第8話
すごくねむい
あの後王子と夜が明けるまでやりあったが決着がつかず、出勤してきた掃除の人に見つかってしこたま怒られてしまった。勇者の説教が可愛くみえるくらい恐かったな。
なんとか許しを得た俺達に普段の仕事が待ち構えていた。徹夜である。
睡魔と激闘を繰り広げながら仕事を終わらせて、勇者たちと合流しようとしたら何やら言い争いが聞こえてきた。
「キミたちはついてこなくて大丈夫です!魔王はボクひとりで倒しますから!」
「ソンなの無理に決まってるじゃないか!」
「無理かどうかはボクが決めます!」
むむむ、勇者と騎士団長がケンカしている。
どっちとも気が強そうだからなーあれは決着つかないぞ。
「それにあなた」や彼女はまだわかるのですが、アイツがついてくるのは納得いきません!」
勇者が俺に指を指してくる。・・・えっ俺?
俺がポカンとしてると勇者はプルプルしだした。
「あんな、あんなボクをバカにするようなことしといて!?」
あちゃー勇者様はまだ根にもってたかー
やはり第一印象は大事だな。勇者は俺の事を信用していないみたいだ。
「それに城の人が言ってましたよ。聖騎士ジンは魔物を全く倒せないlv1だって!そんな人がいるパーティーとはボクは行けません!」
・・・ヤバぇ正論すぎて何も言い返せねぇ!シダは論破されて固まってるし、セイはいつもの笑顔だが俺にはわかる。あれは困っている笑顔だ。
なんてことだ!流石は勇者、全体攻撃までお手のものとは!
勇者の一言でパーティーが半壊してしまい、皆が落ち着いた時には勇者の姿はどこにもなかった。