表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男女入れ替わりダンジョン配信!~元地下アイドルと落ちこぼれ退魔師、中身を交換したらお互いにとって最適な環境だった  作者: あけちともあき
とある学園の退魔チーム

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/59

第39話 拝見! きら星かざりVS退魔師軍団!

「そら、行くよ!」


 飲んだ後の容器をゴミ箱にポイ。

 二人を連れて、外に飛び出すあたし。


 明が走っていった後から、スマホを構えた一団がわーっと走っていく。

 なんだこいつらー!


「あー、野次馬ね。外でいきなり配信するとよくあるのよ」


「ほむら詳しいなあ」


「そら、中学の頃から配信してるし?」


「お二人ともー! みんな行ってしまいますぞー!」


 恵美奈の言葉で、あたしは我に返ったのだ。

 明の後を追いかけて一直線。


 ここは駅前。

 上層はデッキになってせり出していて、駅前ロータリーを上から覆っている。

 だからこの辺りは昼でも薄暗いのだ。


 そこで明が立ち止まっていた。

 野次馬もスマホを構え、パシャパシャ撮っている。


「あ、これまずいわね!」


 ほむらが呟いた。

 何がまずいんだろう? と思ったら……。

 あたしたちを包み込むように、ロータリーの床が持ち上がってきた!


 なんだなんだ!?

 野次馬がわあわあ、きゃあきゃあ悲鳴をあげる。

 床はただの一人も逃すことなく、あたしたちを包みこんで閉じた。


 ……と思ったら、背後までずっと地面が続いている。

 前方も。

 どこまでもどこまでも、終わりのないロータリーが続いている。


「……ダンジョンだ……!」


「そう。開放型ダンジョン! いきなり普通の道の一角がダンジョンになったりするの。タチ悪いわよこれー。ちなみに私、人前だと変身できないから」


 この状況を打破する手伝いが難しい、とほむら。

 な、なんだってー!!


「パパに制限掛けられてるの! 無制限は高校卒業してからだって。子供扱いするんだからー」


 リトルウィッチ・デュオが度々語るパパ。

 この二人をコントロールできるなんて、一体どんなとんでもない人なんだろう。


「ちなみにダンジョン脱出だけなら、イグナイト使えば楽勝だから。ちょっと見学してこ」


「あ、そうなのね。じゃあ安心だ」


「ふ、二人ともなんで余裕なんですかな……!? ダンジョンの中ですぞ~!」


「うおーっ、恵美奈後ろからしがみついてくるなー! 動けなくなるでしょー!」


「……彼女、あんたのこと好きなんじゃない?」


「は? 女同士で?」


「あんた魂だけ花咲里明日奈で、外側は男子高校生じゃん」


「……そうだった……!!」


 あたしの脳内を駆け抜けていく、数々の行動!

 恵美奈を守って戦ったり、スマホを預けて撮影させたり、お菓子をご馳走になったり、距離が近いまま一緒に下校したり、事務所に連れて行ったり……。


 いかーん!

 頭の中が女子のまま、女友達を連れ回している感覚だった!

 体、男だったじゃん!


「よし、恵美奈離れろ。このままだと二人とも逃げられなくなるからな。いい子だから離れるんだぞー」


「わ、分かりましたぞ……! 私は死にたくないですからな。頼みますぞ……」


「分かった、分かったから」


 とかやっていると、向こうで「あちょー」という気の抜けた声が響いてきた。

 野次馬たちがウワーッと沸く。

 なんだなんだ!?


「な……長ネギ!? 長ネギでマジックアイテムを砕いた!?」


「ほむら、どういうこと?」


「あんたの体を使ってる彼、とんでもないことしてるわよ……! 野次馬の中に暴漢がいたらしくて、いきなり物騒な武器を抜いて飛びかかっていったのよ! そしたらエコバッグから長ネギを抜いて、武器を真っ向から受け止めたと思ったら……武器が砕けた! あの武器、魔力があったからマジックアイテムよ!? なんで長ネギで砕けるの!? あ、同接……?」


「多分そうでしょ。あいつ、どんどんファンが増えてるの。伝説の配信者って、どうということのない日用品で数々のモンスターやデーモンをぶっ倒したって言うじゃない。そこに近づいてるんだと思う」


「和也くんごめん! えいや!」


「ど、どうして俺の名をウグワーッ!!」


 長ネギではたかれて、文字通り吹き飛ぶ男。

 空中でくるくる錐揉みして、ロータリーにあった車のボンネットに落っこちた。


 あいつ……もしかして退魔師!?


 野次馬の中から、何人か飛び出してくる。

 やっぱり、手には剣みたいなのとか槍みたいなのとか、明らかに物騒な武器を携えているのだ!


「おいおいおい! ちょっとちょっと!」


 あたしは走り出した。

 退魔師たちと並走すると、連中がギョッとした。


「上鳴!?」「な、なんでお前がここに!」「いや、話が早い!」「こいつの相方を人質にする必要もなくなった!」


「なるほどな! 全部話してくれてありがとうよ!」


 あたしは懐から雷マークのマスクを取り出して装着した。

 カバンからペンライトを取り出す。

 それは何の術も使っていないのに、うっすらと光を放っていた。


 SSRまで到達したペンライト、どうやら常時アンコモンの状態で固定されてるみたいだ。

 ありがたい!


 振り回されてくる武器を、ペンライトで受け止める!

 ……大した格の法具じゃないっぽい?

 全然余裕だ。


「上鳴だ! 上鳴が出た!」「うおおーっ! 俺達の手で仕留めれば……!」「結界術が働いている間に……!」「無理言って一回分の結界術を作ってもらったんだ!」


「なにぃ? ってことは……このダンジョンってお前らが作ったの!? 最悪だろ!」


 ペンライトを振り回して、退魔師たちの攻撃を連続で弾く!

 すぐにコンボが成立し、あたしのペンライトのレアリティが上がった!


 相手の数は多くても、一度に攻撃できるのには限界がある。

 それに前回よりは全然マシ。

 なんていうか、若手退魔師の暴走みたいな感じ?


 それで明を人質にしようなんてのは……。


「カスの発想だろ!」


 退魔師の武器が一つ、砕け散った。


「ウグワーッ! お、俺の法具が!!」


「どらあっ!!」


「ウグワーッ!」


 そいつをぶっ叩いたら、真横にぶっ飛んで地面に倒れた。

 身構えてないところに決められれば、一発で仕留められるな。


「あっ、かざ……じゃない、サンダー!」


 明がパタパタ走ってくる。

 その手の長ネギは既に振りかぶられていて……。


「やべえ!!」


 あたしは慌てて思いっきり後退した。

 ビルの壁に背中がつくくらい。


 標的であるあたしがいきなり遠ざかったので、退魔師たちは面食らったようだった。

 あたしを追いかけようと、こちらに踏み出す……。

 だけど、遅すぎる。


 身構えてない状態で、明の接触を許してしまった。


「あちょー!」


 長ネギが空気を切り裂いた!

 白と緑の輝きが一閃する。


「ウグワーッ!?」「ウグワーッ!?」「ウグワーッ!?」「ウグワーッ!?」


 残る四人の退魔師が、全員まとめてふっ飛ばされた。

 錐揉み状態になりながら、次々に地面に落下する。


 当然、全ての法具が砕かれていた。


 ……同接パワー、とんでもないわ……。

 明がパタパタ駆け寄ってきて、


「花咲里さん大丈夫だった?」


 なんて聞いてくるのだ。


「いや、あたしはあんたを心配してたんだよ!」


「あ、そうだったんだ! ありがとうー!」


 どうにも呑気な明なのだった。


 

お読みいただきありがとうございます。

面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
久々のあちょー!
やはり大根よりネギの方が扱いやすいのかな……継承の効果が高まってるだけかもしれないけどあからさまに威力が上がっている……w と言うか怪鳥音も継承したのか、退魔師生活ではづきっちのこと知らなかったろうか…
ゴボウ限定じゃなくて野菜縛りかw Aフォンに収納があるから投擲用にカボチャや懐かしのトマトを。 もちろん字幕で「スタッフ(社長)がおいしく頂きました。」
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ