お前は忍者か、人間か?
メイドです☆
バーイ!メイド♪
「ひギャアアァァァッっ 出たーーッッ!!?」
ドアを開けると、そこには外に閉め出したはずのメイドがオレを笑顔で出迎えた
リターンズ 恐怖?!
「おま、おま……お前、どっから湧いた?!」
この時のオレは、かなり混乱していたんだ。
だから部屋の外に逃げてれば良いものを、わざわざご丁寧にも中に足を踏み入れてドアまでバチンと閉めていた。どうやら無意識に目の前のコイツを野放しにしたら犠牲者が出ると偽善心が生まれていたのかもしれない
いや、だってマジに怖いんだって、このメイド!
その証拠にオレは壁際に張り付いたまま彼女との距離をとっている
だって普通じゃないもん、コイツ
しかし、この行動をオレは後に心底後悔する
(玄関の鍵は確かに全部閉めたし、何より玄関から直で部屋に来たオレより先に部屋の中に待機して出迎えるコイツは何なんだ?!可能なの?
ハッ そうかっ…そうかも、とは薄々考えてはいたが、やっぱそうなのか?!化け物?!変態!? ‥‥‥変態はまぁ確証持って言えるな、最初から解ってた)
などと思考を悩ませていると、メイドがオレの苦悩を知ってか知らずか、可愛らしい口を開いた
「ご主人様、お部屋の窓の鍵が開いていましたよ。無用心ですので、今後はくれぐれもお気を付けなさいませ」
「へ?‥‥‥。 …鍵……?」
一瞬、彼女に注意された事を全部把握できず、ノロノロとした動作で部屋に一つしかない出窓に視線を流す
片方の窓が全開だった
「あ、ごめんなさい、わざわざどうも。‥‥‥‥って、何、注意受けて素直に謝ってんだよ、おいっ ここ二階だろッ?つーか、そっから入ったの?!おかしくねっ?」
侵入したことが?…いや、そこじゃなくて、いやいや、ソレも充分ツッコミ満載だが、今回はそこじゃなくて
一人、自問自答しながら青冷めていくオレ
イヤだ、考えたくない
(ココは二階なんだから、当然梯子を使わなきゃ登って来れねぇよな?でもこの短時間でそもそも上って来られる訳がない!)
怖ッ! コイツ、マジで怖!!やっぱ人間じゃないのか?!
「ご主人様」
不意にメイドはオレに声を掛けた
「はひっ」
裏返った声で返事するオレ自身が情けない
見つめてくるメイドの表情は先程とは打って変わってしおらしく、不安そうな目を向けている
「?……な、何?」
その視線は更にオレを動揺させた
「……憶えて…いらっしゃらないの、ですか?」
「はい?」
何を?
本当は短編になるはずだった作品も、こんな長々と…((泣))