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君が僕を好きなことを知ってる  作者: 大天使ミコエル


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42/101

42 名前の由来

 球技大会が終わって、いつもの日常が戻ってきた。


 夏も本格的な暑さになり、これから期末テストなのかと思うとうんざりしてしまう。

 けれど、早くも期末テストの範囲は発表され、勉強しなくてはいけなくなってしまった。


 4人は、テスト範囲が発表された翌日の土曜日、亮太の家でテーブルを囲んでいた。


「数学大丈夫?」

「aとかbとかcとかいうやつな。俺はいけそう」

「サクなにげに数学できんのな」

「英語は?」

「英語はりょーくんがわかる」

「俺?」

「一番得意だろ」

「え、れおくんは?」

「れおくんは俺の専属だから」

「なんでだよ」


 そんなことを言いながら、4人は、少しずつ勉強を始めていった。


「シュメールやった方がいい?」

「そこより、その後の漢字やっとく」


「ってか、先生が読んどけって言ってた英語、重くね?」

「うん、でも、これ絶対テストに出るから」

「う〜ぬ……。れおくんヤマ張るのうまいからなぁ」


 歴史と英語を一通りそれぞれが確認した頃、ケントが、伸びをする。

 それをきっかけに、みんなの力が抜けたのが分かった。


「亮太っていう名前ってどういう意味?」

 パラパラと漢字辞典を眺めつつ言ったのはケントだった。


「あかるい」


「あかるい」

 さも、名前にそぐわないと言いたそうな顔で、ケントが、復唱した。


「さっぱりした人間になってほしい、的な?」


「うんうん」とケントが頷く。

 とはいえ、余り納得はしていなさそうな顔つきに、

「余計なお世話だよ」

 と亮太が拗ねたような声で返す。

 地味で悪かったな。


「そういう賢人は……」

 と、言ってはみるものの、その名前の意味は明らかだ。


「………………」


 ケント以外の3人が沈黙した。


「俺は賢いよ?」


 と、ケントが言い返すけれど、3人は返事のしようがない。


「作は?」


「俺は、人生を自ら作っていく人間になるように」

 自慢げな顔は、サクが自分の名前を気に入っている事が伺えた。

「おおー」と小さな感嘆の声が上がる。


「礼央くんは……?」


「僕は、礼儀の礼。謙虚に優秀に、みたいな感じかな」


「ゲームやらせると謙虚とは程遠いけどな」

 そう言って、ケントが笑った。




 それから4人でケーキを準備して、おやつの時間にした。


「うまいっ」

 食べながらもケントは騒がしい。


 近所で有名なケーキ屋のいちごのケーキだ。


「後半何やる?」

「古文やっておきたい」

 サクと亮太が、勉強の計画を立てる横で、ケントと礼央は最近ハマっているゲームについて盛り上がっていた。

 のんきというか、なんというか。

 これでいて、二人とも成績は悪くない。どころか、礼央に至ってはどちらかといえば成績がいい。

 亮太では、数学あたりは礼央には勝てそうもないのだから。

 ……ゲームみたいに攻略してしまうのだろうか。


 そんな風に、日常は戻ってきた。

 もうすぐ夏休み。

 太陽はジリジリと燃え、段々と外に出たくはない季節が始まる。

サクは数学だけが突出しています。思考は論理的。バドやる時もけっこう頭を使うタイプなんじゃないかと思います。

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