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男女入れ替わりダンジョン配信!~元地下アイドルと落ちこぼれ退魔師、中身を交換したらお互いにとって最適な環境だった  作者: あけちともあき
まずは安価する伝説

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33/54

第33話 グッズ展開、きら星かざり!

 昨日の配信は色々反省点が多かった。

 主に、裸コートのおじさんは配信的にとても危険なので注意するようにということだった。


 花咲里さんにたくさん注意されたなあ。

 たまたま大根でおじさんの体が隠れていたから、センシティブ判定はされなかったけれど。

 世の中とても難しい……。


 そう思いながら、今日も学校でどうにか女子に擬態しながら生活をする。

 クラスメイトが凄く優しい。

 いいところだなあ。


「花咲里さん、もう慣れた?」


「あ、はい。もうすっかり」


「良かった! 初めてのことも多いと思うから、何かあったら言ってね! 手伝っちゃう!」


 隣の席で、小麦色の肌の女の子がぐっと力こぶを作った。

 頼れる~。

 花咲里さんの環境、本当にいいなあ。


「一族総出で助けるからね! なんたって花咲里さん、継承者だし」


「ん?」


 なんか不思議なことを言われた気がする。

 一族総出?

 継承者……?


 そんな疑問を抱きつつ、今日も事務所へ。

 僕の学費を捻出するためのバイト先なので、ちゃんと通ってお仕事をしないと。


 なお、今の僕の生活費は、花咲里さんのご両親が振り込んで下さっている。

 本当にすみませんすみません。

 中身が入れ替わってすみません。


 学費はどうにか奨学金で乗り切っている。

 成績落とさないようにしなくちゃ……。

 まあ、生活費以外は花咲里さんの方も一緒だけど。


 あっちのほうがもっと厳しいんじゃないかな。

 でも、そこは僕が配信で稼いでフォローする形になっているのだ。


「上鳴くーん!」


 事務所に来たら、社長が飛び出してきた。


「わーっ! な、な、なんですか!」


 オーガで体が大きいから、突然出てくるとびっくりするんだよなあ!


「上鳴くん、ついにグッズが販売開始だよー! アクスタ! アクスタが出るよ!」


「はあ、アクスタですか……」


 きょとんとする僕。


「社長、かざりちゃんびっくりしてるじゃないですか。ちゃんと説明していかないと。ええと、アクスタっていうのはアクリルスタンドの略で……」


 説明してくれるのは、アルバイト事務員として働いてくれているリーシュさん。

 オーク族の女性で、やっぱり体は大きめ。

 なんとITに凄く強い。

 頼れるー。

 この間もモデレーターとして大活躍してくれた。


「フィギュアだと、デザインから生産、彩色と手間がたくさん掛かるでしょう? でもアクスタだとアクリルの板に印刷するだけだから、グッズとしてはダントツで生産が早いの!」


 まん丸い鼻から、ムフーッと鼻息を吹くリーシュさん。


「なるほどです……! じゃあ、それがたくさん売れれば事務所も楽になるんですね!?」


「そうなるねー。ついに、ついにだよ。きら星かざりchも登録者が5万人を超えたし、そこからパトロンボックスに入ってくれる人も増えてきてるし……。グッズで一気に勢いをつけたい!」


「社長、さっきまで葉月さんと会議してたんですよ。ずっと緊張してて可愛かったです」


「リーシュくーん! 年上の男性をかわいい呼ばわりはどうかなあー!」


 和やかなやり取りに、僕も笑顔になってしまう。

 社長、ずっと頑張ってきたからね。

 少しでも楽になってほしいなあ。


「葉月さんはなんて言ってたんですか?」


「喜んでましたよ! 真っ先にうちに送ってくださいって言ってました。可能ならかざりちゃんが届けてーって」


「ええーっ!!」


「……ということで! 上鳴くん、これから出発だぞ。アクスタの現物を受け取りに行くんだ。いや、郵送してもらってもいいんだけど、この足で行けば今日の今日で手に取れるからね……」


「社長もなんか張り切ってますね」


「もちろん! 我が社が軌道に乗るぞーッて言うタイミングなんだ! 社長がやる気にならなくてどうするんだい! さあさあ!」


「あっ、はい! 制服から着替えるので……」


 物置に用意されていた、花咲里さん用のよそ行きの服に着替えた。

 むっ。

 全体的にちょっときつくなってる気が……。


 そう言えば、クラスの友達に付き添ってもらってブラを買い替えたんだったっけ……。

 食べすぎて太ったかなあ。


「あらかざりちゃん、今のサイズに合った服が必要かもですね。見繕っておく?」


「あっはい。あんま高くないのでお願いします……」


「任せて! かざりちゃん、昔見てたときよりずーっと健康的な見た目になってるもの。モデル向けの服じゃないほうが似合うわよね!」


 リーシュさんは作業用のノートPCの横に、マイPCを展開して、仕事と僕の服探しを同時に始めた。

 マルチタスクの人だあ。


「それで社長、どこに行くんですか?」


「BSホールディングスさん。昔はね、バンダースナッチさんと言えば配信者グッズの最大手だったんだ。今は凄く大きくなっててね。そこが声を掛けてくれたんだよー」


「へえー! おめでとうございます!」


 どれくらい凄いのかさっぱり分からない。

 でも社長が喜んでいるならいいことなんだろうなあ。


 体の大きな社長が先になって、電車の中に乗り込む。

 幾つか駅を通過して、新宿で乗り換え。

 山手線でちょっと行ったところに、BSホールディングスがあった。


 お、大きいビル……!!


「この五階がBSホールディングス」


「あっ、ビル全部じゃないんですか」


「事務所だけなら1フロアでいけるからね。でも、これだけの規模なら造形師の人の作業場もありそうだよなあ」


「そうなんですか?」


 社長の話は専門的で難しいなあ……。

 こうして僕らは、BSホールディングスに乗り込むことになるのだった。


 アクスタ、一体どんなものなんだろう……。

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
襲名はわかる。 でも一族って葉月一門が巨大すぎてどこなのかわからん。 もしかして全員斑鳩に合流?
おお、小麦色の肌のクラスメイト、地の大魔将の一族の人かな? この学校に入れたって事は、人類として生きていくのに問題ないと判定されてたって事なんだろうなぁ……
「きら星」を襲名した時点で見えていた展開ですね(といいながら実は想定外)。
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