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─【壱】─Raven Claw


本編始まりますよ━(゜∀゜)━


楽しく読んでもらえれば嬉しいです(´∀`人)

左胸か、若しくは眉間を


確実に狙って、引き金を引きなさい


そう言って僕に渡された銃は


何も語らず、冷たく光っていた───



(Declare war)


慈悲深き正義?


(Start war)


(Yes,Sir.Declare war)


無常?Love & Peace


(Start war)──────




───出典、ポルノグラフティ「敵はどこだ?」より抜粋。






神奈川県某所──



ジリリリリ───


……朝らしい。


騒々しい目覚まし時計は、未だに夢から覚めない持ち主を待っていた。


傍らのベッドには、青年が大の字で寝ていた。

寝相が悪いのか、掛けていただろう布団はとうに体に被さってはいなかった。

起きる気配は全く無い。


ジリリリリ、ジジジジジ─


起きない主に怒鳴るかの様に、目覚まし時計はアラームの音量を一段階上げた。もはや騒音である。


しかし、起きない。


ジジジジジ、ガガガガガ──


ついに、音量は最大になった。凄まじい震動が部屋に響く…


しかし部屋の主はうめき声をあげて、寝返りをしただけ…。もともと掛かっていなかった布団は、更にベッドの隅に押しやられた。


ガガガガガ─ガッシャァァン!!


目覚まし時計は自らの震動に耐えきれず、サイドボードから落ちた。

盛大な破損音と飛び散る部品─。


─しかし時計の最後の叫びは持ち主に伝わった。


……ガバッ

流石に無視できない音は、さわやかな目覚め(?)をもたらした。


「……へ?何で時計が壊れて…」


かなり鈍い感覚の持ち主らしい。

しばらくボーッとしていたが、


「あ〜、くそっこれで何回目だよ〜。」

やっと状況を理解した様だ。

青年はベッドから降りて目覚まし時計を拾うと、部屋の隅にあるゴミ箱にシュートした。

─スポッ、ガッシャァァン!!


見事一発で壊れた時計はゴミ箱に入った。

もちろん、派手な音をたてて、またもや部品が宙を舞う。


「はい、ナイスシュぅトぉ〜」

(この青年のせいで一体幾つの時計が“ナイスシュぅトぉ”になったのかは、計り知れない)


「…あれぇ?」


…夜にカーテンを閉めきっていたはずの部屋は明るくなっていた。

カーテンを透かして日の光が差し込む─


「ふ〜ん、今日も晴れか…」そう言って、青年はカーテンを無理やり開け放った。


──ザッ!


思った通りの快晴だ。 部屋から見える景色もいつもと一緒─


─倒壊したビル街、錆びついた線路と、傾き停止した電車─


─“いつもの光景”だ。


一通り外を見渡すと、満足したかの様に、青年は深呼吸し、窓に背を向けた。



そしてサイドボードに置いてあった古びたリモコンを手に取り、テレビを付けた…


──ブッ、ザーーーーー…

テレビはつかないようだ。勘にさわる磁気音が流れる。


「……オンボロめ、これでも食らえ!」

青年はベッドの上に放置してあった水入りペットボトルを、テレビに投げつけた。


─ザーーー、ガッ、バチッ


ペットボトルはテレビを側面を強打し、テレビは人らしき影を映し始めた。


「─はっ、俺って天才だぜ。」(いずれテレビも目覚まし時計と同じ運命をたどるだろう)


影はだんだんと形をなし、女性のニュースキャスターの姿に変わった。


─白人のニュースキャスターだ。


「……OK? Next news,from mideast Asia. Many people……」

滑らかな英語が流れる。


「〜♪」

青年は鼻歌を歌いながら、冷蔵庫を開け、サンドイッチの朝食を取り出した。ベッドへ歩きながら、サンドイッチを食べる。挟んであるのはチーズだけだ。


「…last night.The president decreed that─ガガッ─w…e…i…vt…,…」

突然、ニュースキャスターの姿が飴細工の様に歪み、雑音が入る。

再びテレビは黒い画面を映し始めた。


「………はぁ、またかよ…、しょうがない…おりゃ!!」

再び青年はペットボトルを投げつけた。

ペットボトルは激しくスピンし、今度はテレビの上部を強打した。


「k…n…,p…j…w…ガンッ!────ザーーーーー」

当たりどころが悪かったようだ。完全に砂嵐状態に突入した。


青年は顔をしかめた。

「…お、落ち着け…落ち着くんだ俺…もう一回叩けば…」


そう言うとテレビに近付き、側面に平手打ちをかました。


─バシン、バシン!

「ザーーーーー」

効果はないようだ。


更に強く叩いた。

「ザーーーーー、…k…p…n…x…te,…」

性別不明の奇声が漏れ出した。なんとかなりそうだ。


(───いける!)

今度は拳で殴ってみた。


─ガンガン!!

「un…b…ge、ブチッ─ザーーーーー」

生き返ろうとしていたテレビは息の根を絶たれた。


「…………、さっさと直りやがれ!!─バギッ!」

青年の我慢は尽きた。


罪もないテレビの側面を強烈な拳が襲った。


「ザーーーーー、ブヂッ、………………。」

効果はないようだ。

むしろテレビは抹殺された。


「…………………。」

青年も沈黙している。

「…………………プチッ」

青年の中で何かが切れた。

「──FUCK IT ALL!!がらくため!!」


青年はおもむろにパジャマの懐に手を突っ込むと、黒い物体を取り出した。


金属質の輝き、重厚な質感─拳銃だ。


─ガキンッ

撃鉄が起こされる。


──────ズガン!、ガン!、ガン!、ガン!─


青年はテレビに向け容赦なく全弾発砲した。


─キン─キン─キン……

もう銃弾は無いようだ。

薬莢が床を弾く…。


銃弾の餌食となったテレビは原型を止めていない…

割れた液晶と内部からは、火花と煙が漏れている。

─硝煙の臭いが鼻をつく。



「…………あ゛」

青年は落ち着きを取り戻したようだ。


「──あ゛〜!! またやっちまった!!」

銃を放り投げ、少年は頭をかきむしった。

…銃は鈍い音を立てて、ベットへ落下した。


「ちくしょう!今月は壊さないつもりだったのに〜!」

どうやら壊した電化製品は一つや二つではないようだ。


─ガン、ガン!


…またも銃声─ではなく、ノックの音が響く。


「お〜い、レイ!起きてるか〜?いや、銃声したから起きてるね?」

若い女の声だ。声は女性だが、口調は完全に男のそれだ。


「あ〜、鍵なら空いてる。入っていいぜ?」

レイとよばれた青年はドアに呼び掛けた。


「んじゃ開けるね♪」


───ズガァンッ!!


ドアが勢いよく開く。入り口に立つ女は、Tシャツに短パン…かなり際どい出で立ちだ。脇に銃を吊っている。

その体勢を見るに…蹴り開けたらしい。



「はい、おはよー…ってまた派手にやったねぇ…、テレビ。」

女は早速大穴から煙を出すテレビの残骸に気付いた。

─ドアを蹴り開けたことに対する反省はないらしい。

「ちくしょう、ほっといてくれ!それよりドアは蹴って開けるもんじゃないって何回言ったらわかるんだ?リン…」


青年は彼女をリンと呼んだ。

「それは聞き飽きたよ。これ買い換えるのにいくらかかるんだろうねぇ?クスクス…」

リンは顔にどす黒い笑みを浮かべてニヤニヤした。


かわいい顔が台無しだ…

(それとも黒い方が本性なのだろうか…)


「…はぁ…」

レイはベットの端に腰かけると、頭を抱えてため息をついた。

…ふと気づく。


「リン─そういやなんで俺のとこに来たんだ?」


「あ!」

テレビに開いた大穴を覗き込んでいた彼女は何か思い出したようだ。


「“ボス”があんたを呼んでたんだ、あたしすっかり忘れてた。」

全く悪びれずそう言った。

彼女には反省するという気持ちが欠如しているらしい。


「はぁ…“ボス”がか…、行かなきゃまずいな…」


「あたりまえでしょ?蜂の巣になりたくなかったら速く来いってさ。」

あのボスが言うことだ、冗談に聞こえない。


「分かった、着替えてすぐ行くぜ。」

レイは立ち上がると壁にかけてあったシャツをとった。

「了解ぃ〜、んじゃ外で待ってるね♪」

そう言うとリンは部屋から出ていく。


…バァンッ


ドアを力任せに閉めていった。


衝撃で何かが床に落ちた。

──ドアの蝶番…


「はぁ…」

再び修理するものが増えた。


そう悩みながらシャツを羽織る。


身支度が整ったところで部屋を出ていこうとするが、大事なモノを忘れていることに気付いた。


「いけねっ、商売道具忘れた。」


ベットまで戻る。

青年は放置された金属の塊に手を伸ばした。


拳銃……これがなきゃ仕事にならない。


その銃身には銘が彫ってあった。


──Beretta M92F “RAVEN CLAW”──



青年はそれを鷲掴みにすると、シャツの裏側のホルダーにねじ込んだ。



「さぁて、行きますか─」

さっきの蹴りで歪んだらしいドアを無理やりこじ開け、青年は出ていった。




青年の名は、神崎 零。


レイと呼ばれる彼は────────────Outlaw…無法者だ。


どうだったでしょうか(´・ω・)


あ…はい…銃とか大好きです(〃▽〃)テレッ


これからもガンガン撃たせます


さて、気になる“ボス”とは……次で出しますヽ(^∀^)/


感想などもよければ書いてください

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