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悪夢②

 <スペースインパルス>メインブリッジ。

「艦長。中性子星を下にして航行したいのですが」明が意見具申。

「よかろう。船体傾斜・右88度」

 姿勢制御ノズルを噴射。船体を右に傾ける。重力源を下にした方がしっくりくる。

 格納庫に到着したリュウは整備士よりヘルメットを受け取る。

 口紅で「バカ」と書かれている。黙って被る。

「スペースコンドル発進!」

 ロミの機体が飛び立つ。数十機の戦闘機が続く。

 リュウも愛機に飛び乗り、最後に出撃する。

 補充兵のキークとミザールはシンクロによる遠隔操縦で出撃している。

 <スペースコンドル>編隊はインパルスの周囲に展開する。

 第一砲塔。

 主任席に着いたリックは前方を見る。

「あのデカブツかよ」グエンから受け取ったヘルメットをかぶる。

 補充兵のグエンは第一砲塔に配属された。イグニスは第二砲塔だ。

「敵艦載機接近!」

 信じられないスピードだ。

「何だ?こいつは」

 そうつぶやいた<スペースコンドル>のパイロットは星屑と化す。

「は、速い!」メインレーダーのクリスの声も震える。

 小型機<ネーガー>が迫る。

「中性子星に気をつけろ!脱出できなくなるぞ!」

 リュウを先頭に<スペースコンドル>の半数が迎撃に向かう。

 接近する両者。 

 <スペースコンドル>対<ネーガー>。宙空戦―――

 ホーミングブラスター発射。

 <ネーガー>がかわす。自動追尾が追いつかない。

 後ろにつかれる。「なにっ」焦るミザール。

 敵機の機首が光る。荷粒子砲発射!

 一撃で<スペースコンドル>の機体は飛散する。

 <ネーガー>の旋回性能は<スペースコンドル>を凌駕していた。

「くそっ!」

 リュウは強烈なGに耐える。姿勢制御ノズルも噴射。

 敵機の後ろを取る。

 ビームバルカン発射!

 <ネーガー>を撃墜。だが・・

「何だ?この凄まじい爆発は・・」

 リュウはマイクに叫ぶ。

『近接戦闘は避けろ!敵機は強力な爆弾を搭載している!』

 すでに遅く、数機の<スペースコンドル>が自分の撃墜した敵機の爆発に巻き込まれる。

 キークはパニックっていた。後ろについた<ネーガー>を振り切れない。

 荷粒子砲が来た。避けれた。 流星に衝突。機体は大破する。

 双子たちは”フィードバック”で気を失っていた。

 コンドル隊の防衛線を突破した<ネーガー>はインパルスに迫る。

 インパルス近くに待機していたロミ達が迎撃に向かう。

『距離をとれ!単機で相手をするな!』

 コンドル編隊はミサイル・ホーミングブラスターを一斉発射。

 <ネーガー>は難なく避け、インパルスに襲いかかる。

「迎撃!ホーミングアロー一斉発射!」ロイが命令。

 ズドドドドドd・・・・・・・・

 インパルスから光の矢が放たれ<ネーガー>を追う。

 当たらない。かわした<ネーガー>は間髪入れず荷粒子砲を発射。

 それはインパルスのバリアーを貫通。船体に命中するが大した被害はない。

 が、バリアーが回復しない。目には見えないがビームが通り抜けた穴が開いたままだ。

 <ネーガー>がその穴を通って接近。そのまま体当たり。

 ドガアーーーン

「メインレーダー大破!」 

「サブレーダーに切り替えます」 

「修理班急行!」

「と、特攻?」誰かが言う。今も歴史で習うのであろうか?

「こんなもん特攻じゃねえ」思わず明の口から言葉が漏れる。

 麻美子の祖父は太平洋戦争の話をよくしてくれた。戦争の悲惨さは幼心に理解したつもりだ。だが今自分はその戦争をしている。

 二機目三機目が来る。

 明は操縦桿を引く。垂直上昇ノズルも噴射。

 上昇し<ネーガー>の体当たりをかわす。

 反撃。ホーミングアローが命中。飛散。

 <ネーガー>は一撃離脱する。そして旋回。再度向かって来る。

「あの急旋回急加速。無人機としか思えない。リモコンとしたら・・」アランの分析。

「チャージ完了。次元衝撃砲発射!」グレイがボタンを押す。

 緑の光がトスーゴ艦隊の目前に現れる。

 続けてワープミサイルが命中。

 約十隻のトスーゴ艦が爆発する。<ドプラス>にもいくつか命中する。

 しかし<ネーガー>の猛攻は止まらない。

「やはりコントロール源は・・」

「・・あのでかい奴か」

 グレイとニコライはメインパネルをにらむ。

 巨大な<ドプラス>の砲塔が回転を始める。

 発射。

「明!上へよけろ!」

「了解。垂直上昇!」

 <ドプラス>の回転砲は連射に優れ、連続したビームはまるでひとつの剣になる。

 避けられないと思われたビームが下に逸れる。

「!」

 中性子星の強力な重力の影響だ。もちろんこちらの攻撃も同様だ。

「こんなにズレる?」

 自動修正ターゲットスコープを覗きながらリックがつぶやく。

 主砲発射!

 一斉に放たれた主砲弾は放物線を描きながらトスーゴ艦隊へ。

 命中。数隻が爆発。<ドプラス>にも命中するが効果は薄い。 

 その間にも<ネーガー>は砲撃と突撃を繰り返す。

 荷粒子砲発射。

 ビームが直撃・・寸前で回避する。

「ウィングサーベル展開!明!ぶった切れ!」 

「レベル3。でやああああ」

 明は光の刃を振り回す。

 周囲にいた<ネーガー>十数機を撃墜する。だが・・

「しまった!」

 敵艦数隻を巻き込んで巨大な光が来る。<ドプラス>の回転砲だ。

 衝撃。

 ビームは上甲板を直撃。すぐにウィングサーベルで相殺するが、

「第三砲塔大破!第一砲塔旋回不能!第四砲塔動力停止!」被害甚大だ。

「現状・・前方上部は第二砲塔だけか?」ロイが尋ねる。 

「いや。真正面は撃てる」第一砲塔のリックが答える。 

 敵艦隊が迫る。約十隻が一斉にプラズマ砲発射。

 明は舵を操作し光の束を避ける。

 敵艦を真正面にとらえる瞬間。

「今だ!」リックがスイッチを押す。第一主砲発射。

 敵艦に命中。大破。

「やりい・・ん!な何だ?」

 二体の装甲兵が第一砲塔の修理作業を始める。

 うち一体を遠隔操作しているのは機関室のマーチンだ。

「メインレーダー応急修理完了。続けて第一砲塔の修理に入る」

「人使い荒いなあ。“シンクロ”嫌いなんだがな」文句言ってる。

 大破した第三砲塔ではナトウの医療用装甲兵が負傷者を救護している。

 そこへ<ネーガー>の荷粒子砲が命中する。

 負傷者と共に医療用装甲兵も吹き飛ばされる。

 医務室で遠隔操縦していたナトウは”フィードバック”の影響で気を失う。

「大丈夫ですか?」声がする。

「!!」

 意識を取り戻したナトウの前に麗子のアップ。

「しっかりしてください」目が綺麗。

 麗子はナトウの腕時計型端末をチェック。

「バイタルは異常ありません。少し休んでいてください」

「・・・」ナトウには”天使”に見えた。惚れてまうやろ。

 麗子は別の患者の所へ。ナトウは目で追う。

 全天観測室。

「!」

 ボッケンはその異変に気づく。マイクに叫ぶ。

『兄き!流星が向かって来る。上から一つ!左からも!』

「それだけじゃない。3・4・5・・10・・どんどん増える」

 明は声の主を見る。美理だ。

 明のボッケンへの言葉が気になり、美理はサブレーダーを駆使していた。

 インパルスの四方八方より流星群が迫っていた。


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