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現実サーガ  作者: 光太朗
7/7

7 「想うから」

 紅が長刀の柄で床を叩くと、地震のように地面が揺らいだ。そのたびに姿勢を保つことに専念させられ、美琴たちに隙が生じる。そこを逃さずリグズが突っ込み、鋭い爪で斬りかかる。背中の翼が一度風を切るだけで、彼は恐ろしい程の瞬発力を見せた。防御力の上げた衣服でも防ぎきれず、少しずつ、三人の肌が露出していく。それはそのまま、防御力の低下を意味していた。

 どう考えても、劣勢だった。良太郎はともかくとして、美琴や有里沙は、決定的に実戦経験が不足していた。とっさに動けないのだ。

「勇者一行とはこんなものか。無謀と勇気をはき違えているとみえる」

 リグズが笑う。有里沙はきっと眉を跳ね上げた。

「あんたいちいち、ボキャブラリーが貧困なのよ! もっと自分の言葉で話しなさい!」

 叫びながらも、彼女は良太郎の後ろに隠れるようにして、呪文の詠唱を始める。それは承知していたので、良太郎も有里沙を庇うように構える。呪文を唱えている最中に攻撃されたのでは、ひとたまりもない。

「黒の王、白の道化師白の道化師白の道化師……もいっちょ白の道化師、で、ヴォル!」

 ロッドを真っ直ぐに紅に向け、有里沙が叫ぶ。眉ひとつ動かさずに、紅がついと避けようとする。そこに美琴が、勢いだけで突っ込んだ。

「──これで!」

 攻撃が当たるとも思えなかった。スピアで突く気は毛頭なく、ポケットに常備してある煙玉を、紅の足下に向かって投げつける。

 当然、戦闘から逃走するのが目的ではない。少しでも、不意をつければいい。

「──っ?」

 さすがに隙が生まれた。

「ナイス、美琴ちゃん!」

 風が紅を包んだ。ぐらりと身体が揺らぎ、倒れるかというところで宙に浮く。立ち上がろうとして、紅は、地面に足がつかないことに気づく。

「とりあえず、地震は封じさせてもらったわよ」

「浮遊か。やることがせこいのう」

 紅はおもしろそうに瞳を細める。リーチ以上に近づいてしまった美琴は、慌ててスピアを構えて間合いをとった。いちばん狙われる位置だ。

「そなたが件の勇者か? 弱々しい姿をしておる」

 宙に浮いていることなどかけらも意に介さず、悠然と長刀を構える。美琴は息を飲んだ。

 こんな、いかにも強そうなひとと戦って、勝てる気が少しもしない。

 しかし、逃げるわけにはいかなかった。

 リグズのいうとおりなのだ──志が違う、理由は、それだけでいい。

「腹くくります。──負けません!」

 不思議と肝が据わっていた。生きるか死ぬかとなれば、もうやるしかない。

「こっちすぐ倒すから、保たせろよ!」

 良太郎が声を投げる。彼は実に見事に、リグズの攻撃をいなしていた。しかし彼から攻撃するようなことはなく、防戦に徹する。うしろでは、有里沙が呪文を唱え続けているのだ。

「赤の女神黒の使徒、闇の咎人──、ジェル!」

 ロッドから光が伸び、リグズの両足が凍る。すぐに効力が消えそうではあったが、その隙を逃さず、良太郎が地面を蹴る。

「遅い!」

 リグズが吠えた。氷が溶けた瞬間、有里沙のスペルが続く。

「黒の道化師、黄の女神黄の女神、光の王、ラピド!」

 それは良太郎に向かって放たれた。良太郎の動きがぐんと加速し、リグズの目の前に瞬時に詰め寄る。思い切り、拳を振り下ろした。

「が──!」

 顔面をしたたかになぐられ、リグズがよろめく。そこへすかさず、有里沙がたたみかける。

「黄の女神、黄の王──アグラヴェ!」

「ぅおりゃっ」

 もちろん、良太郎も手を止めるはずがなかった。ダメージを増幅させるという有里沙の魔法により、リグズの顔面が不自然に歪む。さらにそこに、良太郎が連続で拳をたたきつける。

「────っ」

 声にならない叫びをあげて、リグズが背中から倒れた。

 肩で息をしつつ、有里沙が勝ち誇ったように笑う。

「あらやだ、四天王ってその程度?」

「すごいです、二人とも!」

「みっともないのう」

 長刀とスピアでつばぜり合いをしつつ、美琴と紅が感想を述べる。美琴にしてみれば、振り下ろされた長刀をとっさに防いだだけだったのだが、力が拮抗しているのか、そのまま動けなくなってしまっていた。跳ね返して攻撃をしかけようにも、その瞬間に切られそうだ。

「弱々しいなどと、失礼であったの。見た目よりも、よほど、できおる」

 ぎりぎりと間合いを詰めた状態で、紅はそう賛辞を述べた。美琴は少しでも力を抜ければ飛ばされそうなのに、平然といわれてもまったく嬉しくない。

「少し本気を出そうかの」

 そうつぶやいて、紅は長刀をくるりと回した。力の方向が前でも後ろでもなく、円上に流されてしまったことで、美琴は前につんのめる形になる。

 やられる、と思うよりもはやく、身体が勝手に動いていた。頭から床に転がり、一回転すると、そのままスピアを突き上げる。

 紅は跳躍しようとして、自分の身体が浮いている事態に気づいた。思い切り踏み切れない分、高さが足りず、スピアの切っ先がのど元をかすめる。

「──はっ!」

 美琴はすぐに体勢を立て直すと、着地する紅にまっすぐスピアを突き出した。紅はこともなげにそれを打ち払い、スピアの柄の下を通って刃を繰り出す。とっさに手で防ごうとして、腕を切り裂かれる。露出している腕に一筋の切り傷──鮮血がゆっくり溢れた。思ったよりも、浅い。

「わたし、赤い血が出るんだ」

「なにを世迷いごとを」

 紅は笑ったが、美琴は本気だった。それだけのことが、少し嬉しかったことを、自分でも不思議に思う。

「──レコンフォール!」

 声がとどろき、紅の足下で青白い光が炸裂した。さっと後ろに跳び、避けられてしまうが、充分な間合いが生まれる。

 いつのまにか、有里沙が美琴の背後に回り込んでいた。ちらりと視線を送ると、良太郎はリグズとやり合っている。一度ダウンしたものの、すぐに復活したらしい。

「善戦してるじゃない」

 恐ろしいことをいわれて、美琴は慌てて首を振った。

「ぜんぜんです!」

 心からいっぱいいっぱいなのだ。しかし、すぐにやられてしまわないところを見ると、やはりレベルを上げてあることが関係してあるらしい。考えるよりも早く、身体が動く。

「……悪いけど、たぶん、倒せないわこれ。やり合うのが精一杯。ちょっと大技いくから、その隙に美琴ちゃんだけ上へ行って。どっちに転ぶにしろ、それで話がつくんでしょ?」

「は?」

 美琴は目を丸くした。

「どうしてそういう話になるんですか?」

「定石だからよ」

 きっぱりと有里沙がいう。ちょっといってみたかったの、と続けた。

 しかし、冗談ではないようだった。胸ポケットからなにやら紙切れを取り出し、呪文を唱え始める。ずいぶん長い。よく覚えているなと感心していたのだが、やはりカンペは必要らしい。

 その間も、もちろん紅は待ってはくれなかった。繰り出される刃をどうにか防ぎ、美琴は有里沙にそれが届かないようにと、距離を保ちつつもできるだけ前に出る。やはり魔法は厄介なのか、紅の長刀は明らかに有里沙を狙おうとしていた。

紅は長刀を高く振り上げたかと思うと、美琴を柄で打った。不意を突かれてよろめいたところに、身を翻して美琴を突破しようとする。

「有里沙先輩──!」

「──エブウル・マン!」

 紅が有里沙の前に躍り出るより早く、スペルが放たれた。ホール全体──床だけでなく、壁も天井もすべて──が黒く光りを放ち、一瞬の後にずしん、と重い衝撃。

 地震、などというなまやさしいものではなかった。まるで全部の柱を一気に抜いたように、壁も天井も崩れ始めたのだ。床がひび割れ、露出した鉄骨が踊るように跳ねる。

「あ、あ、有里沙先輩ーっ?」

 まさに敵も味方もなかった。振ってきた瓦礫が自分を避けてくれたことは、運がいいとしかいいようがない。しかし有里沙は、なおも詠唱を続けていた。

「白の使徒、緑の姫、光の咎人──デプラセ」

 声が聞こえたと思ったときには、美琴は階段の前にいた。いまの魔法によるものなのだろうか。事態がのみこめず、目の前の光景を見る。床も壁の天井も波打つなか、確かに有里沙がこちらを見て、叫んだ。

「行って! あんたはあんたで、ケリをつけるんでしょ!」

 美琴は悲鳴をあげるように息を吸い込んだ。泣きそうになった。

 ここで二人を置いて、どうして先に進めるというのか。

「あれは自分に酔ってんだろ、オタクだから。──いいから行けよ」

 瓦礫の下から這い上がりながら、意外に近いところで良太郎がいう。彼の身体の、至る所に傷が見えた。美琴は、息を飲み──決意した。

 自分がここにいても、なにも変わらないならば──

「──行きます」

 後悔しないように、しっかりと、いった。ホールに背を向け、階段を駆け上がった。


 タワー全体が崩れるのではないかと思われたが、美琴には理解のできない魔法の力が働いているのか、ホールを出てしまえば、あの惨状は嘘のようだった。美琴は唇を噛みしめて、ひたすら階段を上った。少しでも足をゆるめたら、そのまま戻ってしまいそうだった。

 最上階に決まっていると、二人がいっていた。それを疑おうとも思わない。途中の階には目もくれず、ただただ走る。

 何階まで上ったのかはわからない。ただ、唐突に、階段が途切れた。

 美琴は、スピアを握りしめた。息を吸い込んで、階段口を抜ける。

 そこは、展望台だった。

 階段とエレベーターをぐるりと囲むようにして、黒光りする床が続いている。なにもないのではないかと錯覚するぐらい澄んだガラスの手前に、望遠鏡が点々と設置されている。

 一瞬我を忘れ、そこから見える景色に、見入った。綺麗だと思った。

 立ち並ぶビルや家々、森や川──それらが雑然と共存しているのに、美琴には、不自然だとは思えなかった。人工物と自然とを繋ぐように、鉄道が延びている。その向こうに見えるのは湖だろうか──さらに遠くには、空。

 青、としか形容できない、見事な空が、美琴を見ている。

 少し、悲しく思った。

 こんなにも綺麗なのに。

「……あなたが欲しいのは、この世界ではないですよね」

 姿は見えなかったが、いると確信していた。気配もなく、美琴の隣に、漆黒の魔王が並ぶ。

 魔王、グラナドール──そのどこか寂しそうな瞳の意味も、いまなら、わかる。

「終わらせませんか。どうやっても、あなたの望むものが得られないなら、続ける意味なんてない」

 そっと、魔王を見た。魔王は感情のない目で、広がる景色を見ていた。

「わたし、あなたのこと知らないし、あなたに恨みもないし、あなたの目的だって見当もつきません。けど、この世界にそれがないことはわかります。……あなたは、寂しそうだから」

「……寂しい、か」

 く、と魔王は笑んだように見えた。

 しかしどうやっても、刻まれた寂しさの色は拭われない。

 美琴は、黙って、魔王にスピアを差し出した。数時遅れて、ゆっくりと、魔王が向き直る。

 差し出されたスピアと、美琴とを、見た。

「その結論に行き着いた勇者は、貴様が初めてだな」

 美琴は、そうですか、と笑った。

 これはもう、決めていたことだ。

「終わらせれば、その隙をついて、世界をもとに戻すんだそうです。最初は、あなたを倒さなければ終わらないと、思っていました──でも、勇者が死んで、ゲームオーバーになっても、結果は一緒ですよね?」

「わかっているのか」

 そこには、驚きも、悲しみも喜びも、なかった。ただ問う。

 美琴はわかっていた。だから、目を逸らさず、待った。

「そこに、私も……貴様もいなくなったとしても、それでも、得たいと?」

「なくしたくないです。絶対に」

 なにを、とは、いわなかった。

 しかし魔王にも、わかっていた。

 ある意味では、二人はひどく近い存在であったのだ。

「……そうか」

 魔王は、右手をゆっくりと持ち上げた。埃を払うように、ごくかすかにその手を振る。

 周囲のガラスが消え、一気に風が吹き込んできた。目を開けていられないほどの強風に、美琴は飛ばされないように、精一杯足に力を入れる。

 しかし、やがてそれもおさまる。目を開けると、魔王がこちらを向いて立っていた。あと数センチで、後ろはもう空だ。

「お、落ちちゃう!」

「落ちようとしている」

 無表情で答えた。美琴はとっさに助けようと駆け寄る。

「来るな」

 鋭くいわれ、止まった。張り上げたわけではないのに、その声には、従わせるだけの力があった。

「なんの防御もなく、ここから落ちれば、私でも死ねるだろう。それとも、あえて、業を負いたいか」

 美琴は答えられなかった。しかし、このまま魔王が身を投げるのは、あんまりだという気がした。

 どうして──と、いまさらながらに思う。

 どうして、こんなことに──目の前の、この寂しそうなひとは、そんなに悪いひとなのだろうか? 

 それは、知らないが故の思いだったかもしれない。

 しかし、美琴は確かに、なにも知らないのだ。だから、仕方のないことだという気がした。

「あなたが業を背負う必要も、ないはずです」

 だから、いった。魔王は、小さく眉を上げた。

「ならば貴様が、手を下すか」

「──はい」

 美琴は、ごめんなさいとは、いわなかった。

 それは、違うと思った。

 ごとりと、スピアを置く。一歩、二歩と、魔王に歩み寄る。

 両手を、そっと伸ばした。魔王との間に、ほんの数ミリの隙間。

「もし、万が一──なかったことに、ならなかったら……また、会えたらいいですね。そのときは、敵かもしれませんが」

 そんなことは万に一つも有り得ないだろうと、お互い解っていた。魔王は、ふっと微笑んだ。

「感謝する」

 目を閉じず、美琴は両手を突き出した。

 漆黒の、どこまでも悠然たる魔王の姿が、空中に放り出された。



 世界中のすべてが、うっすらと輝いているようだった。

 空の青が、輝きによって白みを帯びたのを見て、美琴は少し残念に思う。どうせなら終わりまで、ずっと見ていたかったのに。

 まるでそうなることが決まっていたように、田中がふわりと浮いてきて、展望台に着地した。のんきにスーツのシワを伸ばして、ミコトくん、と呼びかける。

 ひどく緩慢な動作で、振り返った。田中はいつもの笑みを浮かべていた。

「おめでとう、ミコトくん。ゲームクリアだ」

「──田中さん」

 名を呼ばれ、ん、と田中は首をかしげる。その真剣な声に、からかうようにいった。

「なに、愛の告白?」

「はい」

「……ミコトくん、キャラ変わってない?」

 なんの仕返しかと構えたが、冗談ですの言葉がなかったので、思い直した。目の前で、うっすらと輝いている少女を、見る。

 美琴は、いままでにないぐらいおだやかに、そっと微笑んでいた。

「パスタ、おいしかったです。田中さんと過ごしたの、なんだかんだいって、楽しかった。この世界に、こうしていられたこと、感謝しています──ありがとうございました」

 田中は答えなかった。ただ少し困ったように、苦笑した。

「美琴ちゃん!」

「吉川!」

 階段から、桜井姉弟が飛び出してくる。全力で駆け上ってきたのだろう、二人とも肩で息をしていた。

「ど、どうなったの? 下の二人、いきなり消えて……って、なんか美琴ちゃん光ってない?」

 いわれて初めて、美琴は自分の身体を見た。世界が光っているように思われたが、自分も光を放出しているひとつだった。

「有里沙先輩」

「なによ!」

 まるでケンカを売るように返事をされて、美琴は思わず破顔する。

「いろいろ、ありがとうございました。有里沙先輩に会えて良かった。本当のお姉さんみたいで──大好きです、先輩のこと。ナンパ計画がなくなっちゃうのは、ちょっと残念だけど」

「ち、ちょっと、やめなさいよ! あたしそういうの嫌いなんだから! なにいってるの!」

 有里沙はもう、ほとんど泣きそうだった。美琴はその隣の、良太郎に視線を移す。

「良太郎先輩も、いっぱい助けてくれて、ありがとうございました。もう少し一緒にいたら、たぶんわたし、恋してました。そういうのも、楽しかっただろうな」

「て、てめえ、テキトーなこといってんなよ! 怒るぞ!」

 そう怒鳴る良太郎の身体のあちこちに、やはり生々しい傷が見えて、美琴は少し目を伏せる。感謝している──しかし、自分を責める気持ちは、どうしても拭えない。

 美琴の視界が、だんだん、色く透明になっていった。世界が輝いているのか、自分が消えそうになっているのか、美琴には判断がつかない。

 有里沙が駆け寄り、美琴を抱きしめようとした。しかしもう、その手には、なんの感触も得られない。それでも、消えてしまわないように力を込めて、有里沙は叫んだ。

「想うから──!」

 美琴には、その声も、もうずいぶん遠くに聞こえた。

「想えば、世界ができるんでしょっ? そういったわよね? あたしも良太郎も、朝も昼も夜もぜんぶ、美琴ちゃんのことばっかり考えるから! 寝ないで、ずっと……ずっと、想うから!」

 聞こえる声は、涙声になっていた。ありがとうといったつもりが、声にならない。もしかしたらもう、消えてしまっているのかもしれない。

「──田中! あんたそれができなかったら、丸坊主よ! わかってるんでしょうねっ?」

 まわりの景色も、大切なひとの姿も見えないのに、最後に田中が大きくため息を吐き出したところだけ、妙にくっきり、見えた気がした。

 田中が億劫そうに上げた右腕が、静かに輝いている。そこに光が集束していく。

 意識の消えかけた美琴の耳に、かすかに、田中の小さなぼやきが届いた。

「……減給かなぁ」 

  









季節は秋になっていた。

 窓の外では、色づいた葉が風に揺れている。チャイムが鳴り響き、灰色のブレザーの高校生たちが、帰り支度を始める。

 二年一組の教室では、楽しそうに雑談する声があった。そのなかのひとりが、ふと思い出して、昨日のできごとを話し出す。

「ねえ、昨日の放課後、変な中学生が来たの。ひとを探してるみたいだったから、だれか呼ぼうかって、声かけたんだけど──」

 話を聞いていたひとりが、知ってる、と笑い出した。

「ちょっとウワサになったよね。あれでしょ? 変な質問!」

「なにそれ? なんの話?」

 男子生徒も寄ってきた。最初に話していた少女は、笑いをこらえきれない様子だったが、もったいぶったように声をひそめる。 

「それがさ、なんていったと思う? 『ティピカルサーガ』っていうゲームについて、知っているひとを探してるんですが──だって! そんなの、みんな知ってるよねえ?」   





読んでいただき、ありがとうございました。

心から、感謝いたします。


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