パミィ⑥
三か月が過ぎた。
パミィは咳ばらいをして「これまでよく頑張った。これより卒業試験を行う」
明とヨキは”気をつけ”して聞いている。
「地上に行き、この星をこんな環境に変えた”黄金龍”を退治してほしい」+
「黄金龍?」
「温室効果ガスを吐き出す生物兵器だ。遠い昔戦争のため作られたものが暴走し、この星はああなってしまった。金色の鱗に覆われた地球の東洋系ドラゴンに似た怪物じゃ。全長は100m。そいつを倒せ」
「地上は・・」
「気温は400℃、90気圧、バリアーなしでは即死じゃ」
「うへ~」
「銃の使用を許可する」
「!」
「行きは送ってやる。黄金龍を倒して戻って来い。なお君達が死んでも当局は一切関知しない。成功を祈る」+
「ちょっ・・」いきなり?
ふたりは地上に。
視界はほぼゼロ。バリアーを張っても暑い気がする。
「とっととやっつけて帰ろうぜ」
そうヨキは言うが、目標がどこにいるのかわから・・
「ギャアアアアーーーーンンンン」背後でけたたましい”音”。
それが黄金龍の鳴き声だと気づいた時には、”熱いもの”が発射されていた。
明とヨキはテレポートで避ける。
ふたりがいた地点に巨大な火柱が上がる。
離れた場所に逃れたふたりの上空を巨大な龍が優雅に飛行する。
「こいつが黄金龍か」確かに金色に輝いている。
≪ロボットかな?こいつ≫テレパシーで会話する。
≪わからん。ヨキ、例の能力で見てみろ≫
≪了解≫
修行の成果でヨキは待望の”透視能力”を手に入れた。(当然明はうらやましくて仕方ない)
ヨキの目が暗闇の猫のように光る。
≪ロボットじゃないけど金属生体兵器だ!≫どう違うのか??
「熱い(温室効果ガスを放出するだけでなく、こいつ自体が熱を発して温室効果を高めているのか)」
≪セオリーでは火には水だが、この環境で水は存在しない≫
≪どうする?≫
≪物理的攻撃を試してみる≫
明は近くにあった巨大な岩をサイコキネシスで持ち上げる。
ヨキは体力温存、隠れてESP回復を図る。バリアー張りながらのため効率悪い。
「行け―」岩を飛ばす。一つ二つ三つ四つ五つ・・・
岩が次々と黄金龍に命中する。
「ギャアアアアーーーーンンンン」
火の弾が発射される。怒らせただけだ。
「無理無理無理」ヨキは逃げ惑う。
明は銃を抜き、次々と火の弾を撃ち落とす。
銃を黄金龍に向ける。
この銃がどれだけのパワーを出せるのか?まだ試したことはない。
龍が口を開ける。火の弾を発射!
「いっけえー!」引き金を引く。
最大出力!光の弾丸が撃ち出される。反動で明は飛ばされる。
弾丸は龍の火の弾を粉砕、そのまま龍の頭部に命中。
カキン。跳ね返される。
「あれ?」
龍の巨大な尻尾が大地を砕く。
ヨキは明を連れてテレポートで逃れる。
「はあはあはあ・・」ヨキのESPは限界が近い。
「ありがとう。助かった」
ESPバリアーが破られたら一巻の終わりだ。
≪どうじゃ?楽しんでいただけてますか?≫テレパシー。
「師匠!」
「強すぎます!せめて攻略のヒントをください!」
≪ヒントはやれん。わしの好きな言葉を贈ろう≫
「・・・」
≪負けたと思うまで人間は負けない≫+
「え(それだけ)?」
黄金龍は火の弾を発射する。いくつもいくつも。
「考えろ!奴を手っ取り早く冷やすには」
数多の火の弾が来る。
「そうか!」
明たちは飛び退く。火の弾は大地に当たり爆発。
龍は巨大な口を開け迫り来る。
明は手をかざす。
次の瞬間、明は黄金龍と共に宇宙にいた。正確には衛星リリイに。
リリイ星は氷の星だ。
黄金龍は氷に閉じ込められる。目の光は消え、鱗は輝きを失う。
「やった・か?」
黄金龍の目が光る。再起動。
「ギャアアアアーーーーンンンン」
黄金龍が光り輝く。熱で氷が溶ける。水蒸気が噴き出す。
遅れてテレポートして来たヨキと共に明は両手をかざす。
サイコキネシス!
明は黄金龍を上から水面に押し付ける。ヨキは下から溶けた水を黄金龍に浴びせかける。
水蒸気が視界を遮る。黄金龍は暴れ、火の弾を吐く。
ふたりは避けつつも攻撃の手を緩めない。
水蒸気が薄れる。黄金龍が冷えている証拠だ。
明は右手で黄金龍を指さし、
「凍れ!」
黄金龍が凍りつく。
明は銃を抜き、黄金龍の眉間を狙う。
ドビュウ!
眉間に命中。ひびが広がる。
黄金龍は粉々に砕け散る。
帰還した明たちをパミィは抱きしめて、
「よくやった」
「これでラライ星は」
「あと2億匹倒したらな」
「!」
「あいつらはどんどん増殖するからな」
「2億・・」どっと疲れが出る。
「いい退治法思いついたな。使わせてもらう。ありがとう。・・これにて修行は終了じゃ」




