第23話 リュウ2:ハーレム王にオレはなる!
仲間候補、一人目への連絡です。
さて、仲間となるべき転生者様たちへの連絡、最初はリュウ様ですね。
……リュウ様とは、どなたでしたっけ?
まあ、念話をかければわかりますか。
「もしもし、こちらナーロッバ転生者コールセンター、担当のカノンです。リュウ様、少々念話してもよろしいでしょうか?」
画面には、牧歌的な馬牧場が映っています。画面中央には、メス馬相手に種付け業務に励む白馬が。ああ、リュウ様とは、馬ハーレム男の馬並みさんでしたか!
私の記憶によれば確か、馬に転生してメス馬ハーレムになって不満顔でしたが、認識をいじってメス馬が美少女に見えるようにしてさし上げたら、ヒャッハーして種付け業務によろこんで励むようになった、頭が単純な方のはずです。
「あん? おお、カノンじゃねえか。久しぶりだな。おめーも混ざるか?」
「いえ、仕事中ですので。ところで、良いお知らせと悪いお知らせと、どちらか判断に迷うお知らせがあるのですが」
「そりゃ良い知らせから聞くに決まってるだろ。さっさと話せ」
「承知いたしました。実は、創造神より、リュウ様に新しいチート能力を与えるように命じられました」
「オレは、ウマい話には裏があると身に染みてるんでな、どうせろくでもない条件が付いてくるんだろ?」
「そうですね、能力を与える条件として、魔王討伐への参加が命じられております」
「けっ、どうせそんなこったろうと思ったぜ。嫌なこった。オレは今のこの生活に満足しているんでな。魔王討伐なんぞ真っ平ごめんこうむるぜ」
「そうですか……。現状の生活に御不満は無いんですね?」
「無いな。なぜかメスどもが、いつも全裸の四つん這いでケツを振りながら、ファッ○サインみたいに中指を立てて、指一本で歩いてるのが気になるぐらいだ。全く変な奴らだぜ。まあなぜか俺も同じ格好なんだがな」
ああ、馬の蹄って、中指が変化したものですからね。認識をいじってメス馬が人間の美少女に見えるようにしましたが、姿勢までは認識が変わらなかったようです。
なぜか、自分が馬の姿だということには疑問を抱かないようですが。
まあ本人が現状で満足しているなら、このままにしましょう。ボケ老神的にも、別にこの人は居なくても良いと言っていましたので。
「承知いたしました。ちなみに、悪いお知らせが残っているんですが、お聞きになりますか?」
「あン? 魔王討伐が悪い知らせじゃないのか?」
「それはどっちでもないお知らせです。実は、リュウ様はあと数日で屠殺処分の上、桜肉になります」
「とさつ? さくら? なんだそれ?」
「簡単に言えば、ぶっ殺された上に肉にされて食われます」
「なんだと!? どこのドイツだ、そんなクレイジーなことをするのは!」
「牧場主です。リュウ様が種付けしまくったおかげで、近隣の牧場でリュウ様の血が濃くなりすぎたのと、そろそろ年齢が高くなってきたので、若いオスと入れ替えにするとかなんとか」
「ざっけんじゃねえ! どうにかしやがれ!」
「その辺は、管轄が違いますので、いかんともしがたいですね」
牧場主に神託を下ろして、老馬を殺さないように言ったところで、じきに寿命で死にますし。
「……分かった。まおー討伐とやらに行けばいいんだろ? それで手を打とうじゃねえか。何とかしろ」
「承知いたしました」
とはいうものの、馬並みさんはメス馬相手の種付け業務しかしていないので、ぜんぜん世界に貢献していません。当然チート能力ポイントも溜まっていないので、人化能力などは夢のまた夢です。どうしたものですかね……。
「とりあえず、少し若返らせて、持久力と筋力を少し上げておきますね。無事魔王討伐を果たした暁には、多量の貢献ポイントで、本当のハーレムを作るのも夢ではないと思いますよ」
「よくわからんが、要するに、オレが魔王を蹴り飛ばせはいいんだな?」
「まあそんな感じです」
実際には、荷物持ちが主な役割なんですが。
モンスターにビビらない馬というだけで、貴重な存在ですからね。
「おっしゃ! 魔王を蹴り飛ばして、ハーレム王にオレはなる! 首を洗って待っていろ、魔王!」
「それでは、王城から連絡がいくまでお待ちください」
一人目の仲間からこの有様ですか。
さてはて、どうなりますことやら。
参考文献「ウマは1本の指で立っている くらべる骨格 動物図鑑」川崎悟司著




