悪夢⑦
「スーペース!」
明は巨大ヒーロー・スペースマンに変身する。
右腕を前に伸ばし肘の部分に左手を縦にそえる。
「スペースビーム!」
左手から光線が発射。
巨大な怪獣が粉々に吹き飛ぶ。さらに母艦ドプラスに命中。
爆発するドプラス(ピアノ線付き)。
脱出カプセルで逃れた昆虫人が
「おのれスペースマンめ!覚えていろ!次こそは・・」
危機は去った。だがトスーゴの地球侵略はまだ始まったばかりなのだ。
がんばれ弓月明!戦えスペースマン! つづく
医務室。
「・・・」
明から話を聞いたドクターQは、
「明、前回はともかく、これはただの夢だ」あちゃー。
ヨキが手をあげ、「次、おいらの番」
ビキニを着た美理がうるうるした目で見つめる。
「私、本当はヨキくんのこと・・」
バニーガールの麗子が「ヨキくんは私のものよ。ぱふぱふしたげる」
話を聞いたQはちゃぶ台をひっくり返す。
「お前のもただの夢だ!このませガキ!うらやましいぞ!こっちは寝不足で気が立ってるんだ!」
ふたりは逃走する。
Qは椅子に座り直す。疲れていた。
やがてうとうとし始める。
戦場。
負傷者であふれかえる医療テント。爆音がとどろく中で懸命な救命処置がつづく。
「しっかりしろ!」
「先生。助けてくれ」
「いや死なせてくれ」
「殺してくれ。もう戦いたくない」
「先生!」 「先生!」 「先生」・・・
目が覚めたQは無言で立ち上がり、疲れて椅子で眠っている麗子とマリアンヌ師長にタオルケットをかける。
流とアランが来ていた。
「・・凄いよ。リアルすぎて夢と現実がゴッチャになったよ。夢は起きたらすぐに忘れるが、こいつは記憶に残る。過去のトラウマを突いて来るケースが最も多い。処方しているノンレム睡眠維持薬(夢を見ないように熟睡させる薬)は気休めにしかならん」
「やはりエスパーの仕業か」流がアランに尋ねる。
「おそらく。こちらの士気を低下させるのが目的でしょう。今の所はレム睡眠時だけですが、暗黒星の様に幻覚を見せる事も出来るのかもしれません」
観客であふれかえるコンサートホール。
アイドルの麗子と美理が舞台に立つ。もちろんフリフリスカート♡
「今日は来てくれてありがとー」
大歓声。
伴奏が始まる。
「・・・」
美理が「どうしたの?」
歌詞が出て来ない。
ブーイング。
ふと視線を感じ、下を見る。スカートの中を覗いているファン(明たち)。
「きゃあー!」叫んで目覚める麗子。
流らに気付き、真っ赤になり「失礼しました」
退室。(かわいい♡)
「アラン、何か対策はないのか?」流が尋ねる。
「小型のESPセンサーを製作しました。各人に配り、枕元に置いてもらいます。ESP攻撃があれば赤く点滅します。夢か敵の攻撃か分かるだけでもマシかもしれません。ESPを感知したらアラームを鳴らすことも出来ます。対ESPシールドを強めれば、ある程度の防御効果が期待出来ますが、艦内のエスパーに影響が出るかもしれません」
「よし。祭りをしよう」
「はあ?」
艦内ミクロ化シティ。
提灯に灯が燈り、夜店がいっぱい。人もいっぱい。
ロイとサライがたこ焼きをつまみながらブラブラする。
「すごいな。古い資料でしか見たことないぞ」
「うちには”原始人”がいるからな」明の提案でこうなった。
リックとガルムが太鼓を叩く。
シャーロットと望はスーパーボールすくい。
ヨキはヨーヨー釣りにトライ。
美理と麗子とリインは浴衣姿だ。三人で紙袋のベビーカステラをつまむ。
前から浴衣の男女が歩いて来る。金髪の男性と小柄な南国系女性。
「あ」思わず麗子は隠れる。
グレイとショーン夫妻だ。グレイとは乗艦してから会うのは初めてだった。
シャーンという音に驚き振り向くと、バンドの演奏が始まる。
ギターはニコライ。ベースはQ。ドラムは流艦長だ。渋すぎるおやじバンドである。
美理は思わず「上手い」と言っちゃう。あの厳格な父が、意外だった。
「また会えたね。これはもう運命だ」
美理が振り向くと麗子がナンパされていた。相手はオリオン星雲で言い寄って来たチャラ男・イグニスだ。
「君もきゃわいーねえ」美理にも迫る。
シュッ。何かがチャラ男の鼻先をかすめる。
ドラムスティックが木に突き刺さる。
「悪いな。手元がくるった」
流がガン付けながら歩いて来る。
「うわあああああ」
チャラ男が逃げる。敬礼する事は忘れていない。
「(ありがとう。おとうさん)」
「ふん」
流はスティックを木から引き抜き、演奏に戻る。
それをうっとり見ているクリス。
美理たちに望を預け、シャーロットもキーボードで参加する。四人でセッション。
もちろんこの祭りに参加できない者もいた。
マーチンは補修作業中。
「あーたこ焼き、りんご飴、チョコバナナ、焼きもろこし、ベビーカステラ、イカ焼き、わたあめ、焼きそば・・・食いてえ~」
「うるせーぞお前。よけいに腹へるじゃねーか」同僚に怒られる。
カンナがくすっと笑う。顔色が悪い。
全天観測室。
ボッケンはひとりで当番。
通信室。
リュウは亡くなった部下の家族へ連絡をとっていた。辛い役回りだ。
通信が繋がらない者にはコンドル隊控室で手紙を書く。
その姿を遠巻きに見ながらロミは機体の整備をする。
キークとミザールはシミュレーションに余念がない。
第一砲塔。
グエンはマニュアルと格闘中。
メインコンピューター”那由他”。
艦内にスパイがいるかもしれない?ESP反応のあった時間の艦内カメラ映像を那由他が解析中。アラン副長自らもモニターでリインの行動をチェック。ただ机の上にはゲットした水風船がある。
メインブリッジ。
明とピンニョは落ち着かない。もうすぐ交代時間なのだ。
不機嫌なサライがやって来る。
りんご飴を食べながら麗子が「そろそろかな?」
美理がうなずく(少し赤い)。
「あ、こっちこっち」
麗子が明とピンニョに手を振る。
「わ ♡ 」明は浴衣を見て驚く。一瞬にやける。
美理が「お疲れさま」
「行こう!お兄ちゃん」
リインが明の手をとり、祭りの中へ。
ド~ンとホログラフの花火があがる。




