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オレの話も少しは聞いてくれ

髪の毛一本?………


「ご、ご主人って…オレ?」


「はい」


この女は何言ってんだ?


「守る?」


「はい。貴方です、ご主人様」


真面目な顔してバカにでもされてるのか?


「あ、あのさ、意味分かんないけど……オレ、未成年者だからそういう店を頼んだ覚えは…… 」


「先ずは、お疲れでしょう?ご飯にします?それともお風呂にしますか?」


オレの話が終わるより先に、メイドはニコやかに質問してきて、その姿はあまりにも愛らしくて、ついつい流されてしまう


「あ、じゃあお風呂で‥‥‥(ン?)…って違ぁーう!!おかしいっ おかしい!だからおかしいだろ?!

泥棒か?!そうなのか?!新手の泥棒は、昨今相手を喜ばす趣向なのか?!……いや、落ち着け、オレ!

とーにぃーかーく、出てけ!」


「何故でしょう」


間髪入れずに返された質問に頭痛を覚えた


「お前、オレをバカにしてる!?」


心底不思議そうにする相手に、常識を訴える自分自身が馬鹿馬鹿しかった


「怒ってらっしゃるのですか?ご主人様」


オレを見つめながらソレを確認されたら、もうどう対処したら良いのか困惑する


(待て待て待て!)


大きく息を吐く


冷静に考えろ、常識的に考えれば済む!……話のはずだ


(この家は今、オレ一人だ。そしてコイツはメイド。自分で名乗ってたし!…ドコから見てもメイド……少し目の保養にもなる…じゃなくて、メイドはお手伝いさんとも言える。

そうか!母さんが雇ったのかも!!)


現在、両親は愛する息子を置いて仲良くラブ旅行三泊四日北海道の旅!…に出ていて帰ってくるのは明日の予定だ


オレは結論を出して何とか強引に脳を納得させようと試みる


「お前!母さんが雇ったハウスキーパーだろう?!」


「違います」


直球で否定されちゃったー☆笑顔で


この力一杯に伸ばされた指はどうしたら良いのかな?


「あ…違うのね?‥‥‥」


出鼻を挫かれ、力が抜けたように持ち上げられたままの指を手持ちぶさたに下ろして項垂れた


「ご主人様のご両親とは面識ございません」


「‥‥‥じゃ、じゃあ何なのさ?突然現れて、何の用なんだ?!」


「だから貴方を守る為に… 」


「はい!ちょっとストップ」


それは何度も聞いたし、何度もリピートされても困るので、ソッコー遮った


オレは全力で考えを巡らす。普段だってこんなに考えたことないぞ、オレ


メイドは俺に言われた通りに黙って次の言葉を待っている。メイドと言うだけあって忠実だった


暫くして、ようやく考えがまとまったオレは顔を上げてメイドの肩に手を置いた


「(よし!コレでいこう!!)えー…と、‥‥‥取り敢えず一度玄関の外に出てくれる?冷静に話し合おう」


オレは極めて冷静を装って告げた。するとメイドもオレの表情に緩みが見えたとでも思ったのか、パアァァと目を輝かせ大きく頷いた


「はい!私は極めて冷静ですが、ご主人様の御言葉のままに」


ははは、オレはパニックし過ぎで冷静さを取り戻したよ…


その笑顔がまた、眩しいやら可愛いやら綺麗やら……ってソレはちょっと置いといて。

疑いもせず言われるままに、素直にオレに従ったメイドはオレ自ら開けた玄関のドアから一歩外に出ていって…


「よっしゃー!!」


オレは勝った!と、ガッツポーズを後回しに、マッハでドアを勢い良く閉めると同時にチェーンを掛け鍵を締めた


この間、5秒とかかってはいまい。我ながら見事な早業だったと感心する


(よしっ 変な女メイドは撃退した。警察が来てくれても待つ間オレがどうにかされちゃってたらシャレにならないしな。取り敢えずコレでオレの身の安全は保障された!)


全身でホッと胸を撫で下ろして安心し、メイドの事は悪い夢でも見たと思って忘れようと心に決めて、二階の自室に歩きだした


閉め出した事ですっかり安心だと思ってたしね


「ったく、せっかくの良い気分を台無しにしくさってくれて…あのメイドめ……可愛いからって限度を軽く通り越してたぞ。

あーあ、風呂にでも入って気分でも直そ… 」



ガチャ







「‥‥‥‥。」


「お疲れさまです。ご主人様」


 ‥‥‥そこにはメイドがおりました










極めてオレの考えは甘かったのです…




「出ターッ!!」

主人公は怒鳴り通しですね。これからも変わりません

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