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オレの日常を返してください!

取り敢えず、まとまらないまま終話です

ピピピピピ……


ハッ

「?!」


目覚まし時計の音と共に微睡む事もなく目を見開き、普段では考えられない寝起きの良さを見せて飛び起きたオレ


押し退けた掛け布団を確認し、部屋の窓から覗く日差しに平和な雀の囀りを聞く


「オレの…部屋?‥‥朝……」


状況が今一把握出来ないオレは唖然として自分の服装に首を傾げた


「オレ、いつ着替えたんだ?」


パジャマ姿のオレ。記憶が曖昧だった


「?」


暫く考える


…‥‥‥‥


段々意識がハッキリしてくる


「‥‥―――ッ!」


そして、不意に思い出す。あの異常な誕生日の様々な出来事を


オレは急いで部屋の壁とドアを振り返る。

メイドがハンマーで破壊したはずの『ソコ』は何の損傷もなく、見慣れた光景があった


「壊れて、ない……ゆ…夢……夢だったのかー!!」


オレは両手を挙げて歓喜の声をあげ、心から安堵する


「だよなっ あんなコトあり得ない。オレもなかなかリアルな夢見るよなー……想像力豊かなのも問題ありだ」


オレは心機一転、晴れ晴れしい気持ちでベッドから飛び下りて、全身を伸ばして天井を仰ぐ


(まぁ、あのメイドは美人だったし、夢だと解っていたならもう少し堪能してたんだけどな。残念♪)


今だからこんなくだらない事言ってられたが、実際でにあんな美女をリアルに拝めるか?と尋ねられたら、答えはNoだった。学校にだっていない、あんな美人


(良い気分も嫌な体験も今となっては全てが想像、夢物語だ。

……それにしたって、最後のはリアルに一番怖かったな…追い掛け回されていた方がまだ良かった。殺気みたいのがヒシヒシ感じてたし……)


思い出したら、また悪寒が全身を走る


(美人の無表情は化け物より迫力あるのだけは身を持って実感したけどな)


あの目が忘れられない


そんな事を考えながらパジャマから着替えようとボタンに手を掛けた……


「お目覚めですか?

おはようございます、ご主人様」


ビクゥッ


え?‥‥‥そのイントネーションと声……何より‥‥―――


「『ご主人…様』?」


後ろからかけられた聞き覚えのある声に、オレはビシッと凍り付き緊張で息を止める。人物を確認する事を全身で拒絶する


「お着替えですか?お手伝いしましょう。ご主人様」


声の主は、硬直するオレの前に回り込み、目の前に立つのは声同様に見覚えのある美少女


……確かに改めて堪能したいと思ったさ、だけどこんな仕打ちあり!?


ボリュームあるボブショートの黒い髪に、白いレースリボンを揺らしながら、吸い込まれそうな瞳を上目遣いに向ける黒いメイド服の‥‥‥――――


「でっ…ドえぇぇぇーッ!!(リアルメイドでター〜!!?)」



まごうことなき例のメイドは現実に存在した


突如大声を張り上げてパニックしたが、メイドはそんな事に動じた様子もなくオレの姿にクスクス笑って言った


「ダイナミックな挨拶ですね!ご主人様。朝からお元気なのは素晴らしい事だと思います。素敵ですよ」


褒められちゃったよ。

つーか、オレのコレは挨拶じゃなくて悲鳴にならなかったオレの心の声、勿論君に対する恐怖だよ☆


支離滅裂なオレの心理状態などお構いなしに、メイドは手早くオレのパジャマの釦を上から外していく。それに気づいたオレはまたしても悲鳴を上げる


「ひぃぃ!何してんでスかぁッッ、アンタ!!」




「改めまして申します。

私はご主人様に絶対なる忠誠を誓い、貴方から離れないことを誓います」


「は…はいっ?」


止めてくれ。幻聴が聞こえる


耳を塞ごうとするオレの上げ掛けた両手を、メイドはスルリと掴んでそれを許さない


「ッ…」


戸惑うオレに顔を近付けてくるメイド


ヤメテっ マジで綺麗な顔を近付けないで!怖いのと意識しまくりで頭がグチャグチャになる


メイドはしたたかな表情を変えないまま、お互いの顔に息が掛かるか掛からないか、という微妙な位置で囁いた


顔だけでも距離をおこうと無駄な努力をするオレ。

怖がっているくせに、男と言うのは悲しい性だ……

つい、反応してしまう


うぅぅ〜……なんて情けない


そんな涙しそうなオレの手を更に強く握って色っぽい艶めかしい唇を動かしていく。その度に息が掛かって下半身がムズかゆくなる…(泣)


「貴方と共に歩んで行ける事…これからを迎える事、その奇跡に感謝し、幸せを実感しております。

この身に代えましても、私は貴方を永遠に御守り致します」


(有難い迷惑な話なので全力でお断り致します!)


…と、言いたかったが声にならなかった



メイドがゆっくりと離れる


彼女の熱を名残惜しく思う体をぶん殴ってやりたかった


メイドは改めてニコリと微笑んでみせる。今度は無邪気な子供っぽい笑顔にドキリとする


我ながら……いい加減にして、この節操なしな身体を恨めしく思う


だが、正直な所オレはこっちの顔のほうが好感を持てた




「ご主人様」


「な、何?」


あ、つい可愛い顔に釣られて返事をしてしまった


「誓いも立てた事ですし……」


ちょいと待て。それはソッチが勝手に…


オレの返答を待たずして、またしてもこのメイドはやらかしてくれる


……‥‥‥。ニコニコして背中から取り出したるは‥‥‥――!!


「先立ってまずは、記憶を取り戻して戴きたいと… 」


しおらしい態度で出現させたアイテム…いや、アレは既に武器と化してるゾ!!


「ひいっ」


思い出したくもない記憶が呼び起こされて無意識に硬直する体




ハンマー登場☆




「んぎゃあぁぁぁ!!」


メイドはハンマーを軽々担ぎ上げた。だからその細腕は幻かい?


「私、頑張ります。決してめげません!」


(頼むからめげてください!どうかこの通り!!)


もう、必死だ


(忘れてくださいっ 諦めてー!!)


あぁ神様、女神様…アキバのメイドさま。もぅ、とにかく何でも良いから、この際贅沢言いません。

誰でも良い!


オレ、マジ死ぬ……マジでヤラれる。

でも、せめてオレのこの些細な願いを叶えてください、聞いてください!


滲み寄るメイド、後退するオレ


「ギャー!!やっぱ死にたくなーいッ!

オレの平穏な日々、カムバーック!!」










メイドのせいで、オレの日常は異常に変わる

続編(?)に、続く!…かも?!んー……

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