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男女入れ替わりダンジョン配信!~元地下アイドルと落ちこぼれ退魔師、中身を交換したらお互いにとって最適な環境だった  作者: あけちともあき
ゆるゆる始まる伝説

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第12話 君は才能があるよ!

「えー、皆さん、こんかざりー。かざりでーす」


※モチョチョ『うおおおおおおおかざりーん!!』『こんかざりー』『こんかざー』『こんかざ!』『前はかみなるちゃんだったけど、かざりんなの?』


「ええとあの、色々事情があって……。僕は上鳴なんですけど、かざりちゃんねるですから、かざりが僕ということに……」


※回転『なるほど分からん』『???』『お、おう』


 しまった、混乱を招いている!

 今、この体の中身は僕、上鳴明だけど、見た目も戸籍も何もかも花咲里明日奈さんなわけで。

 だから、元の体に戻るまでは冒険配信者かざり、でやっていこうと思ったのだ。


「ええっと、今背景をぼやかして事務所の近くで配信してるんですけど、これはですね、正式に皆さんに報告しようと思って。えーっと、社長社長! 収益化の話はもっと引っ張った方がいいですか?」


「上鳴くん、言ってる! 言っちゃってる!!」


「あっ!」


 慌てて口を抑えた僕なのだ!


※『おめでとうございます!』『収益化おめでとうございます!』『かわいい』モチョチョ『うっかりかざりんかわいい』『天然のポンだよな』『清楚だ……』『最近の女子は清楚()ばかりだからな……』


「あっあっ、済みません皆さん! はい、かざりちゃんねるがついに収益化しました! ええと僕、まだ三回目の配信なんですけど……あ、いえ、僕が三回目で、花咲里さんはもっとやってて……いえ、それもこの体なんですけどー」


※『なるほど分からん』『かわいいからOKです!』『かざりんって穏やかに喋ると、こんなにいつまでも聞いていられる声なんだ……』『前の精神の時のかざりんは、アルファ波が出るような美声を封印していたんだな』『ハンデキャップマッチだ』


「あ、ええと、あのその、そういうわけではなくって、花咲里さんも頑張ってて! でもなんか、僕が入れ替わったらこんな、皆さんに喜んでもらえるって、その……申し訳ないっていうかー」


「上鳴……いや、かざりちゃん! 君、才能があるよ!」


 突然社長から声が掛かった!

 才能!?

 僕に!?

 なんの!?


「顔がいい、歌が上手い、ダンスが上手い、ゲームが上手い……それは人気者になるにはとても重要な要素だ。だけど、世の中にはそういう才能があるのに有名になっていない人がゴロゴロいる。必要条件と絶対条件は違うということだね」


※『社長が語りだしたぞ』『このチャンネル、ちょくちょく社長が出てくるんだよな』『俺はファイヤー社長好きだぞ』『あのおっさん憎めないんだよな』


「花咲里明日奈もそうだ。素晴らしいダンスと歌声。そして体のキレ。美貌に、ビッグになろうというハングリーさもあった。だが、半年戦っても俺達は浮かび上がれなかった。そこに、君が来たんだ! かざりちゃん! そしてかざりちゃんねるは今! これまでになかった大いなる飛翔を遂げようとしている! 君がきっかけで! だから、君は才能があるんだぞ!」


「そ、そんなー! あの、ここに来る前の僕は人生のすべてを懸けてたのに才能がないって言われてたんですけど!」


「つまり……君はそっち方面じゃなく、冒険配信者系アイドルをやるための才能を持っていたということだよ!」


「ええーっ!?」


※『な、なんだってー!』モチョチョ『な、なんだってー!』大判『な、なんだってー!?』御座候『な、なんだってー!?』今川『な、なんでおじゃるとー!?』回転『な、何だこの茶番は!』


「おっと、俺が喋りすぎたから同接が減る……。だまりますねー」


※『社長バイバーイ』『そんなに社長よく出てくるの?』『でも実際、かざりんには才能あるよね!』『惹きつけられるものを感じる』『頑張れって応援したくなる』『何ていうか、持ってるよな……』


「持ってる、ですか。なるほど、なるほど……! たしかに、僕が卑屈になってたら花咲里さんに申し訳ないですもんね! 皆さんに求められているなら、僕は皆さんのために頑張って行こうと思います! 皆さん、どうぞよろしくお願いします!」


 頭を下げると、コメントがわーっと流れていく。

 あくまで社長のスマホの画面越しだから、早く流れると小さくて読み取りにくい。


「かざりちゃん、応援されてるよ!」


「あ、ありがとうございます! それでですね、今回はその、ファンネームを決めようと思うんです。僕が皆さんを呼ぶ時に、どう呼んだらいいかなって……。それで考えたんですけど……カザトモってどうでしょう? その、かざりの友達、みたいな感じで。僕、皆さんの友達として一緒に頑張っていけたらなって思っているので」


※モチョチョ『ウワーッ上目遣い!!』『胸を撃ち抜かれた』回転『我々の心を掴む仕草を本能で知っている……!!』御座候『こいつは末恐ろしいでござるな……!!』


「ああ良かった。じゃあカザトモで決定です。あとはエゴサタグなんですけど、これは後でツブヤキックスで告知してから、以後の配信で分かるようにしますね。もちろん! 皆さんが思いついたこととか、ぜひ僕に教えてください! 僕、今まで全然配信とか見てきてなくて、常識とか分からない事も多いですから……。皆さんに色々教えて欲しいな」


※『ウグワーッ! 最後が優しいウィスパーボイス!!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ耳が幸せ!!』『ウグワーッ中身が男の子って本当ですか!』『二倍お得!』『俺この子のこと好きになっちゃうよ!』


「かざりちゃん……。天然で首を傾げて見つめる仕草……。君は魔性の男の娘だよ……! いや、体は女の子なんだけど。しかし……花咲里ちゃん、これほどの才能を持ちながらそれを全て結果的に封印していたのか……」


 社長は不思議がっていたのだった。

 僕もそれ、本当に不思議です。


 ちなみにこの配信後、ついにかざりちゃんねるの登録者数が一万人を突破したんだそうだ。

 


 

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― 新着の感想 ―
能力値をパッションに全ツッパしたバーサーカみたいなモンだったからな。いや、それはそれで人気は出そうだが。そういう表に出るタイミングというか時流に乗れる運を持ってなかったんやろなぁ>明日奈
心の中のラーテルやプレデターが全ての長所を食い尽くしていたのか。
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