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─【弐】─Enpty Guns

ちわ〜(´・ω・)ブラックす

ガンアクション開始すw


僕の銃口は敵を探していた


敵を 敵を 敵を 敵はどこだ?


決めてくれよ 撃つべき敵を


いっそ撃ってくれよ この左胸を──



(Declare war)


慈悲深き正義?


(Start war)


(Yes,Sir.Declare war)


無常か?Love & Peace


(Start war)────





───出典、ポルノグラフィティ「敵はどこだ?」より抜粋。





神奈川県川崎市北部エリア


“旧”武蔵溝ノ口駅前──


ここは数十年前まで川崎北部エリアの中心だったらしい…商業と交通の要衝として。


今は錆びた鉄の塊となって横転している電車が、毎日24時間往復し、多くの人がこの地を通り過ぎた─


(今じゃ考えられないね〜)

雨風に晒され赤く錆びつき、今となっては昔の姿すら思い浮かべられない鉄屑を横目に見ながら、

レイは線路に沿って歩いていた。


(Peaceful age─“平穏時代”の遺物なんざ興味ねーなー)


ただの鉄の箱に見えてきたそれから視線を離し、レイは自分が向かっている方向の巨大な建造物を直視した。


──“旧”武蔵溝ノ口駅──


そう呼ばれているそれも、平穏時代の遺物だった。


川崎の南北エリアの往来と、神奈川と東京を結ぶ交通の要。


平穏時代を生きていた人々の移動の交差点だ。


ここに住んでいればどこへでも行ける─人々は愛着を込めてこの地を「ノクチ」と呼んだ。


───“昔”の話だ。


JRとかいう鉄道会社が消滅し、電車は来なくなった今、交通の要としてはこれっぽっちも重要でない。


それでもこの地に人は残った。


使われなくなった駅の施設は人々によって商いの場として復活した。


この暴力と金だけがものを言う時代で唯一、暴力が押さえられ商業の場──闇市だ。


広い空間だったはずのバスターミナルや、その上の駅前広場、複合商業施設はすべて市場……野菜果物から武器銃弾、挙げ句は命さえも売り買いされる闇の市場として生まれ変わった。


「俺あそこあんまり好きじゃないんだよね〜」


隣を歩いているリンに愚痴をこぼした。


「文句言わないでよ。どっかのバカがテレビに全弾撃ったからでしょ?」


朝の一件で、俺の銃の弾薬のストックはなくなっていた。“仕事”に武器を持たずに単なる役立たずだ。敵に殺される前に“ボス”に血まみれにされるだろう───まっぴらごめんだ。


「はあ〜 仕方がないか…」

俺達はごちゃごちゃとした市場の中に入っていった。


“旧”武蔵溝ノ口駅は3のエリアに分かれている。

食料や日用品を売っている比較的に安全な駅前広場。


次にバスターミナルエリア。

ここでは燃料、資材、車、などの物資を調達できる。


最後に旧ショッピングモールエリア。

かつて大勢の人々が訪れただろう、複合商業施設群には武器、爆薬、弾薬、その他危なそうなものを売っている。もちろん一番危険なエリアだ。銃声が聞こえない日はない。


俺たちの目的は弾薬調達だから、嫌々ながらもその商業施設のエリアに行かなければならない。


(はらへったなぁ〜)

思えば朝食はサンドイッチ一切れ…当たり前に腹が空く。


「お〜い?広場でなんか食い物買っていいかぁ?」

リンに呼び掛けると彼女はこっちを振り返った。

鬼の様ににらんでやがる……(汗)


「はぁ?あんた遅刻して血まみれになりたいの「ぐぅぅ〜」…」

腹の虫がなった。俺のじゃない。目の前にいるリンからだ。


「…あれ〜?はらへってるのか?」

俺はニヤニヤしながらリンを見た。


「……クソッ 朝食食べる前にボスから電話もらったんだよ」

リンは顔を赤くして言った。女の子として恥ずかしいのは解るが、その前にその口調は女の子のそれじゃない。


「んじゃあ話は早いな。行こうぜ〜」


俺は言い終わる前に回れ右で市場と走った。


「ちょっ……ちょっと待てよ!」

リンが走りながら着いてきた。



市場はターミナルの上、例えて言えばターミナルの屋根に当たる部分が駅前広場だ。

市場には様々な匂いがした。果物の甘い匂い、屋台から香る焼けた肉の匂い。そして“血”の匂い──忘れてはいけない、ここは金と暴力の支配するところだ。

どんなに活気がある市場に見えようとも裏で何をやっているのかは誰も知らない。



(このリンゴうまそーだな…)

俺が今いるのは、八百屋だ……店頭に結構な量のリンゴを並べている。しかし店員は見えない。店の奥にいるようだ。


路地の向こうを見ると、何軒か先の屋台でリンがあんまんを買っていた。好物らしい。

買おうか迷っている姿は女の子だが、中身が危ないので可愛いとは思えない。


俺はリンゴに視線を戻した。


(一つくらいならばれるわけないよな〜)

レイはリンゴの箱から一番甘そうなのを一つ盗ると、店に背を向け……



──ガチャッ

「金を払う気がないならその手に持っているものを戻して、とっとと消えてくれ、零?」


なにか頭に固いものが当たっていた。冷たい感触…


頭だけぎこちなく振り返ると目の前に銃口が…


「…あ〜、わかったからそれを下ろしてくれ、(つかさ)?」


───こいつは八百屋店長……じゃなかった、情報屋の男、埼山 司だ。八百屋は表の顔だと聞いている。


「零、君は何回万引きすれば気が済むのかな?」


「腹の虫が満足するまでさ。」

埼山はあきれてため息をついた。


「はぁ…、とりあえずそれを戻してくれ。」


俺がリンゴを箱に戻そうとすると埼山は持っていたリボルバー式の拳銃を下ろす…


(しめたっ…!)


──ザッ…ジャキッ!


俺はシャツの内側から愛銃を抜いて埼山に向けた。


「─ハッ!油断したな?司─…」

「あんたどこまでバカなのかな?その拳銃、弾切れなんだろう。」


……

……………バレた?


「朝、テレビに全弾撃ったのは誰だったかな?」


──ポロッ……ガチャン


俺は硬直して銃を落とした。

(こいつ何で知ってるんだよ〜)


「情報屋をなめてもらっちゃ困るね。よいしょっと…」

埼山は固まっている俺の手からリンゴをもぎ取ると、しゃがんで俺の愛銃、ベレッタM92Fを拾い上げた。

そして引き金をガチガチ引く…もちろん銃弾は出ない。


「やっぱり弾切れか、バカだねぇ」

そう言って埼山は俺にベレッタを投げ返した。

硬直からとけた俺は、慌ててそれを受けとる。


ついでに何かが飛んできた─リンゴだ。


「情報屋一番の御得意様のあんたなら言ってくれれば一つくらいやるよ。これで万引き失敗12回目だな?」

埼山はあきれたような笑いを浮かべている。


「13回目さ。間違えるなよ〜」

空中でリンゴをつかむとレイはリンゴをかじった。



「おい、レイ?もう10時だ!早くしねぇとボスに殺される!!」

振り返ると片手にあんぱんの袋…結局買ったらしい…をもって手を振っているリンの姿が遠くに見えた。


レイは自分の腕時計を見て焦った。

「やべっ、もうこんな時間か〜」


「なんかあるのかい?」

埼山が訪ねる。


「ボスが話がしたいだと。たぶん“仕事”だろ?」


「大変だねぇ?」

他人事の様に埼山は返した。


「まあな。今度は仕事を頼みに来るさ〜。じゃあな、リンゴサンキュ〜」


そのままレイは全速力で走っていった。リンゴはいつのまにかなくなっている…もう食べたのだろうか。



………………


零がいなくなったあと埼山は考え事をしていた。


ふとポケットにしまっているリボルバーをだした。


──ガキン


そのまま撃鉄を起こし、引き金を引く…


……カチン、カチン


リボルバーから情けない音が出る…。



本来情報屋に銃は必要ない─無限の情報こそが武器だからだ。


しかし、この危険な市場ではさすがに武器を持たないのでは死んだも同然だ。


だから埼山は常に銃弾の入っていない拳銃を持ち歩く。


銃を扱えない埼山がこんないかついリボルバーを持っているのは、単に威嚇だけが目的だ。弾は要らない。


…しかし、神崎 零─あいつが銃を抜いたときのあいつの目は、紛れもなく“殺ル”だった──


いつもの死んだような目じゃない


あいつは確かに自分の銃が弾切れだって知ってたはずだ…でも…


(あいつは俺を殺す気だった…)


…ゾクッ

冷や汗が流れる。


(何者だよ…あいつ)


埼山はあの二人組がかけていった方向を仰いだ。


あるのは複合商業施設…武器弾薬の調達エリアだ。

     〜後書き劇場〜

零「なんだよ、この後書き」


リン「作者が後書き作るのめんどいから登場キャラに語らせるらしいよ?」


零「へ〜、いい加減な作者だな。」


作者「お二人さん遠慮ない罵倒ッスね(汗)」


零「あっ 作者出てきた(笑)」


リン「www あっ そういえば“ボス”を出すんじゃ…」


作者「あ……忘れた(゜Д゜)」


──ジャキン、ガチャッ!

零、リン「この音は“ボス”………逃げろっ!」


─ズダダダダダダダダ!!

─ギャァァァァ…


次話に続くw

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