはもう一般ピーポォーのついてゆけない会話だろう。

「おばちゃんはお正月に夢で知ったんだ。おばあちゃんが真っ赤な着物着ててね。〇〇(真魔の本名)ちゃんはあまり知らないかもしれないけどおばあちゃんはあんな派手な色の着物は着ないんだ。口紅も真っ赤だったんだ。それでおばあちゃんひとりで嬉しそうに結婚式あげてたんだ。」

ひとり結婚式。相手はそこには居なかったそうだ。

真魔は無言で頷いていた。

あっという間にケーキ屋さんに到着した。

「こんなとこにケーキ屋できたんだ?」真魔が店の看板を見上げぼそっと言った。

入店すると小綺麗な店内においしそうなケーキが並んでいた。思ったより店内は狭い。

3人で好きなケーキを選び店を出た。

私は迷わずチョコデコレーションを選んだ。

「おばちゃんすぐ分かったんだぁ!おかあさんがあんな真っ赤な着物着てさぁ。異常なくらいに笑ってんだぁ!それにあんな濃い口紅つけちゃって。それ見ておばちゃん気味悪くなったんだ。それであぁ近いのかな、って。でもさ1月の時点ではどこも元気だったし入院もまだしてなかったっしょっ?何かの間違いかな?っておばちゃん思ったんだぁ。間違いなら間違いの方がいいしね!いやぁでも〇〇(真魔の本名)ちゃんほんとにおばあちゃんの事好きなんだねぇ、そんなに早く気付くなんて~」






気持ちのいい風がすぅっと吹き抜けた。

空が高い。

ここは同じ日本とは思えない位気持ちのいい街だ。











地元へ帰る日タクシーからふと窓の外を眺めるとそこにはびっしりと赤い彼岸花が無数に咲いていた。
























おとといが命日だったそうだ。

大事な人の死期がわかる真魔ママはばかですか?








特にない。

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