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∞32【アゾロVSエミル第一局面『二人の差』】

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 姉アゾロ。15歳と7ヶ月。

 ど田舎のさらに辺境ディオアンブラ村の大自然が育んだ野生児であり、父親であるディオアンブラ伯の武才を受け継ぐ『戦闘の天才』。

 『心の中で実際の経験や戦闘を何度でも追体験できる』という特殊スキル《無限チュートリアル》を持つ少女。《無限チュートリアル》を駆使して心の中で日常的にクマやイノシシと戦うことで、15歳にしてその戦歴は『300戦』を軽く越える。

 アゾロの肉体的な戦闘能力は『イノシシよりも強く、クマともギリギリ渡り合える』レベル。

 戦闘スタイルは『天衣無縫(てんいむほう)』。

 悪く言えば『行き当たりばったりなタイプ』。

 自らの才能やスキルの使い道に無頓着であるため、未だ『自分が何者であるか』を知らない。一人のちっぽけな少女である。



 弟エミル。5歳と2ヶ月。

 「姉アゾロを護れるくらい強くなりたい!」という純粋な想いを人知れず心の中に(いだ)き続けている男の子。おっとりとした母親から「まだ5歳だし、大自然(おソト)で一人で遊ぶのはまだ危ないから……」と言われて、石壁で囲われた実家の箱庭の中から出してもらえない箱入り息子でもある。

 しかし、この恐るべき5歳児は自らに与えられた不自由な環境をも『成長するための撥条(バネ)』に変えた。

 体力作りのために、実家の箱庭内で飼育している子豚と泥だらけで毎日遊び、箱庭を囲む分厚い石壁の上を毎日走り回り、身体を大きくするために大人用のカップで牛乳を毎日飲む。『どうすれば今よりもっと強く大きくなれるのか?』を5歳児なりに真剣に考えて、(たゆ)まず()まず毎日実践する『努力型の天才』。

 エミルの肉体的な戦闘能力は『子豚を護る母豚の本気タックルをいなせる』レベル。

 戦闘スタイルは『カウンタータイプ』。

 姉と同じく、未だ『自分が何者であるか』を知らない。一人のちっぽけな幼児(しょうねん)である。



 二人の生まれつきの才能(タレント)は互角。

 体術的な技術(テクニック)も二人とも我流レベルでほぼ互角。

 二人の大きな違いは『体格(サイズ)』である。


 アゾロ。身長約153センチ。体重約45キロ。

 エミル。身長約120センチ。体重約26キロ。

 技量が同等でこの体格差なら、普通に考えるならば弟エミルに勝機はない。


 ……しかし、この両者には体格以上に『大きな差』があった。そして『その差』こそが、もうすぐ始まる二人の真剣勝負を決する鍵となるだろう。




…To Be Continued.

⇒Next Episode.

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