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君が僕を好きなことを知ってる  作者: 大天使ミコエル


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48 夏休みってやつは(2)

 そんなわけで、4人はテーブルについた。


 宿題をやる為に集まったんだから、宿題を始めるわけだ。

 テーブルの上に、ガサガサと宿題の山が4つ出来上がる。


 亮太は目の前の礼央を見る。


 連絡先……、聞いてもいいんだよな。


 けど、なんだか、意識してしまうと言いづらい。


 ……だって……、俺のこと、好き、なんだよな…………?


 妙なイメージがつかないさりげないセリフ?

『連絡出来た方が便利だからさ』とか?

 それとも、『俺と連絡先交換しよう』って、素直に言った方がいいだろうか。


 悩んでいるところで、ケントが何やら席を立ち、みんなから隠れる様にしゃがんだ。

 ……まだ、5分も経ってないけど?

 しゃがんだら見えないかと言えばそんなわけはなく、他の3人はちょこちょこと礼央の方へ歩いていくケントを見守る。


「れおくん、れおくん」

 テーブルの脇から覗き込んでくるケントにちょっと引き気味になりながらも、礼央はケントに応対した。

「どうかした?」


 ケントは、耳打ちするように口元に手をかざす。

「連絡先、お・し・え・て」


「…………」

 語尾にハートでも付いていそうな勢いだった。

 …………いいんだ。それで。


「うん、いいよ」

 礼央が面白そうに笑う。

 いいんだ!?それで!?


 まあ、ケントなら許せる行動なのだ。

 この間など、女子のグループに一人混じって、冗談で「うふふ〜」とかやってるのまで見かけたくらいだ。

 ……こういう奴だよ、こいつは……。


 あまりのかわい子ぶりに辟易するけれど、ここは乗らない手はない。


「あ、俺も」


 これだけでよかった。


「はい」


 礼央は普通の顔で、自分のスマホの画面を見せてくる。


 そうだよ。

 特別な事じゃないんだから。

 これでいいんだよ。




 それから4人は、改めて宿題に向かった。


「あれ?」

 サクが礼央の前の宿題をじっと見つめた。

「れおくん、宿題そんな進んでんの?」


「あ、うん。図書委員でさ。図書室に篭ってる間でけっこう。同じ委員の子とやったり、参考書も沢山あるし」

「なるほどな……」

 サクが真面目な顔をして頷く。


「え、読書感想文までやってるの」

 亮太も目を見張った。

「え、読書感想文なんて宿題あったっけ!?」

 ケントは違うところで驚きを見せている。

「そこから!?」


「読書感想文か、研究論文かどっちかでいいってさ。二千字以上」

「研究論文ってなんだよ」

「自由研究みたいなやつ?」

「わっかんねぇ。ってか、それなら読書の方が簡単くない?」


「れおくん」

 亮太は、目の前の礼央に真面目な顔を向けた。

「おすすめの本、教えて」


 礼央がクスクスと笑った。

「うん。もちろんだよ」

女子に一番人気があるのはケントくんかなと思います。

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