表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/43

パミィ③

パミィ師匠は地球の(宇宙暦499年の時点での)古い文献が大好き。

 + の付いているものは、文献の元ネタがあります。

翌朝。

パミィの家は万年雪を抱く山々に囲まれた盆地にあった。

「凄い風景だ(まるでヒマラヤ)」

空は雲に覆われていて太陽は見えない。山々は見えるのに。高度1万mより上に白い雲の層がある。最後まで雨は降らず晴れた日もなかった。

はるか上空を数羽の鳥が飛んでいる。

鳥?かなり距離があるのに、やけに大きい。あのフォルムは・・翼竜?

「ギャース」

振り返ると巨大な恐竜が二足歩行で駆けていく。

「・・・」

「ここでは気を抜くと食われるぞ」

こんな環境で昨日寝ていたのか。後で聞いたが家はESPバリアーで守られているらしい。

「いいか?強いエスパーに必要なのは心と技と体じゃ!」

「(どこかで聞いたような・・)」

「まずは”体”じゃ。走るぞ!」

先陣を切ってパミィが走り出す。

明とヨキがつづく。

二時間後。

「ぜーはーぜーはーぜーはー・・」

肩で息するパミィ師匠。

「・どうやら・体は・・できてる・ようじゃ・な・・ぜーはー・・」

「(リーチの差だと思うぞ)」パミィの身長は30㎝。

「ESPの力の源は”気”つまり”心”じゃ。そのコントロールはおいおい教えていく。次は”技”じゃ。え~とアギラ、テレパシーは使えるのか?」+

「アキラです。なんとか」

明はインパルスでロミから基礎としてテレパシーの使い方は教えてもらった。

「アキラはテツオより強いのか?」+

「はい?」意味不明。

「ふむ。テレパシーを通信手段と思うておるようだが、それだけではない。目であり耳であり声でもある。まあよかろう」

明がほっとしたのも束の間、

「では最初に覚えるのは防御じゃ。ESPでバリアーを張れ。やってみ」

バリアーはヨキの得意技だ。難なく出来るが、新米エスパーの明は出来ない。

「テレパシーで壁を作るイメージじゃ」

「・・・」

「防御さえ完璧ならば攻撃することはたやすい・・と地球の古い文献にある」+

「(知らないなあ。戦国時代の古文書か?もっと古い中国の兵法?)」

(注:↑パミィが読んだのは手塚治虫著「月と狼たち」です)

「目を閉じて深呼吸をしろ」

「すー・・はあ~・・・」

「自分の大切なものを思い浮かべろ」

「大切なもの?」

「恋人でも家族でも・エロ本でも、なんでもいい」

「・・・」

「やばい。エロ本が見つかるぞ!守れ!」それはいかん。

パッカーン。木の棒でどつかれる。「いってえ~」

「まだまだじゃな」

ヨキが「お前、地球でデコラスの攻撃を防いでたじゃないか」

「憶えていない」

「デコラスも<神の声>のゼーラも強かったのは防御力が高かったからじゃ」

「確かに」

明は息を深く吸い込み、ゆっくりと吐く。

「イメージ・・壁を作る」

「その壁で大切なものを守れ」

デコラスとの戦いを思い出す。先日の地球ではなく、もっと前、アクア星系で敗れた時のことを。美理を奪われた時のことを。

闇の中燃え上がる小型機。不敵に笑うデコラス。その周囲に浮かぶ無数の鉱石。

守りたいもの。それは後ろにいる美理。

無数のつぶてが来る。

「守り抜け!3・2・1・0!」+

ビシッ! パミィの棒が跳ね返る。

「出来たようじゃの」


 ふたりは鉄格子越しに話をする。

「一度覚えたらESPバリアーを張るのは容易たやすかった。あとはその強度と持続だ」

 明は差し入れのおせんべいをかじる。

「それで?」美理が尋ねる。

「さらに七日間の修行のあと、俺たちは”防御”の試験を受けた」

崖の上に立つ明とヨキとパミィ。

「これからお前らをいろんな所に送る。ESPバリアーが張れなければ命にかかわる所もあるから絶対に切らすな。わかったか?」

明とヨキはうなずく。

「じゃあ、バリアーを張れ!」

ふたりはESPバリアーを張る。

「グッドラック!」

ドン! パミィはサイコキネシスでふたりを崖から突き落とす。

「わあ――――――――――― 」

次の瞬間テレポート。

「!」

明はひとりジャングルの様な場所にいた。

ヨキとは別ルートのようだ。同時にふたりを別の所に移動させるとは。凄い技術だ。

巨大な蛇が明を一飲みする。バチッ。バリアーが明を守る。

再びテレポート。

火山の火口の中にいた。バリアーが無ければ即死だった。

次は-60℃。猛吹雪舞う氷の世界。

光の届かない深海。深度1万m。想像を絶する水圧が襲う。

「きゃあー」女湯(残念ながら猫)の中。

宇宙空間。

ラライ星。灼熱地獄。

「はあはあはあ・・」

明は元の崖の上にいた。仰向けに横たわる。

ぱちぱちぱち・・パミィが拍手する。

「はあはあ・・ヨキは?」3分間しかESPを使えないはず。

「大合格じゃ」

Vサインして立つヨキの姿を見て、明は胸をなでおろす。

「あいつはESPバリアーで強制テレポートされるのを防いだ」

「へ?」どっと疲れが出る。

「明、お前もよくやった。合格じゃ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ