第2話 Z11準々決勝第3試合 中編
踏む前にルミエが素早く近づき後転しながら両脚でテグラを蹴り、テグラは後方に回転して飛んでいくが、テグラは魔殻で衝撃を軽減したため素早く体勢を立て直すことができ、グリーンゾーンから外れずに済んだ。魔殻は攻撃や防御時に心で念じる事で、体や装備品の表面にシールドを発生させてダメージの軽減や威力の増幅を可能にする魔法で、魔殻を応用すれば高所から落下しても無傷で済んだり、魔球の打球速が通常より速くなったり、高く跳べたり速く走れたりする。今後、打撃技・防御/受け身・高く跳ぶ・高所からの着地・速く走る・魔球を打つ/蹴る等の場面があったら、魔殻を使っていると考えていい。そしてテグラはルミエの方を見た。ルミエの背中には光を固形化して作りだした翼があった。魔球を使わずに飛行できる事が判明した選手は次戦から試合開始時に魔球を持てない。ルミエはテグラを右足で蹴ろうとするが、テグラは呪文詠唱する時間を作るために右膝を床につけて1回目のダウンをする。だがルミエは蹴りの軌道を高くして回避し、
ルミエ「お前今ダウン状態になった選手を攻撃したら反則になるルールを利用して私を反則負けにしようとしただろ!」
というが、テグラは呪文の詠唱に専念すべきと判断して無視し、
テグラ「アシエペスアラスハスクアワトルアオリソトフイスンパライニムジ!」
魔球が出る音「ボン!」
テグラは魔球を手首に接触させ、
テグラ「ビーボ!」
ビーボを自己使した音「ピ!」
ビーボは、
等級 A
効果 自己使・他己使・物使 対象を90秒間倍速化
装使 武器の空気抵抗を90秒間半減
更に、
テグラ「ハナエソラウンワノギゴナナデカザノギナンオンタミヨクスグミト!」
魔球が出る音「ボン!」
テグラは魔球を左右のグローブで挟み、
テグラ「コーミ!」
コーミを装使した音「ヒュルルルル!!」
コーミは、
等級 A
効果 自己使・他己使・物使 対象を強い冷気で攻撃
装使 90秒間武器が冷気を帯びる
テグラは右膝を床面から離してダウン状態から脱すると、グローブの風で靴の冷気をまき散らしながら飛行する。実は試合前にテグラは過去の試合動画を調べて、ルミエはプロデビュー戦で対戦相手を反則にして勝つ戦法に引っ掛かり負けて以降、それをやられると怒って冷静さを失う傾向がある事と、この戦法以外で負けた試合ではルミエの体温が低い事を見抜いていた為闘場を冷やそうとしている。しかしここでルミエもテグラと同じようにビーボを自己使した後、
ルミエ「イバズオゴムイタトンメオモザオフォイリサセネズアアユアバエオフォ」
魔球が出る音「ボン!」
ルミエは魔球を左右のグローブと靴全てで挟み、
ルミエ「ダブルマ」
ダブルマを装使した音「ピーン!!!!」
魔球の効果が発生してる靴やグローブに魔球を使うと先に自装使した魔球の効果は消失。ダブルマは、
等級 A
効果 自己使・他己使・物使 不可
装使 90秒間武器が2種類の魔球の効果を共存出来る
ルミエはグローブと靴全てにビエンミとアブリミを自装使した後闘場内を暖める為飛び回る。次にテグラはルミエと同じ魔球をグローブと靴全てに使おうとする。当然ルミエもテグラが呪文の詠唱を妨害する為に光線を何発も撃つが、テグラはその攻撃を防御して耐え、呪文詠唱と3つの魔球を全てのグローブと靴に自装使することができた。そしてテグラは闘場内を飛び回る。テグラはルミエの所属するジムGTRはスカイライン王国東部の高地にある為暑さに弱い可能性があり、しかも今日は湿度が高く風が吹いていない為体温が下がりにくいと判断し気温を上げようとしている。だが数秒後ルミエは自身のグローブを外して奇力封印装置の傍に行き、そこで後方宙返りしながら足が外に出るように半球型のシールドを出して奇力封印装置も囲み、シールドに足を引っ掛けて体が床面に触れないような体勢で、等級Aの魔球アクアミを次々と出し続けながら足から光線を撃ち続ける。アクアミは、
等級 A
呪文 ウゾクイシヨウロチイバトウロジミツアチインシリモシロヒキツイ
効果 自己使・他己使・物使 対象を大量の水で攻撃
装使 90秒間武器が水を帯びる
そしてテグラはルミエが溝を水で満たして溝に隠れながら、光線を撃つ戦法をすると予測し光線を魔殻で防御しつつ、ルミエに何をしてるのか分からなくする為、ルミエの赤外線を可視できる色覚を利用して、ルミエに向かって炎を左手で撃ち続けながら、等級Aの魔球アルバミを次々に出して溝に多数投げ続ける。アルバミは、
等級 A
呪文 ダヨチカシツカウトウコヤガタセダミスタオオワガナシタキトナミ
効果 自己使・他己使・物使 対象を強い電撃で攻撃
装使 90秒間武器が電撃を帯びる
テグラは自己使したビーボ、グローブと靴に自装使したビエンミとアブリミが切れそうになったところで…
第3話へ続く