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死刑宣告された男

作者: エドゴン

【1.序章】


藤堂「俺は藤堂。学生時代は友達もいなくいじめられ、孤立。会社員になってからは仕事が出来ず職を転々としていた。今は無職で仕事を探しているがなかなか仕事が見つからない。一人暮らしをしているアパートの家賃も払えない状況だ。家族も早くに他界し、気の許せる仲間もいない。完全孤立状態に陥っている。」


藤堂は自分の置かれている立場は自分ではなく他人が悪いと考えています。


藤堂「小学、中学では嫌がらせをされ、会社員になってからは無理難題の仕事をやらされた。許さん!許さんぞぉ。俺をよくもコケにしてくれたな。」


藤堂は怒りの感情に支配されました。


藤堂「そうだ、ふっふっふ。将来の希望に満ち溢れているガキどもを引き殺してやろう。カッカッカ。そうだな・・・小学生の登校時間を狙って児童の列に突っ込めばOKだな。」


藤堂は怒りに支配されいわゆる切れた状態です。今までの人生の恨みの念が藤堂を怒らせたのです。


藤堂「お金が残り少ないがレンタカーくらいは借りられるだろう。」


【2.レンタカーで児童の列に】


藤堂はレンタカーを借りました。破壊力のあるワゴン車を選びました。


藤堂「準備万端。あとは登校の時間を待つだけだ。」


藤堂は通学路で小学生が登校する時間を待ちました。30分くらい経過し、周りは小学生で溢れました。


藤堂「そろそろいいだろう。ふははははー。血塗られ劇場の開演だ!」


藤堂はワゴン車のアクセルを目一杯に踏み込みました。


ブオーン!!


ワゴン車が勢い良く飛び出しました。目の前は児童の列です。


ズッコーン!ががが、どおーん。


ワゴン車は児童の列に突っ込み、そのまま別の児童の列にも突っ込んで行き、最後は電信柱に衝突して停止をしました。


辺り一面、児童が倒れており、騒然としていました。


一部始終を見ていたおばさんが救急車と警察を呼びました。


藤堂「ついにやってやったぞ。カカカ。」


【3.逮捕】


しばらくして警察が到着し、藤堂は逮捕されました。


藤堂「俺は勝者だ。カカカ。」


警察「何を言っている。警察署で話を聞くからな。」


結局、23人の小学生が被害にあい、病院に搬送されました。医師の治療も虚しく亡くなった小学生もいました。


警官「さあ取り調べだ。今回は大変なことをしたな。なぜ事故を起こしたのかだが、何があったんだ?」


藤堂「俺をコケにした恨み、つらみを晴らしてやったのだ。」


警官「事故ではなく殺人だということか?」


藤堂「その通りだ。俺の完全勝利!カカカ。」


警官「殺人であれば極刑になるぞ。おそらく被害者は多数だからな。」


藤堂「わざと小学生の列に突っ込んだのだ。そしてひいた後も車を飛ばし、さらに次の列を狙った。」


取り調べは数日間続きました。


警官「今回の被害者は23人。死者18名、怪我人が5名となったぞ。」


藤堂「18人も死んだか。俺の人生を台無しにした報いだ。将来有望な小学生18人を道連れだ。カッカッカ。」


【4.余命】


警官「調べさせてもらったぞ。藤堂、お前は癌なんだってな。」


藤堂「見つかった時にはもう手遅れで余命は残り半年と言ったところだな。」


警官「だからと言って今回の小学生の列に突っ込んでも良いということにはならないぞ。」


藤堂「何を勘違いをしているんだ。余命が半年しかないからやってやったんだ。カッカッカ。早く裁判をして判決を聞きたいものだな。俺の完全勝利だ。」


そして裁判の日がやってきました。


傍聴席には被害者の両親などが座っていました。


裁判官「それでは裁判を始めます。被疑者はワゴン車で児童の列に突っ込みました。これは許される行為ではありません。」


検事と弁護士が弁論をしました。


裁判官「次に被疑者は何か言いたいことはあるか?」


藤堂「特にないね。死刑なんだろ。早く判決を言い渡せよ。俺は癌。痛くも痒くもないぜ。」


裁判官「なんとか命のあるうちに判決を言い渡せるようにしたいと思います。」


そして日が経ち・・・


【5.判決】


裁判官「判決を言い渡す。被告人は自分の余命が少ないことを利用し、小学生の列にワゴン車で突っ込み、さらに車を暴走させ、小学生を18人も殺すという殺人を犯しました。被告人に死刑を言い渡す。」


藤堂「けっ。俺の命はもう長くはない。死刑になったところで痛くも痒くもないんだよ。カッカッカ。俺の勝利だ!」


裁判官「仕方がないが、藤堂には治療を施し、なるべく延命をするようにしましょう。」


藤堂「死刑判決を受けたのに病院で生活ができるとはいい身分だな。」


そして、被害者の両親たちと弁護士は話し合いをしていました。


被害者の両親たち「納得ができません。私たちの子供は戻ってきません。慰謝料も取れないんですか?」


弁護士「仕方がないですが、犯人の藤堂もお金を持っていませんし、死刑になったとはいえ、余命があと1ヶ月くらいなのですぐに亡くなるでしょう。」


被害者の両親たち「そ、そんな。」


留置場では。


藤堂「カッカッカ。今日は病院への移送の日だ。俺の完全勝利!痛くも痒くもない死刑判決だったな。子供どもを道連れにできて気分はハッピーだ。俺を讃えろ」


警官「静かにしろ!ここは留置場だぞ。」


藤堂の不気味な笑いが留置場にこだました。

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