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君が僕を好きなことを知ってる  作者: 大天使ミコエル


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85 夜更かしは向いてない(1)

 ………………暑い。


 妙な息苦しさで、亮太は目を覚ました。


 目の前にあるモコモコの布団を押し退けると、礼央の寝顔が目に入って来た。


 眼鏡を外して、随分とスヤスヤと気持ちよさそうに眠っている。

 寝てる時もこんなニコニコしてるのか……。

 和やかを絵に描いたような寝顔。


 あ〜……寝ちゃったのか。


 眠っていた頭が次第に、現実に意識を取り戻す。


 足元が狭苦しい。

 このゴツゴツしたのはきっと向かい側に座っていたサクのものだろう。

 ということは、この背中に妙にくっついて寝ているのは、ケントだ。


 どうやらサクの巨体に押しやられて、こっち側に逃げて来たのだろう。


 ケントの腕を押しのけ、むくりと起き上がる。


 こたつの上には、山盛りだったはずなのに2個しかなくなっているみかんと。

 礼央の眼鏡。


 足元が狭くて熱い。


 そもそも無理なのだ。

 この自室に置いてあるそれほど大きくもないこたつを男4人で囲むなど。


 硬い脚が何本も突っ込まれ、座るのもままならない。


 左側に寝ている礼央と、正面に寝ているサクと、亮太にくっついて寝ているケントを確認する。


「やっぱ寝ちゃってる」


 棚の目覚まし時計を見ると、2時過ぎだった。


「あ……」


 外は暗い。

 午前2時ということだろう。


「過ぎてるじゃん……」


 その独り言に気づいたのは、サクだった。

「ん〜……」

 寝ぼけ眼で起き上がる。


 状況を確認して、苦笑した。

「全員で寝ちゃったか〜」

 亮太も一緒になって笑う。


 笑った後で、二人、かしこまって向かい合うと、深々と頭を下げた。


「あけまして、おめでとうございます」


 年明けだった。


 みんなで除夜の鐘を聞いて、年が明けたら挨拶でもして、それから4人で初詣にでも行こうと話していたのだった。

 結局、みかんを食べながら、モニターにケントおすすめの配信者さんのライブ配信を映して、駄弁っていたあたりからの記憶がない。


 除夜の鐘が鳴った記憶も全くなかった。


「初詣には行かなきゃね〜」

「だよな。おぅい!お前ら起きろー」


 サクが、自分の手元にあったケントの足を引っ張り起こしにかかる。

 それを見た亮太がまた笑って、礼央を起こしにかかった。


「れおくーん」


 ぽんぽん、と叩くと、

「むにゅ〜」

 とおかしな声が出る。


 なんだこれ、おもしろ。


「れおくん、れおくん」


 ぽこぽこと今度は強めに叩く。

 こいつ、意外と寝起きが悪いな?


 その整った鼻をつまみ、ほっぺたをムニムニする。


 あ、れ。


 一瞬、息が止まりそうになった。


 俺、何考えて……。


 余計な思考を振り払うのに、勢い余って、身体全体で飛び掛かって行く。

「起きろ!れお〜〜〜〜〜〜!!」

 すっかり起きているケントとサクが、礼央の寝起きの悪さに笑う。


「うっ……ぬぅ〜〜〜」

 なんて言いながら、礼央が手探りで眼鏡を探す仕草をしたから、3人でまた笑った。

れおくんが一番寝相がよさそうですね。

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