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0,プロローグかつエピローグ

よろしくお願いします

━━━━この世界は、簡単に言うならば剣と魔法の世界のファンタジーな世界である。様々な魔法を扱い、剣技を駆使し…戦うのだ。何と戦うか?ファンタジーの世界ではよくある魔王と戦うのだ。


「━━━━━━━はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


その世界の民の誰もが、魔王や魔族には叶わない。故に神に願う。『救える者を呼んで欲しい』と。神はそれを叶え、異世界から勇者を召喚した。その勇者の名は、有栖川芽衣(ありすがわめい)…女の勇者である。


「ハハハハハハ!!!いいぞ!もっとだ!もっと力を見せろ!!!そのうえで貴様を叩き潰す!!」


「なんで!なんでこんな事したの!!!」


女勇者は、神が定めた6つの属性の内5つを使いこなしていた。それは魔法として使われ、彼女がこの世界で培った剣技と合わさり強力なものとなっている。


「なんで…?世界を征服するのは魔王の使命!!人間共は皆殺し!!それ以上の理由は要らん!!!」


「ぐ、ぐうううう……!!!うううううあああああああああああ!!!!!!」


この世界における魔法は、術者がその属性でイメージした挙動となる。そしてそれがどれだけ鮮明に描けているかによって、その出力は変わってくるのだ。

例えば今であれば、彼女の剣技は光の魔法により体の動き全てが光の速度となっている。本来そのようなことをしてしまえば、彼女の体もこの戦場…魔王城、そしてそれら以外もその勢いの強さにより全てが崩れゆくだろう。しかしそうはならない。この世界の魔法で何かに影響を与えるためには、『○○に影響をこれだけ与える』というイメージだけでいいのだ。逆に言えば、イメージしなければ…または出来なければ影響を一切与えられない。


「いいぞ…!やはりそう来なくてはな…!」


対して魔王は、彼女と同じ…ではない。6つある内の5つを習得しているのは同じだが、それぞれ1つずつ得ていないものが違うのだ。

共通しているのは火、水、風、土。共通していないのは闇と光……魔王は闇を、彼女は光を使えるのだ。


「だがしかし互角か…!我が力にここまで食らいつけるとは…!このままでは、こちらが食らいつく側になるか…!?」


そして魔王は光の速度で動く彼女に対して、闇の力を身に纏うことで無力化していた。闇は全てを飲み込み、無かったことにする。魔王はそうイメージし、そしてそれは現実に叶えられている。刃がどれだけ叩きつけられても、僅かな衝撃さえ魔王に届かないのだ。


「ちっ…はっ!!」


「ッッッッッ!!!!!」


魔王が闇を含めた全ての属性の魔力の塊を飛ばす。芽衣はその全てを光の速度の剣技で切り落としていた。完全に互角。互いに力押しでは叶うことがないと、そう理解していた。


「このままでは決着が付けれんな!!だが、いい!これでいい!!」


「はぁー…はぁー…!なんで、そんな…!嬉しそうに…!」


芽衣は涙を流す。何の涙かは魔王には分からない。仲間を失った涙か?それともまた別の涙か。魔王が建てた城…安易に魔王城と名付けたそれに来て、魔王が用意した強力な魔物達によって彼女の仲間は次々と葬られていた。同時に、相打ちばかりだったらしく既に魔王も1人きりとなっていた。だが別段悲しくもない、時間はかかるが魔物は魔王によって作り直すことが出来るのだ。


「…逆に聞くが、何故に泣く?仲間を失ったことか?それともそもそも悲しみではなく怒りの涙か?」


人間が涙を流す時は、悲しい時だけではないと魔王は知っている。しかしそれ故になぜ泣いているかが分からない。表情から察するに、怒りによって流しているだけの涙だろうかと予測は立つ。しかし━━━


「なんで!!!なんで……!!」


「…ふむ……?まぁ、いい…気にはなるが些細な事だ」


話にならない、と疑問を持ちつつも魔王は話を切ろうとする。しかしふと考えた。『何故気になったのか?』と。なぜ勇者である芽衣が泣いている事が、鎌首をもたげる程に気になるのか。人間の感情の遷移があるのは知っている、だがそれが今まで気になったことなんて無かったのだ。


「………何故俺は…?」


「今ッ!!!」


躊躇なく、遠慮なく。光の速度で一瞬で迫る芽衣。油断大敵とはこの事で、互角の相手を前に意識が自らの疑問へと向いてしまった魔王。当然普通ならばこのまま倒されるが常だろう。

しかし意識を外していようと、そこは魔王。光の斬撃を防いだ闇の防壁は今も尚、魔王を包んでいるのだ。つまり芽衣の攻撃であってもそれは通用しない。()()()()()()()()()、だが。

芽衣は何かを手のひらに収め、そのまま掌底を繰り出していた。当然衝撃やダメージなどは発生しない。


「……なんだ、今何を…ッ!?」


掌底された箇所を中心として、闇が球状に発生していた。無論これは魔王の攻撃でも防御でもなんでもない。だが魔王は確信した、自分はこれで終わると。


「…………私の仲間に、闇を使える人がいた。その人が作った、最後の切り札。その人のイメージだと、闇は全てを飲み込んで染めてしまう」


「ぐ、ぐううう!?」


「同じ闇の力を持つ君じゃあ、多分時間稼ぎにしかならない。けど……()()()()()()()()()()()()()()()()


「封じる、だと…!?」


「風は全てを吹き飛ばし、近寄らせない。土は高くそびえ立ち、外敵を阻む。水は全てを流し、相手を押し戻す。火は燃え盛り、近づくものを贄とする。光は……全てを焼き付くし、真っ白へと染めあげる。私の…私達の、持てる力の全てで、君を封印する」


「なんだと…!?巫山戯るな…こんな、こんなことで戦いを終わらせるのか…!?」


「私の力だけじゃない…私の仲間の全てを使って、私の攻撃すら通じない貴方を封印する。簡単には…突破、できない…よ………」


もがき、抗い…何とかして脱出しようとするが上から、上から力を重ねがけされていく。自業自得とはいえ、このような決着になって魔王は納得していなかった。怒りに満ちた魔王は罵詈雑言を芽衣に浴びせようとして、その顔を見る。


「━━━━━は…?」


泣いていた。怒りでも喜びでもない表情で、涙を流して魔王を見ていたのだ。その泣き顔に、チクリと胸が痛む。


「何ッ………」


「………ごめん━━━━」


謝っていた。何に謝ったのか。それが分からないまま、魔王は勇者一行の用意した封印にその身を閉じ込められるのであった。




















脱出には、魔王自身も数えられないほど長い時間を要した。勇者への恨みがひたすらに募り、出た時に勇者の周りの人間を惨殺してやろうと心に決めつつ長い間を過ごしていた。

諦めること無く、ただ恨みを晴らすことだけを考えてもがき続けた。まるで決死の覚悟と言わんばかりの厳重な封印を時間をかけてゆっくりと突破していく。全ての属性を兼ね備えた封印は、その中では魔王の試練となっていた。

水すら受け付けない灼熱の炎、大陸さえ飲み込む水流、一切の風の影響を受けない大地、猛火を掻き消す暴風、闇よりも深い暗黒、光よりも眩い眩燿…それら全てを魔王は突破していき、遂にその封印から脱出をした。


「はあっ…はあっ…!ははは…ふはははは!!やっとだ!やっと脱出できたぞ!!長かった…実に長かった!!どのくらいかかったか…数えておけばよかったか?いや、余計な心配をかける訳には……………ん…?」


封印された箇所が魔王城ではあるが、人間側には魔王城を保存しておく理由はないだろう。故に、魔王城ではないどこかか、最悪生き埋めになるかもしれないとも思っていた………実際に出てきたのは紛れもない魔王城なのだが、全てが古びていた。砂埃を被り、長い間放置されたかのような様子。思っていたよりも時間がかかっていた事に気づき、ため息をついていた。


「ちっ……放置されすぎたか…年単位で時間が経ってるか?魔王城が解体されてなかったのは意外だが…どのくらい封印されてたのやら…いや、いい…ひとまずは魔物の創造を………ん?」


魔王には魔物を創造する術がある。しかし何故か今はその術が機能していなかった。幾らやっても、魔物を創造する際の独特な感覚が来なかったのだ。


「…復活しきれているわけではない、ということか?仕方ない…まずは城から出るとしよう…暗いな…光…は使えんから火で明かりの代用をするか」


手のひらから炎を出して、魔王は周囲を明るくする。それにより余計に古びた魔王城の内装を憂うこととなってしまう。箇所によっては、朽ち果てていると言っても過言ではないほどに簡単に崩れそうになっていた。


「なんだ……どうなっている…?いくら年単位で封印されていたにしても、そう簡単に脆くなるほどの作りはしていないぞ…?一体どれだけ封印されていたんだ…?」


不可解な事が有りつつも、魔王は歩みを進めていく。この城の造りは頭に入っている。出口へと向かう。途中崩れてる為に歩行では通れない道があったが…些細なことである。

そうして歩いて………魔王はついに外へと出る。待っていた久しぶりの世界は…とても、それはとても━━━


「………何だ、これは…?」


━━━歪であった。

一つ目は、人間の街並みが存在していた。かつての魔王城には、街は存在していなかった。当たり前だ、知的生命体などいないのだから魔王城以外のものを建てた所で意味は無い。つまりこの街は魔王が封印されてからできたものであろう。

二つ目は、空に『穴』が空いていた事だ。そこから太陽光が差し込んでおり…魔王城周辺にある建造物からはただの少しも灯りが付いていなかった。

三つ目は、その穴から水が大量に流れ込んでいたことだ。最早異常その物である。流れてきているのは海水なのか、潮風によって多少ベタつき始めていた。


「…上から、海水?俺が封印されてる間に重力がおかしくなったか?それとも、海水が天変地異で上がり始めたか?」


魔王はその疑問を解消すべく、風の魔法を使い宙に浮いた。穴へと向かい、そしてその穴から飛び出していく。穴の中も歪であれば、穴の外もまた歪……予想できた事ではあるが、魔王にとってはそれでも驚きの現状が一つ増えただけとなってしまう。


「……本当に、何がどうなっている…!?」


その穴は、1つの国家…それも大都市と言われるほどの大きな国が余裕で入るほどの大きさがあった。恐らく魔王が知る限り、封印前当時で最大級の国が余裕で入るほどの穴である。

その穴は、海面とほぼ同じ高さで作られていたようだが……それはそれ。その穴から伸びていくように、5枚の壁が遥か彼方へと伸びていたのだ。どの壁も、地平線の彼方へと伸びており…そしてどの壁も雲を突き抜けなお高くそびえ立っていた。


「……なんだ、何が…何が起こっている…!?一体全体…何が起こってると言うんだ…!」


魔王は困惑した。魔王が封印されていた間に、世界は様変わりしていた。力の一部は使えず、恨みを果たすための勇者の行方も分からない。

このような世界で、魔王は一体何を成していくのか…それは本人でさえも分からない事なのであった。

キーワードよくわかんないのでこうします

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