表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/43

パミィ⑤

「食事はどうしていたの?」美理が尋ねる。

修行開始から一か月が過ぎた。

持って来た食料は半月で尽き、あとは現地調達。

野生動物を捕まえて捌く。生きるために食う。

ただし武器は使わない。素手かESPというきまりだ。

あまり心は痛まなかった。俺たちよりも巨大な恐竜みたいな奴らばっかりだったから。

「なあ『ぱぱぱぱパミィ』と『ぴ~パミィ』とどっちがいい?」+

肉をほおばりながらパミィが訊く。

「何です?」

「ファンに掛けてもらう掛け声じゃよ。どっちがいい?」

「どっちと言われても」どっちもひっかかりそう。

「じゃあ『パミィふらっしゅ!』は?」+ もっとやばい。

「変なひと」美理がつぶやく。「でも何かいい」

「肉食恐竜のテールスープは結構いけた」

 美理はあまり食べたそうに見えない。

明たちのスペーススーツには自動洗浄機能がある。しかし身体はそうはいかない。

ESPでお湯沸かしてお風呂。

「う~♪」修行で疲れた身体には何よりうれしい。

 黙って美理は明の話に耳を傾ける。ただふたりの間には鉄格子があった。

「そうだ。パミィは昔流艦長に会ったらしい」

「え?父さんと?」

「艦長が若い時、ESPの修行に来たらしい」

「え・・でも父さんは」

「うん。艦長は”エスパーにしてくれ”とやって来たが、エスパーの素質はなかった。家事手伝いだけさせられたらしい」

 美理は笑いを堪えている。流艦長は若いころかなりやんちゃだったようで、武勇伝がいくつもある。

「パミィさんっていくつなの?」

「教えてくれなかった。エスザレーヌさんより年上なのは間違いない」

 美理はパミィの写真を見る。どう見ても子熊だ。


ある日パミィ師匠が言った。

「お前ら、欲しい能力はあるのか?」

「そりゃ・・」明とヨキは顔を見合わせ「透視能力です」

「やめとけ。世の中には見えない方がいいこともある。想像より胸が小さかったり、〇〇が✕✕だったり」途中からおかしな話になっている。

「・・・」

「そうか。じゃ会得してみるか」

取り出したのは黒い箱。

「さてさてさてさて♪ 箱の中身は何でしょう?」

「これ触って中身を当てるヤツですか?」

「触覚を鍛えてどうする。透視しろ」

明とヨキは箱を凝視する。

「見えましぇーん」

「やる気が出るように中身を教えてやろう。山岡麗子ちゃんの着替え生写真じゃ」

「!!」 「え?何で?」 

「念写した。流美理ちゃんを狙ったんだが、インパルスの”対ESPなんちゃら”はめちゃ強力でうまく出来んかった。ルリウスの麗子ちゃんは簡単だった」もはや犯罪である。

ここからルリウス星までは数千光年ある。本当なら凄いとしか言えない。

「ええの~麗子ちゃんかわいいのう。ええ身体からだしてまっせ~」

ふたりはがぜんやる気を出す。

「ん~~~~~~~~」

数時間が経過。

パミィが「もうやめんか?」飽きてる。

「もう少し・・」 

「あっ!」ヨキが叫ぶ。「服着てるじゃん」

「正解!」パミィは箱から写真を取り出す。

セーラー服の麗子。やっぱ綺麗だ。「着替え途中とは言うとらんぞ」

ヨキは透視能力をゲットした。明はだめ~。

「え?ヨキくん一言も言ってなかったよ」

 美理は無意識に手で胸を隠している。

「大丈夫。あとで話すけど、ヨキは非常時しか透視できない」


「む?」

 麗子は何か呼ばれたような気がして後ろを振り向く。

「どうしたの?」

「なんでもありません」

「そう。がんばったのね」

 シャーロットにそう言われたとたん、麗子の目から涙があふれ出す。声を出して泣く。

 驚くリインとピンニョ。つられて望も泣き出す。

「わー大変」


「サイコキネシスの次はテレポーテーションだ」明は続きを話す。

「短い距離からスタートだ。5m先に移動しろ」パミィの檄が飛ぶ。

そう言われて出来たら苦労しない。

「目で目標を凝視して意識を飛ばせ!」

「できましぇーん」

「まったく、お前はピンチにならんと力を発揮できんのか」

ドカッ! 崖からつき落とされる。

「わ――――――― 」

明はサイコキネシスで空中静止。

「ばかもん!使うのはテレポートじゃ」怒られた。

数日経過。

どうしても出来ない。疲れきった明は草原の上に大の字で寝ころぶ。

はるか上空、点になったピンニョが見える。

ピンニョは修行で長時間高速飛行する“マラソン”中。約3時間の全力飛行を終える。

一息入れた彼女を巨大な翼竜が下から襲う。

「!」明が気づく。「ピンニョ!」

次の瞬間。明はピンニョの元に移動した。

翼竜が巨大な口でふたりを飲み込む。

明はピンニョを手に包んだまま草原の上にいた。

キョトンとするピンニョ。

「できた」明はガッツポーズ。

次からはテレポートの距離を増やす事と精度を増す訓練だ。

そして俺たちは気づいた。

修行場所ここがキキイ星ではなくラライ星の地下だと言うことに。

「え?」美理が不思議がる。

ラライ星は空洞惑星だった。

俺たちがいるのは広大な地下空間。

温室ガスで覆われた灼熱地獄の地下に居住可能な空間が広がっていた。

分厚い地面で熱とガスから守られた世界。地上とは違う進化の結果、恐竜のような生物が闊歩する別世界。

パラルは地下への唯一の出入口だ。

空を飛べるピンニョはもっと前に気づいていたがパミィに口止めされていた。

元々地上に住んでいたラライ星人たちは(熱を出さず光るだけの)人工太陽を造り(移動せず夜は暗くなる)、地下に移住したが、環境になじめず、ほとんどがキキイ星に移った。

(防御のテストの時にテレポートで飛ばされたのは本物のキキイ星)

それがこの星の現状だ。


二ヶ月が過ぎ、修行はより実戦的なものになった。

サイコキネシスで属性じゃんけん。火<水、水<電、電<土、土<木、木<火といった属性の技を出して勝敗を競う。

「面白そう」部外者の美理は気楽だ。

サイコキネシスで家事。食事。掃除。洗濯。

テレポートによる鬼ごっこ。捕まったら負け。

テレパシーで指示を出して、目隠しした相手を誘導する。

テレパシーによるイメージトレーニング。

心を読む敵との戦い方。

お待ちかね。対ESPシールド破りの極意。

あらゆるESPを使っての格闘戦。明対ヨキ。明+ヨキ対パミィ。

etc.


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ