第10話『孤独な勇者』
ドラゴンと戦いはじめてどれくらいの時間が過ぎたんだろう?
ボクはもうヘトヘトで思考がぼやけてきている。ドラゴンは思ってた以上に強かった。ボクに攻撃する暇を与えてくれない。爪や牙さらには尻尾をつかって休まず攻撃を仕掛けてくる。そのせいで防戦一方になってしまいピンチなのだ。
『イセイガイイノハサイショダケダッタナユウシャヨ』
ドラゴンは喋っているのではなく直接ボクに語りかけている。余裕綽々でムカつくのだがボクには怒る元気すら残っていない。
『コレナラコゾウノホウガタノシメタナ』
小僧?誰のことだろう?
気にはなるけど今はそれどころではない。ドラゴンは語りかけながらも油断なくボクに攻撃を続けている。
『ユウシャヨラクニナルガイイ』
そういってドラゴンが畳み掛けてきた。
その嵐のような攻撃にボクはエクスカリバーを弾かれてしまった。
慌てて戻そうとするが間に合わない。ドラゴンの牙がボクの目前に迫ってきている。
ボクはもうダメみたいだ。勇者なのにこんなところで死ぬだなんて。
諦めてボクは目をつぶった。しかし一向に痛みがやってこない。
不思議に思って目を開けてみるとそこには意外なひとがいた。
そのひとはニッと笑うとこう言った。
「よう、大丈夫かい勇者?」




