「学校」
遅くなりました。二話目です。
「一番相田行きます!。」
乾いた音が鳴り響く。
「二番石井行きます!。」
香る硝煙のにおい。
狭い塹壕から顔を出しては隠れる。
そのたび名前を叫び引き金を引く。
…俺の番か。
「十二番立川行きます!。」
例に漏れず引き金を引いた。
今月で4回目
五十メートルなら簡単に当てられる。
まあ、動いていなければ、だが。
「撃ち方止め!。」
教官の一声で訓練は終わる。
「立川!。」
「はいっ!。」
「声が小さい!。」
「はい!。」
「結果は見たか!。」
「見ました!。」
「言ってみろ!。」
「初弾命中、のち三点連射三回うち有効五発無効十発、その後十四発を連射有効五発無効九発です!。」
「よろしい、では何故だ!。」
「連射時の反動を制御出来てないからであります。」
「声が小さい!」
「はい!。」
「次、千歳!。」
「はい!。」
…。
…。
…。
「これで今日の全過程を終える!。」
「礼!。」
「ありがとうございました!。」
「…。」
「はぁ…。」
「よっお疲れ!」
「なんだ…神田か…。」
「お疲れ~。」
「神崎もか。にっしても疲れたなぁ…。」
「そうだな…はぁ…。」
「なに疲れた顔してるんだ。お前。」
「何って、あの教官だよ。」
「ああ、お前の姉さんか。」
「可愛がられてんだよ,隼人は。」
「おまえらー…他人ごとだと思いやがって。」
「そう思ってないって♪仲がいいって言ってるんだよ。颯は。」
「そうなのか?。」
「ああ…。」
(そうだよな…あの人は…。)
「ところで、慎也…。」
「ん?なんだ?」
「このクラスで一番可愛い子って誰だと思う?」
「なっ…!!」
「おっ…颯、お前。そっちの人だったのか?。」
「…へっ?。」
「ネットアイドルとかにしか興味無いのかと…。」
「泣くぞ…俺…。」
「………。」
(可愛い子かぁ…。はぁ…そういう出会いってあるのかな?。)