可愛いが過ぎる
ウチの夫は寝てる間も喋る。
本当によく喋る。
流暢に喋る。
えっ、起きてる?私に話しかけた?
って思うくらい喋る。
つまり、寝言が凄いのだが……
遂に殿にも、その血が色濃く受け継がれていることが判明した。
ある日の午前3時。
目が覚めてしまった私は、スマホを弄っていた。
そしてその時は急に訪れたのだー……
「パンマン、たっ!」
ハッキリ聞こえた殿の声。
起きたかっ!?
いいや、スヤスヤ眠っている。
ちなみに殿が発せられた、「パンマン」とは子どもなら皆大好き、アン◯ンマンのことである。
そして「たっ!」とは、「終わった」という意味で、普段殿はテレビでアン◯ンマンを見る時、1話終わった毎に「パンマン、たっ!」と知らせてくれるのだ。
殿……夢の中でパンマン見てるの?
パンマン好き過ぎん?
でもパンマン終わっちゃったんだね……
誰か次の話再生してあげてー!
心の中でそう叫びながら再びスマホを弄り始める私。
しかし、殿の寝言はここで終わらなかった。
「ネンネがいぃー」
「ネンネ」とは文字通り、「寝る」の意味。
つまり殿は睡眠をご所望である!
……いや、アンタ寝てんじゃん!
そんなことを思ったせいか、殿がグズり出してしまった。
すかさず、お腹トントンで殿を落ち着かせることに成功……
これで一安心と思った矢先だったー……
「ママー」
え…
ママって言った?
起きて……?はいない。
ということは?
殿の夢の中に私を出演させていただいてるという事ですか!?
出演料?
寧ろこっちが払わせていただきます!
愛する殿が私の夢を見ているなんて…可愛い過ぎか?
あまりの可愛さに身悶えしながらスマホを弄り続ける私。
気がつけば外が明るくなっていた……
あれ?
私の睡眠時間どこいった……あれ?