「目撃者」
たった1人の英雄奇譚
第9話
来ました、もうすぐ2桁です。
あっ、もうすぐヒロイン増えます。
今度とも、よろしくお願い致します。
「おはよう。慎也!。」
「…。」
「慎也!。」
「…っ、シルヴィアか…。」
「何よ、それよりどうしたの?」
「いつもなら返事返すのに…。」
「ああ、今日は疲れていて。」
「そう、へぇ~。で?。」
「で?。」
「ええ、そうよ!」
「せめておはようぐらい言いなさいよ!。」
「あっ、悪い。」
「はぁ~…、しっかりしなさいよ!。」
席につく。
あれはシルヴィアなりの優しさなんだろう。
いつもそうだ。
言葉が足りない。
だからいつも誤解されて…。
…まったくお前ってやつは。
シルヴィアの優しさが、温かった。
「おはよう慎也。」
「おはよう、隼人…。」
「なあ、本当か?。」
「何が?。」
「昨日、あの現場に居たんだろ?。」
「なっ…何でそれを。」
「見てたやつがいたんだよ、それでどうだった。」
「シルバーバレットはいたのか?。」
「いなかった。」
「そっかぁ…でも、どうやって逃げたんだ。」
「知らねぇよ!。」
「…慎也?。」
「…ああ、すまない。」
確かにそうだった、昨日あの場所にシルバーバレットはいなかった…。一体どこに。
シルバーバレットって、幽霊なのかなやっぱ、誰も姿を見たことが無いんだぜ。
そんでもって、現場にはご丁寧に薬包が落ちてる、いや、置いていってるか。
隼人がシルバーバレットについて、話している。
入学当時から、何度も聞いた。
確か親父が警官だっけ。
「そんでな、おっ、発見者が来た!。」
隼人の声で、教室の扉に視線が集まる。
「おはよう。」
「おはよう、颯くん、今日は妹さんと一緒なのね♪。」
「ああ、シルバーバレットがまだうろついてるかもしれないしな。」
「それで、今日は一緒に来た。」
「エスコートって、奴だ。」
「まあ、委員長さんはどうどうと道を歩けるから羨ましい。」
「ちょっ、あんた!。」
「磔にするわよ!。」
「わー、怖い。」
「何ですって!。」
「お兄ちゃん!。」
「兄さん!。」
颯が、玲奈、鈴音、シルヴィアの3人から叱責を喰らう。負け時と反論するが、旗色が悪い。
ようやく、3人から解放された颯がこっちに来た。
「おはよう。」
「おはよう。」
平静を装っているのか颯の声はいつもと同じだった。
どこか他人行儀ではあるが。
「いやー、昨日は大変だったな、慎也。」
ああ…。
「へぇ~、じゃあやっぱり。」
「ああ、いたぞ現場に。」
「へぇ~。少し話を聞かせてくれないか?。」
「おっと、取り調べか?、令書ないとダメなんじゃないかなぁ?。」
「神田殿?。」
「ふむ、そうくるかでは任意の事情聴取だ。」
報酬は…。」
「グラビアアイドル写真集でどうだ?。」
「のった!。」
「あんた達~!。」
「お兄ちゃん…。」
「お兄さん!。」
「おうおう、学校に不要物とは没収してもいいってことだな!。」
「「えっ…。!」」
颯と、隼人の表情が固まる。
シルヴィアに玲奈、鈴音、神田先生もって…
いつ来たんだ、あんた。誰も気が付かなかったぞ。
ってか、颯!。
お前グラビアアイドル写真集見たかったのかよ!
それで、釣られるの中学生までだぞ…。
「慎也?。」
「慎也さん?。」
「慎也君?。」
「立川?。」
「えっ!」
「あなたも同罪ですよ。」
「そうです、不純です!。」
「きっとお兄さんと一緒に読むつもりだったのよ!」
「1度聞かせないと言って、自分達の価値を上げて、目的のモノを得ようとする策士。」
「…っ、なんて手ごわい。」
「ちょっ、違うって俺は~!。」
なんて理不尽なんだ、この世界。