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あしあと

作者: りゅう

心の聖域は

誰の手も届かない

遠いところに置いておこう


真っ白に薄くブルーかかった影

どこまでも続く平な世界

前人未踏の真ん中で

膝を抱えて凍えていよう

誰もいないひとりきりの世界


わかっていたのに

繰り返す愚かな過去

全て捨てて

凍らせて

溶けない氷

そこに隠した小さな鍵


溶けだしたのはなぜ?


浅い水に沈んだ鍵

いつでも取り出せてしまう

誰にでも


何度でも繰り返す

過ちのたびに

吹雪をおこし埋めていく

全てをなかったものにして


逃げ続けて それを

誰が責められる?


裏切りの涙と

悲しみと


二度と 心許すことなどないように

幾重にも張り巡らした

頑丈にかけた鍵

君はいとも簡単に

ほどいて

僕の心の聖域を

踏みあらしていく


その痛みに似た愛しさに

君の残したあと

消せないでいる


君を追うこと

できずにいる


ならば、せめて

心の聖域は

遠いところに置いておこう

君だけに届くように


今日も独り 雪の中

君のあしあとを見つめ

叶わぬ夢を

見ている


もう、君から逃げれそうに無いから。

迎えに来て欲しい。

ひとりじゃもう、どこにもいけないよ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 切ない心がひしひしと伝わってきます。私の大好きだった人が言いました。「叶わない恋でも、恋はしないよりもしたほうがいい」と。人との出会いや思いは大切にしたいですね。
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