第4話
聖女様の部屋の前までやってきた。
聖女様といいつつも部屋はそこまで大きくなく装飾も質素である。
ここはもう勝手知ったる場所なので畏まらずに入っていく。
「あっ、じ〜ちゃんおかえりー」
「だから、じーちゃんはやめろって」
「えへへー」
そういって俺を出迎えてくれるのは丸眼鏡をかけた何処にでもいそうな地味目な少女である。だが服装は聖女様用に用意された純白のドレスである。
馬子にも衣装だとつい思ってしまう。しかし彼女は我が国唯一の聖女様である。
ところで、シダに伝言を頼んでたようだが何かあったか?
「えっとねー、お菓子が焼けたからじ〜ちゃんに食べてもらおうとおもったんだよー」
「・・・まったく、お前というやつは」
「えへへへー」
だらしのない笑顔をしながらお菓子を持っている女の子
何度も言うが聖女様である。
シダから伝言を受けたから何事かと思ったぞ。
「そろそろおひるだし、じーちゃんも疲れたかなー?って思ってお願いしちゃった」
流石は聖女様。騎士団長様をパシりにつかうとは恐れ入る。
まあ、勇者にコテンパンにやられて疲れたから助かるわ。サンキュー
「えへへえへへー」
さっきからニコニコしっぱなしで全く威厳が感じられない聖女様。
それと同時に我が大切な幼馴染でもある。