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Mr.ドワーフ!  作者: はには
ドワーフの村にて
10/29

酒と容姿と男と女

レディース&ジェントルメーン!


紳士淑女の皆さんこんにちは。

ジオでございます。


突然ですが容姿とステータスの話をしよう。


養子じゃないよ?確かに光源氏とか興味あるけどそっちじゃ無くてね。


容姿。それは太古の昔から男女ともに、生物の至上の命題である繁殖に大きな要因となるものの一つ。

金、力、とは違い神からのみ与えられる先天的アドバンテージ!


それは世界が違えと同じ。幾多の男女が求めて止まないもの。


ここで10歳になりました私ジオの容姿をお伝えしましょう。


まず、身長約160センチ。ドワーフ成人男性の150センチちょっとを大きく上回る身長!身体の線はドワーフ平均値よりも少し細く、筋肉を持ちながら決して太くは見せないそんな身体をしております。


また、髪色は灰色。頑張ればくすんだ銀色と言っても差し支えない髪を肩まで伸ばしております。


そして、なんと言ってもその顔の造形。ザースではなくセリーに似た顔立ちはドワーフ特有の厳つさは無く、綺麗な少年の様な顔立ち!


次にステータス。

男において、異性を守り、子を育むのに必要なもの。

また、女性においては生涯を添い遂げるのに参考とするもの。


私ジオは鍛治こそ得意で無いものの、戦闘においては村の同年代において1番。

また、獲物を捌くのも素晴らしい早さ。どんなサバイバルであろうと私がいれば問題無し!


フハハッ!どうだ?俺は今世において勝ち組の称号を手に入れた!



次にドワーフのイケメンを紹介しましょう。


身長は対して関係なく、求められるはそのがっしりと筋肉が詰まったような肉体。

逞しい肉体から伸びるそのズングリムックリした手足は若い女性を魅了して止まない。


髪色は茶色に近いほど素晴らしいと言われ、濃い色はそれぞれの味がでる。


また、顔の造形は厳つく男らしくを最上とし、そんな厳つい顔から口説かれるとどんな女もワンナイト!

魔物討伐などでつけられた傷などがあれば言うこと無し!


次に求められるステータス。


それはなんと言っても1番人気はドワーフの代表職業である鍛治士。それに準じて器用な職業ほど女性からの評価は高い。


そして戦闘力。それは戦士であるドワーフに必要なもの。

普段繊細なあなたの力強さに、どんな女性もイチコロさっ!



………くそったれ。



つまり異世界では、異世界の基準があるってこと。

なんてこった。戦闘力以外当てはまらねぇよ。


どうやら俺は今世でもブサメンのカテゴリ…いや、ブサメン&将来の見込み無し男にランクインされたらしい。



そんな俺は今、村の同い年の連中と一緒に装備を身につけ、村長のありがたくも長ったらしいお話を拝聴しております。


そう。今日は我が村のドワーフ成人式。この村では10歳の成人の年に、こうして村長から訓示を頂く。

ドワーフは絶対に10歳の年まで酒を飲まない。つまりこの日から俺の飲酒は解禁となる。

夜には村全体でお祭りだ。

ホントに酒の好きな種族だぜ。


「〜であるからして、諸君らはこれからも賢明に励むべしじゃ。」


やっと村長の話も終わり、皆はゾロゾロと会場である村一つの広場を後にする。


「ジオ、ワシらはこれから夜の前に皆で酒は抜きじゃが宴会をしようと思っとる。お前もどうじゃ?」

「……いや、ワシは家でやることがあるでのう。遠慮させて貰うのじゃ。」

「うぬ。そうか、では早く終われば参加してくれの。」

「うぬ。ではの、また夜じゃ。」


そのまま真っ直ぐに家に帰ったら俺は自室の窓を開け放ち叫ぶ。


「チックショォォォオォ!!」


なんだよ。みんなして彼女とイチャイチャしやがって。そんな宴会行けるかよ。

俺だけ端で淋しく果汁水飲んでるのが目に浮かぶわ!


人前でイチャイチャしたら、はしたないってお母さんが言ってましたぁー!


ガチャ。


大声を聞きつけたお母さんことセリーが飛び込んできた。


「ど、どうしたのジオ。もしかしてイジメられた?」


いや、セリーさん。俺が顔が良くないってことちゃんと理解してるんですね。

いや、卑屈になってはいかん。

セリーは俺のチクショーを聞いただけ、心配してくれただけだ。


「いや、ムシャクシャして叫んだだけじゃ。母さんが心配することないわい。」

「ならいいんだけど、早かったわね。てっきり友達と遊んでくると思ったのに。」

「うぬ。それじゃけどな、ワシは皆と違って将来することも決めとらん。皆それぞれの道を行っとるのにワシは何もしとらんしのう。じゃから、今日の晩のための狩りでも手伝おうかとの。」


いや、ちゃんと考えて帰ってきたのよ?今急に作った嘘じゃないから。寂しかっただけじゃないから!


「あら?そんなこと気にしなくていいのよ。今日はお祝いなんだから。ザースも朝からジオにワシの酒を飲ますんだって張り切ってたわ。今から行ってきてもいいわよ?」


あの地獄へですかお母様。

息子がさらに卑屈になって帰って来ますが?


「うぅぬ。じゃが、それがワシの気持ちじゃからやはり手伝ってくるわい。」

「そう?今日ぐらいって思うんだけど、まぁいいわ。でも、祭りの後は家でも飲むんだからあんまり頑張り過ぎて疲れちゃダメよ?」


そう言ってセリーは祭りの準備があると家を出て行った。

俺も装備を身に付けて森へとこのストレスをぶつける…今夜のため獲物を狩りに行こう。




夜。各々が集まり、主婦の方々が料理を出して成人祭りが始まる。


祭りといっても別に出店が有るわけでもないし、皆で集まって飯を食うだけだが、この田舎特有と言っていいのかわからない風習は大好きだ。


「おら、飲め飲め!」


新しく成人になる俺達は手にグラスを持っており様々な人にお酒をついで貰っている。

酒と言っても、甘っちょろいカクテルなんかではなくドワーフ謹製の火酒だ。


前世の俺は恐らく酒の強い方ではない。

両親ともに酒は飲まなかったしな。こんな火酒を飲めばぶっ倒れたことだろう。


しかし、このドワーフの身体は素晴らしい。


全然酔わないのだ。しかも、それだけではない。酒を飲むとなんと言うかこう身体が満たされる感じがするのだ。

あー、今まで乾いてたんだなって感じの。


ドワーフが成人するまで絶対に酒を飲まさない理由がわかった。こんな風になると子どもなら絶対に酒壺から離れないだろう。

精神年齢28の俺でも離れたくない。


「どうじゃジオ?ワシの酒は美味かろう?」


ザースが機嫌が良さそうに杯を傾けながら聞いてくる。


「うぬ。酒とは美味いものよの、気に入ったのじゃ、」

「じゃろう?ワシの酒を飲めば、他の種族が好む酒なぞ酒精も少なく雑味があって酒とは言わんわい。」

「なるほどの。しかし、父さんが感銘を受けた酒と言うのは一体どんなものなのじゃ?」

「うぬ?気になるか?そうじゃのぅ。…教えとこうかの。実はワシにも何処で作られたかわからん酒なんじゃ。冒険者の旅の途中人から譲り受けたもんでの。その人も詳しくは知らんと言っとった。名を神龍命酒、1口飲んだだけで、その酒精の強さにも関わらず綺麗な喉越しに、雑味の無さ、そして最後に残るほのかな甘みにそれはもう感動したものじゃ。」

「ふむ。飲んでみたいものじゃのう。しかし龍の名前がつくとは何か龍と関係があるのかの?」

「わからん。じゃが、もし龍にまつわるものなら再び手に入れるのは困難じゃろう。じゃからワシは神龍命酒を超える酒を自分で作ろうと決めたのじゃ。」

「ワシもそんなものに出会えるかのう。」

「旅は良いぞ。様々なものに巡り合う。ワシとセリーの子じゃ、必ずや見つかるじゃろう。……して、ジオよ。いつ旅立つつもりじゃ?」


そう。ドワーフとして俺は成人したのだ。したいことの決まらない俺は何時迄もここにはいられない。

しかし、俺には一つ旅をするに当たりやり残したことがある。


「ふむ。それなのじゃがのう。父さんに頼みがあるのじゃ。」

「ふむ?なんじゃ?言うてみろ。」

「そうじゃの。ワシが旅立つ前に流斧を教えて欲しいのじゃ。」

「うぬ?お主ほどの力があればあんなもの要らんじゃろう?あまり使って心地いいもんでもないぞい。」

「いや、ワシも力ばかりに頼ってはいかんと思ってな。技を知ることで深みも出るかもしれん。」

「ふーむ。よし。わかったのじゃ、しかし流斧は難しくてのう。習得には長い年月がいるじゃろう。じゃから、基礎だけ教えてやる。それからは自分で旅の中磨くんじゃ。」

「勿論じゃ。ありがとうのぅ。」


こうして、俺は少しだけこの村に残ることを決めてザースや村の人たちと酒を酌み交わし祭りはお開きとなった。


もちろん。この後家で酒を飲まされまくり酔い潰された。


どうやらこれもドワーフの風習なようで。













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