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激闘!⑥

 明は<ドプラス>の中にテレポートした。

 薄暗い半球状の空間。かなり広い。壁や天井や床に外の風景が映し出されている。

「!」    

 空間の中心あたりで昆虫型の宇宙人達が少女をカプセルに入れようとしていた。

 少女は地球人のように見える。10歳くらいか。昆虫人は7人、緑色で身長は2m程だ。

《タスケテ》

 再びそう聞こえた気がした。昆虫人が銃のようなものを構える。  

 明は駆けながらエスパーガンを抜き、撃つ。

 出力は弱くしてある。昆虫人たちを戦闘不能にする。

 少女の許へ。

 明は少女の手を握り、再びテレポート・・

 その直後、<ドプラス>の艦橋は爆発に巻き込まれる。 

 数秒後<ドプラス>は大爆発を起こす。

 巨大な要塞は木っ端微塵に散る。

 オリオン大星雲に眩い光がひとつ輝き、消える。

「!」

 明はテレポートで<スペースインパルス>に戻った。

 艦載機の格納庫につづく通路に降り立つ。

 明に反応して消毒用ガスが噴射される。無色無害無臭だ。

 その光景はメインブリッジのサブモニターに映し出されていた。

 シャーロットが胸をなでおろす。「え?」よく見ると明は何かを抱いている。

 改めて明は少女を見る。

 赤髪の美少女だ。身体にフィットした継ぎ目のない水色の宇宙服を着ている。

 ナトウと看護師の医療用装甲兵が駆けつける。彼らに少女を託す。

 少女は気を失ったままだ。

 明はメインブリッジに戻る。

「はあはあ・・」

 肩で息をする明に流が近づく。明の胸ぐらをつかむ。

「命を粗末にするなと言ったはずだ!」



 戦いは終わった。

 <スペースインパルス>いや<銀河連合>にとって初めてのトスーゴとの大規模な戦闘だった。インパルスの死者は18名。ほとんどは即死だった。艦の損傷にしては少ないと言える。

 艦の損傷は激しく、オリオンステーションで応急修理を受けている。

 ニコライが指揮をとる。マーチンも走り回って大忙しだ。

 有人の<ドプラス>の破片は回収され、アランを中心に解析中だ。

 医務室。

 ようやく負傷者の処置を終えた麗子は「ふう」と息を吐く。

「(亡くなった人もいたらしい。私はうまくやれたのだろうか?)」

 その背中をバン!とたたかれる。看護師長のマリアンヌさんだ。正直痛い。

 その名に似つかわしくない巨体の女性だ。マーチンより太いかも。

「初めてにしては上出来よ。あなた筋がいいわ。肝もすわってるし。よろしくね」

「申し訳ございません。挨拶が後になりました。医療班に配属されました山岡麗子です。よろしくお願いいたします」

 麗子は深く頭を下げる。

「それに比べて・・」マリアンヌは新人医師のナトウを見る。

 ナトウはぐったり。

「野戦病院かER(救急救命室)並だ。きいてないよお」

「いえ、私は臨終に立ち会っていませんし・・」

「ますます気に入った。息子の嫁にどう?」麗子はまた背中を叩かれる。

 美理は先程まで手伝ってくれたが艦長に呼ばれてここにいない。

 麗子の視界にあの少女が入る。先程運ばれてきた少女。信じがたいが明が敵要塞から救出して来たらしい。綺麗な赤い髪。

 少女のバイタルは安定しているが、まだ意識が戻らない。

 検査技師がQにデータをわたす。

 データを見たQの表情が変わる。

「ちょっと頼む」

 Qは医務室を飛び出して行く。

 マリアンヌはおせんべいを食べながら、

「どうされたのかしら?・・そう言えばエスザレーヌ女史がいらしてるそうよ」


 <スペースインパルス>艦長室。

 美理はちらとエスザレーヌを見て「は、はじめまして、流美理です」

「よろしく。エスザレーヌです。・・憶えてないでしょうけど、あなたが赤ちゃんの時に会っているのよ」 

「え?そうなの?父さん(いくつなの?この人)」

 流がうなずく。

「まさか、こんなお偉いさんになるとは思わなかったよ」

 エスザレーヌは微笑む。30歳程にしか見えない。

その時ドクターQが部屋に飛び込んで来る。

「大変だ!流!あの少女は・・エレーヌさんと同じだった!!」

「!!」

 美理は持っているコップを落とす。


スペースマンは最初変身ヒーロー漫画でした。トスーゴ艦の名称はその頃の怪獣の名前です。

でも<ドプラス>は違います。艦の形である+(プラス)にド根性のドを付けて、ドプラス・・安直。


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