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第3話
勇者の説教を終えて修練場から出ていくと騎士団長から声をかけられた。
「よお、随分なカッコウじゃないか」
凄いニヤニヤしている。一部始終ずっと見ていたらしい。なんて酷い同僚なんだ。
俺が非難の視線をぶつけても全く気にせずに話を変えやがった。
「んで、噂の勇者サマはどうだったんだ?」
強かったよ。力が凄まじいな。攻撃を受け止めようものならそのまま両断されるか吹き飛ばされるかのどっちかだろうな。
「国一番の騎士であるお前がそこまで言うならよっぽどのことだな」
まーな。ところで、俺に何か用があったんじゃないのか?
「ん?まあその通りだ。聖女サマが呼んでたぞ。」
なるほどすぐに行く。わざわざありがとな。
「いいってことよ。じゃーな」
そう言って我が国の「女」騎士団長は手をプラプラ振りながらかえっていった。