第3話 Z11準々決勝第3試合 後編
テグラは呪文を唱えてビーボを出して自己使。ここでルミエがシールドをやめて地面を蹴って垂直に跳びながらアクアミを左右の靴に自装使。すると他のアクアミのロックも一斉に外れて大量の水が現れて溝に水がたまって行く。水位は溝から溢れる寸前の高さだ。出現した水が奇力封印装置を押してボタンが青く光るが、ルミエは溝の方へ走り低くジャンプして足から入ろうとする。テグラは入った瞬間を狙って、
テグラ「アル…」
ルミエが真下に水を撃つ音「バン!」
テグラ「バミ!」
ルミエは垂直に跳び回避し溝に入る。闘場が紫外線と赤外線を吸収する性質がある事と、ルミエの靴にかかっているアクアミには水中を速く移動できる効果がある事により、位置の特定が難しくなったがテグラは魔感を使ってルミエの位置を特定しながら次の秘策を考える。魔感は肺が膨らむ時に体中の細胞から魔粒子が全方位に3000㎞/sで放射される現象を利用して、人から放射される魔粒子を感知し居場所を特定したり敵の動きを予知したりする魔法。魔粒子は風の影響を受けずに直進し、非生物は透過し生物に当たると一部が反射し反射した魔粒子は速度が半減する性質を持つ。だがルミエは攻撃してこない。テグラは目をつぶって魔感の感度を上げた。するとルミエの魔力が1.5秒毎に減ってる事が分かりアルバミを出している可能性が高いとテグラは判断し、この後ルミエが等級Cの魔球チェプを使う可能性が高いと予測。チェプは、
等級 C
、呪文 サブヤハンセンカンシ
効果 他己使 対象と魔球を出した人の位置が入れ替わる
他己使以外 不可
対策としてテグラはロックを外したチェプを用意して右手に持ち、アルバミを出そうと呪文を唱えるが魔力不足で出ない為、
テグラ「ストンガサカサオオバンガスパンラグヤゴナ」
左手に魔球が出る音「ボン!」
テグラ「アルバフ!」
アルバフは、
等級 B
効果 自己使・他己使・物使 対象を電撃で攻撃するがアルバミより電力は弱い
装使 60秒間武器が電撃を帯びる
ここでルミエがテグラの後方の溝から上半身を出し魔球を右手で打つがテグラはこの時、この魔球が当たる時にルミエの体勢がどうなるかを残り僅かな魔力を消費して魔感を使い読む。そしてテグラは素早く方向転換し左手に持ったアルバフを左足の真上の25㎝左側あたりで離し、右手に持ったチェプを軽く数㎝真上に投げる。そしてルミエの打ったチェプはテグラに当たり2人の位置が入れ替わる。その瞬間に、
ルミエ「アルバミ」
テグラ「ぐあああ!」
テグラはアルバミを食らうが2人の位置は再び入れ替わる。テグラはルミエのいる方向を確認しようとしたが足が痺れて倒れてしまいダウン状態になる。そのまま10秒経過し救護室に瞬間移動させられる。すると30歳位の女性の救護員が魔球を持っていて、
救護員A「テグラさん、傷の回復をしますよ」
救護員Aは魔球をテグラの体に接触させながら、
救護員A「レビタミ」
レビタミが発動する音「キリリリリリリリ!」
レビタミは、
等級 A
呪文 シムトブカビナハキエニクミタシアドンレフイオボイサナミスヤオ
効果 自己使・他己使 対象のあらゆる怪我を全て治すが、切断された箇所がある場合は等価交換の法則で既存の体組織の一部を分解して作り出した栄養分で修復する。また、出血した血液・毛・歯は修復されない。爪は再生するがかぎ爪型の爪を持つ選手は、グローブや靴を着けられる様にする為爪を切除し、特殊な薬を服用して爪が再生されないようにしている。
物使・装使 不可
次に救護員Aは薬が入った注射器を出し、
救護員A「次は魔剤を注射して魔力を回復しますよ」
傷の治療と魔力の回復を終えたテグラは、
テグラ「ありがとうございます。ところで俺は勝ったんですか?」
救護員A「ビデオ判定をしていますよ」
救護室のテレビに映っているZ10の生中継番組の実況「ビデオ判定の結果は…テグラ選手の勝利です!初のベスト4!」
救護員A「良かったですね。これでW杯に出れますよ」
そしてルミエは、
電撃を受け続けるルミエ「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
救護員B(女性で年齢は27歳位)「あ、こ、こういう時って、ど、どうすれば、いいんですか!?」
救護員C(男性で年齢は48歳位)「見本を見せてやるから覚えておけ。メアモツイワリマジハ!」
魔球が出現する音「ボン!」
救護員Cがルミエの右靴に魔球を接触させると、
電撃を受ける音「ビビビビビビビビ!!!!!」
だが、救護員Cは魔殻で耐え、
救護員C「アクアヒ!」
靴にアクアヒを装使した音「ブオ!」
アクアヒは、
等級 C
効果 自己使・他己使・物使 対象を水で攻撃するがアクアミより水量は2段階少ない
装使 30秒間武器が水を帯びる
救護員B「電撃食らっても大丈夫なんですか?」
救護員C「魔殻を使えば平気だ。選手がどういう状態でどんな怪我をして搬送されるかを想定して準備しろ」
救護員B「はい」
ルミエ「私の靴は呼吸しやすくする為に通気口がある事と肺液が電気を通しやすい事をわかってたらこんなミスしねえだろ!」
救護員B「すいません」
治療と魔力の回復を終えたテグラは自分の控え室に戻る。すると…
第4話へ続く