第31話 武器をリスナーに決めてもらおう!
ほむらさんという女の子から、一方的にライバル視されてしまった僕。
だが、僕は男なので女の子にライバル視されても、そんなに気にならないのだ。
きっと何か勘違いしているんだよ、うん。
本日も学校でつつがない一日を過ごし、配信のネタを考えながら帰宅。
段々配信も慣れてきた。
いざとなれば、チャラウェイさんをはじめ、葉月ママや二世さんにも相談できるし。
一番身近なのは二世さんかな。
「二世さん、配信のネタなんですけど」
『おう。そうだね、この間話したみたいに、リスナーとの交流を深めつつ次に使う武器を決めるとかはどうかな? かざりさん、まだスタイルがかっちり決まってないだろ』
「あ、はい。そうです。なるほどー。そうするとカザトモのみんなとも仲良くなれますもんね……」
『ああ。それで安価というやり方を伝授する』
「あんか?」
『そうだ。何分何秒に書き込まれた武器を採用するって宣言して、リスナーの書き込みを誘うんだ。これは古来の掲示板で、書き込み番号を >40 みたいに指して、それでネタを採用したりしてた文化なんだよ。で、>がアンカーだから安価ってことで』
「あっ、そうなんですね!? 知らない文化だー! これってカザトモに説明した方がいい?」
『軽くな。配信がお勉強になっちゃったら、かざりさんの配信に来るリスナーびっくりしちゃうだろ。俺達は期待は裏切らない。これがエンターティナーの鉄則だ』
「はい! ありがとうございました!」
精神的な師匠みたいな人だなあ。
僕は今までそう言う人いなかったからなあ。
一応葉月ママにも報告したら、トークアプリを使って凄いハートマークが返ってきた。
元気だなー。
「ということで! こんかざー! 本日は事務所からお送りしますね」
※大判『こんかざ!』『こんかざー!』『こんかざー』今川『社長さんが見切れてるでおじゃる』
「あっ、実は編集のバイトさんの面接も並行してやってて、たまに面接音声入ると思います」
※『なんでそんな状況で配信してるのw』『もしや事務所はここしか部屋がない……?』
「はい……。あとは社長の編集室兼自室と、昔花咲里さ……僕の部屋だった、今は物置になってるとこしかなくて。なので一番広い事務所で配信してます。八畳くらいありますから」
※大判『せまぁい』『私達の力でかざりんをビッグにして、大きい事務所を構えさせてあげなきゃ』『課金できるところがスパチャとパトロンボックスしか無いんだよな……』『パトロンボックスも500円プランしかない状態がずっと続いてる!』『かざりんのプライベートピンナップが毎日更新されるのは嬉しいけど、コスパが良すぎてとても心配……』
「あっ! かざりちゃんの特別ピンナップ壁紙を来月頭に配信します!」
社長が横から入ってきて宣言したら、カザトモのみんながうわーっと盛り上がった。
※『いいからもっと上位のサブスクプラン作れよ!』『メンバーシップ開設しろ』今川『金を使わせろと言っているんでおじゃ!』
「うわーっ、みんなからお金を使わせろコールが……。ご、ごめんなさい! 社長一人なので、色々手が回らなくて! でも今回の編集バイトさんが入ってくれれば、グッズ展開もやっと着手できるので……」
僕はペコペコ謝った。
なお、面接されているバイトさんが「バイト面接の音声で全国デビューしちゃってるう」とか言っている。
※大判『よく考えたら破天荒な配信だな……』『それでかざりん、今日は何をするの?』
「ああ、うん! 実はね、次回のダンジョン攻略で何か武器を使いたいんだけど、僕って決まった武器が無いでしょ? それで、みんなから安価を取りたいと思いました。あっ、安価っていうのはですね」
僕が説明すると、若いカザトモさんが『ほー』『知らなかった!』『そうなんだー』と納得。
大体伝わったみたい。
アーカイブになったら、詳細のところに説明文付け加えておこうっと。
「えっと、それじゃあ……16:40分の最初のコメント!」
ワーッとコメントが流れてくる!
みんなめいめい、色んなものを武器候補に挙げてくれているのだ。
なになに、孫の手、電気マッサージ器、ダクトテープ、段ボールの剣……。
僕が退魔師だった時に、そのうちの幾つかは武器化したなあ。
「みんな惜しい! ちょっと早い! ちょっとだけ早い!」
※『かざりん、煽るのが上手くなってきたぞ!』『段々配信がこなれてきたな』『どこかのレジェンドに似てきたな……』『子は親を見て育つ』『ママのアーカイブ見るべき』
「葉月ママのアーカイブ……? あ、時間ですね、安価は……大根!?」
※『おっ、武器になるな!』『うーんこれは重装備』『かなりいい感じではないでしょうか』
「そうかな……そうかも……」
※『かざりんがリスナーに説得された!』『悪い大人たちだぞ!』今川『でも大根は配信で使った後料理できるし』
「エコですね! じゃあ大根で……。次は、どこでどういう配信をするかなんですけど……16:45分と16:48分!」
コメントがまたワーッと盛り上がった。
楽しいなあ!
みんなとの距離もぐっと近づいた気がする!
そして決まったのは……。
「武器は大根、場所は夜の公園、ご近所迷惑にならない程度に歌いながら配信……と。な、なんですかねこれ」
※『無難なのが集まったな』『かざりん相手にハードなのはいかんからね』『途中から優秀なモデレーターが入ってきたな。空気読めてないのが排除されてた』『バイト即採用されたな』
向かいでノートパソコンを開いたバイトさんがニコニコしている。
優秀な人だ!
これからよろしくお願いします。
「それじゃあ、配信予定が決まりました。公園のダンジョンあったかなあ……。調べてみますね。日にちが決まったら連絡します。それじゃあおつかざ~!」
配信終わり。
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