第5話
何故か聖女に労られた俺は日課をやっているとオージがニヤニヤしながらやってきた。
今日はニヤニヤ率が高いな。
「ようジン。さっきは大変だったな」
俺がジトッと睨んだ。確信犯のクセに
「そんなに怒るなよ。俺とお前の仲じゃないか」
そうだな俺とお前の仲だもんな
「ハハハハハ」
「ハハハハハ」
お互い目が笑ってないな
そんなことより、何の用だ?さっさと言え
「ホントお前はクチが悪いな!」
大丈夫だお前にだけだ
「何が大丈夫なんだ・・・オレ、王子なのに」
王子サマならコスい真似するなよ
「え?なんのこと?」
コイツ・・・俺は復讐を誓いながら話を促した。
ほら、言え
「はぁ、セイちゃんのことだよ」
セイとは我が幼馴染様だな。
ムカつくことだがコイツは俺の幼馴染のことをちゃんづけする。
それで、セイがどうしたんだ?
「ほら、もうすぐ出発だろ?」
ああようやくわかった。コイツ俺のこと心配してくれてるのか。
こういうところがコイツの良い所であり、ムカつく所だな。見た目もイケメンでこういった気配りもできて王子である。完璧かよ。
俺は感心しながら相槌をうった。勇者パーティの話か
「ああ、明日の国王陛下への謁見後勇者、騎士団長のセイ、そして聖女のセイちゃん。我が国精鋭の3人が魔王を倒す旅に出る。お前が不安になるのもわかるよ。」
そうだな。正直不安だ。
ただ、その不安は少しニュアンスが違うんだがな
「それにしても勇者様は羨ましいよな。ぶっちゃけハーレムみたいなもんだもんな」
「それなー。我が国トップクラスの女の子達と旅ができるなんて羨ましい・・・俺も王子でなければパーティに加わりたかった!」
滅茶苦茶悔しがってるじゃないかコイツ。王子辞めて参加しそうな勢いだぞ。
俺も我慢してるんだから、抑えてくれ。
「そういわれてしまうとしゃーなしだな。今回は我慢する」
諦めるつもりがないみたいだな恐ろしい。
取り敢えずは明日の謁見だな。
「そうだな。おっと、立ち話もこれくらいにしとかないと部下に怒られるな。そんじゃーな」
そういってオージは爽やかに去っていった。最初から最後までイケメンだったなペッ
この後、掃除の人にしこたま怒られた。