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たった1人の英雄奇譚   作者: 葵流星
第七章「非常事態は突然に」
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「迷子の迷子のアレクシア Ⅱ」

行く人、来る人どれも同じような顔に見えてくる。

そろそろ仕事から帰って来る人が多くなる時間だ。

中学生の頃の俺は本屋で立ち読みをしているか、ゲームセンターで一喜一憂しているだろう。

いつも通り家に帰って、ゲームをしているかもな・・・。

もう懐かしく思えるな・・・。

はあ、なんでアサルトライフルを握って歩いているんだろうな・・・。

慣れているからと言ってこんなの持ってくるんじゃなかったかなぁ・・・。

ああ、サブマシンガンにしとけば良かった・・・。

そう、自分のことをけなしながら歩いてと結構しんどいものだ。

釣りをしている時と同じだな。

まあ、釣り餌がないのだが・・・。


前を歩くアレクシアが恨めしく思える。

彼女が腰に下げているのはMP-7。

恐らく正規品だろう。

・・・こういう所で貧富の差を感じるものだな。

俺なんかコピー製品でライセンスも無し。

戦時に大量生産されたもので在庫処分とばかりに安くされたMP-5だ。

自分用に改造もしていない・・・。

フルチェーンとは違うんだよなあ・・・。

まあ、行く前に地下工廠によって頼んできたけど・・・。

昨日、持って行けば良かったな。

なんて思って歩いていると・・・。


「慎也?」

「なんだ?」

「見つからないんだけど・・・」

「・・・そりゃそうだろう・・・こんな所じゃあ・・・」


見渡す限り・・・木、竹、枯葉・・・そう山の中だ・・・。

なんでこんな所にいるのかって・・・。

それは・・・。


「さてと、それじゃ駅の方に送ってもらうか・・・」

「いえ、行かないわよ」

「えっ・・・なんで?」

「交通機関は使わないで移動していると思うし、今各庁舎で警備が固められいるし、ノットジャスティス、尾行射手が散らばっているわ」

「それはそうだけど・・・新宿とか、金子の方は手薄だと思うけど・・・」

「いえ、犯人は逃げているわ。そして、戻ってくる」

「なっ・・・」


そんなわけないだろう・・・犯人が戻ってくるわけないしそれにそんなことしたら捕まるのは目に見えているいずれにしても「「現実的な選択肢」」ではない。

アレクシアは何を言っているんだ?。


「そんなことするわけないだろ」

「ええ、普通ならね。今回は別よ」

「だから・・・」

「犯人はまだ殺したいを相手殺していない」

「・・・いやだとしてもな」


「「犯人は絶対殺しに戻ってくる」」


アレクシアはそう言い切った。

根拠も何もないはずなのに何故か説得力があった。


「・・・根拠は?」

「情報は伝えられたはずよ。犯人は兵士それも大陸の移民ではなく志願兵よ。そして、もう一つ・・・」

「・・・なんだよ」


会議のあと、犯人についての紙があったが特に大事なことは書いてなかった。

彼が盗み所持していると思われる。

アサルトライフルと、手榴弾、自衛用の拳銃の機種と画像だけは見といたが・・・あのことの他に大事なことは書いてなかったとは思うのだが・・・。


「犯人は何度も退役を申し出てはつっかえされていた」

「まあ、そうだな・・・それが・・・」

「だとすると、犯人は誰を殺す?」

「戦争を宣伝した首相とかお偉いさんとかか?」

「それは、大きな目で見てよ!」

「違うのか・・・」

「ええ、つっかえされていたとしてもそこまでしないわ。そして、それを言い渡した上官でもない」

「・・・それじゃ、誰を狙っているんだ?」

「人事部よ・・・」

「じっ、人事部。彼は心労を患っていたわ。それに、他の人に当たるのもお門違いってわかるでしょう。頭が悪くなければ・・・」

「それじゃあ・・・」

「ええ、狭山湖の方へ向かいましょう」

「居ると思うのか?」

「思うわ。それに今回は犯人の方が有利だしね」

「えっ・・・」

「だって、店で買い物をしていても誰もその人を犯人だとは思わないからよ」

「・・・・・」


・・・そうだな。

今回の事件はまだ隠蔽している。

そのため、目立った行動を取れない・・・。

聞き込みも・・・指紋採取も・・・。

目を潰された状態だ。

そのため、犯人は堂々と食糧を確保できるわけだ。

そして、今尾行射手も見つけたという情報は流れてこない・・・。

となると・・・あとは人海戦術しかないわけか・・・それで俺みたいななりたての統合戦技生も動員されたわけか・・・。


「わかった、それじゃ狭山湖の方に行くか」

「ええ、早く見つけましょう」


以上が今の状態に繋げるまでの出来事だ。


そのため、道に迷った。


GPSはあるが上空からなので方角しかわからない。

都心部で上下の差がわからないのと同じだ。

ただでさえ、光の姫に衛生が落とされたので文句は言えないが・・・。

精度がいまいちだ。

かと言って彩音に迷ったって連絡するのもなあ・・・。

忙しそうだし・・・。


「慎也!」

「・・・なんだよ・・・アレクシア?」

「どうにかしなさいよ!」

「迷ったのはお前のせいだろう」

「あんたが、エスコートしないからよ!」


・・・ドス


ああ、いつか脚の骨折れるな・・・。

人のせいにされても困るぜ・・・。

あんたが先にどんどん進んで行くから・・・。


「また、あたしのせいにして・・・」


・・・ドス


もう何回目だろうか・・・。

本当に理不尽だな・・・本当に・・・。


犯人さん・・・出て来てください。


っと絶対に起きるはずのないことを考えていた。

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