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考察


 さて、アイルの神託は基本的には自分か一番近くにいるやつのことを言うらしいので、俺は彼女と神託が降りてくるまで一緒にいることになった。


 まずは一緒にゴブリン狩りをして。

 俺がちょっとした怪我をしたら彼女がレッサーヒールで治してくれて。

 あらポーションいらずに助かるわ、なんて軽口を叩き。


 それも終わったので、とりあえず今後とも二人で仲良くやっていこうじゃないかということで二人で酒場へ行く。


 三杯目の酒を飲み、そろそろお開きにしないと今後が大変かもしれないと思う頃になって、アイルの神託が来た。


 彼女は神託の内容がランダムらしいことを気にしていたが、今回もドンピシャだ。

 おかげで俺のレベルアップまでに必要な経験値は、5であることがわかった。


 今日倒したゴブリンの数は9。

 それで以前と比べると必要な経験値が27減っている。

 つまりゴブリンを一匹倒して得られる経験値は、3ということがわかった。


 となると経験値っていうのは、言葉そのまま俺が戦闘を経験したことによって得られる値ということになるだろう。


 ゴブリンで3なら、他の魔物ならどうなるのか。

 このあたりは要検証だな。


 ってことは、あと一匹レベルアップするじゃないかということに気付き、気分がよくなった俺は更に酒を仰ぎ。

 朝になったら自分のお財布事情がかなり厳しいことに気付いたわけだ。


 さぁて、今日もお仕事頑張らなくっちゃなぁ。

 ああ、財布が軽いぜ……。




 今回はオーク狩りをすることにしてみた。

 稼ぎはとりあえずは二等分ということになったので、やはりある程度稼げる魔物を倒す必要があるからな。


 昨日同様草原にやってきた俺達は、森の中へ入りオークと相対することになった。


 以前と比べれば力は増しているが、あくまでも俺はタンク。

 何体もオークに集られると、さすがに自分のことに手一杯でアイルがやられかねない。


 なので慎重に一匹でいる個体を見つけてから、奇襲で倒した。

 側頭部にメイスを当てれば一撃だった。

 一対一なら、かなり楽に勝てるようになってきたな。


 そしたら久しぶりに天声が聞こえてくる。


 ステータスを確認してみる。



ステータス


チェンバー レベル4


HP 62/62

MP 1/1

攻撃 18

防御 20

素早さ 10


魔法

ライト



 相変わらずMPが全然上がらない。

 結局上がったのは最初の一回っきりだ。

 けれどそれ以外の値は順調に伸びているな。



「はえぇ、なんか光ってましたねぇ……あれがチェンバーさんのスキルの力ですか」


「ああ、ちなみになんか変な音とかは聞こえたりしなかったか?」


「えっ、新手ですか!? 私は気付きませんでしたけど……」


 そういって杖を持ちながらきょろきょろするアイル。

 どうやら彼女には、天声もレベルアップのファンファーレも聞こえてないらしい。


 だとすると、別に他の奴らと組んでも問題はないってことだな。

 ……いや、今のところアイル以外の誰かと組む気はないけどさ。


 俺達に奇跡的にシナジーがあっただけで、他の奴を入れたら、またバランスがどうだの実力がどうだのと言われかねないからな。


 まずは無理しないペースでやっていこうと思う。





 アイルの神託を受けるためには、下るまで彼女の近くにいる必要がある。


 なのでまだ出会って三日目だが、今日も今日とて俺達は酒場で三度目の酒を酌み交わしていた。


 このままだと、神託が来るまでに酒を飲むという流れができてしまうかもしれない。


 ……まあ、それも悪くはないか。

 かわいい女の子と酒を飲むのを嫌がる男など、この世界には存在しないのだ。


 ちなみにアイルは、酒は全然強くない。

 俺とどっこいどっこいくらいの強さなんだが、彼女は結構酒好きになりそうな気配がある。


 今まで一滴も飲まなかった分、酒の魔力にハマっているのかもしれないな。


 ほら、俺みたいな一般家庭だと、割と父親にエール舐めてみろとか言われるから、最低限の耐性はあるし。


 まあ今考えるとダサいんだけど、酒を飲めるのがカッコいいと思って未成年飲酒とかしてた時期もあるしな。


「えへへ、飲んでますかぁ、チンバーさん」


「チェンバーだ。アイル、それくらいにしとけよ。既に呂律が回ってないくらい酔ってるぞ、お前」


「私はぁ……酔ってませんっ!」


 何故かビシッと敬礼をしながらキメ顔をするアイル。

 酔っ払いは皆そう言うんだよ……何故か自分が酔っていることを認めたがらないんだ。


「チェンバーのレベルアップに必要な経験値はあと130です」


 お、神託が出た。

 神託が出る瞬間は、何故かすごい滑舌がよくなるんだな。

 また意味のない、新たな発見をしてしまったぞ。


 俺はメモを取り出し、130と書き付ける。

 今日倒した魔物と、昨日レベルアップしてからの経験値から逆算すると……。


「今回必要な経験値は160……倍々ゲームになってるわけか」


 一応昨日家に帰ってから、ここ最近の倒した魔物の数をざっくりと思い返してみた。


 そして恐らくレベルが1から2に上がる経験値がオーク四匹分。

 2から3に上がったのはオークを更に十匹いかないくらい倒した時だったから、恐らく必要な経験値は40~50。

 そして3から4に上がるのに必要なのは80前後だった。


 今回はレベルアップしてから、オークを6匹倒して、残りが130。

 となるとオーク1匹の経験値は5で、レベルアップまでに必要な経験値は160ということになりそうだ。


 レベルアップに必要な経験値は、今のところ倍々になっている。

 次は320、640……という風になっていくんだろうか。

 それを繰り返していると、もうレベルアップなんてしようもないくらい大量の経験値が必要になりそうな気もするな。

 まあ、そうなったらその時に考えよう。


 でも残り130か……単純計算でオークを二十六匹。

 うん、これはできない量じゃない。


 まずはレベルを5まで上げてみるか。

 考えるのはそこからでいいな。


「あれぇ、チェンバーさんが三人いるぅ」


「ベロベロだぞ、アイル。宿まで送ってやるから、吐くならその後にしてくれよな」


「えへへ、大丈夫吐きまおろろろろろ」


「あんぎゃああああああああああっ!!」



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