第2章 再会…?
注意:私は小説初心者です。
あとがき見てくださると嬉しいです。
彼女は、死んだ。
そう、思っていた。
でも、でも、彼女が目の前にいるんだからーー
「ステラ…!?」
辺りが、炎に包まれだんだんと危険になってきた。
だが。
動悸がする。目眩もする。
どうしたら、いいーー?
「そこのあなた!!早く逃げてください!」
突然彼女がそう言って、目が覚めた。
「え、あ、は、はい…」
少し混乱する。
「あの化け物は私が相手をします。早く逃げてください!」
そう、彼女は言った。
淡々と。
そう。淡々と。
何かおかしい。
いくら彼女が上に居るからって、自分のことに気づかないだろうか?
この距離なら顔も十分視認できるし、声もよく聞こえる。
彼女が気づかない訳がない。
じゃあ、それが表すのはただ一つ。
「ステラじゃ…ない?」
僕はそう、呟いた。
夜が開けてきたころ、、僕は一時的避難地区にしていされた西地区に逃げてきた。
東地区は相変わらず炎に包まれ、煙が渦巻いている。
そして、戦闘音も聞こえる。
辺りの住人が、恐怖の音を上げ、兵士に当たりどころのない不安をぶつけていた。
それに対し、兵士は、
「今は他の兵が足止めをしています!王都騎士団が来るまでお待ちください!」
と叫んでいた。
一時的な避難所であるから、不安なのはわかるが…
そんなことを考え、子どもを抱えながら歩いていたら、
「坊っちゃん!無事でしたか!」
「…!アランさん!」
アランさんと会った。
アランさんは、何故か汗だくだった。
…いや、この人のことだから何か人のために、動いていたのだろう。
そんなことを思っていたら、
「その子どもは?」
と聞いてきた。
「東地区で迷子になっていた子どもです。」
「…なるほど、親と別れてしまったのでしょうか?」
「多分…」
などと会話を交わしていたら、
「カエルム!カエルム!」
と、遠くから近づいてくる女性の声が聞こえた。
なるほど、きっとこの子の母親だろう。
「ありがとうございます!この子を守っていただいて…」
母親が息を切らしながらそう言ったので、
「いえ、礼には及びません。」
と、謙虚に返事をする。
「会えてよかったです」
「ええ…本当に」
「やはり、家族は一緒の方がいいですから」
「はい…ありがとうございます!」
母親と会話したあとこの子…カエルム君にも目を向けて、
「お母さんと会えて良かったな」
「うん!お兄ちゃんも守ってくれてありがとう!」
「ああ、気にするな」
「でも、次からはお母さんから離れちゃだめたぞ!」
「うん!ありがとう!」
という会話をした。
そしてその後少し話し、親子と別れた。
「いやぁ、人助けとは感心感心。坊っちゃん偉いですぞ!」
「止めてください…」
少し照れながら、アランさんと話す。
「それにしても、東地区は大丈夫でしたか?」
「ええ、一応」
「一体今はどうなっているのでしょうか?」
という疑問を提示する。
それに対し、
「あの化け物は、ある女の子が相手をしているんです…」
「女の子…?」
女の子…ステラとそっくりな少女を思い浮かべながら、情報を共有する。
「しかし、化け物と相手取ろうとするとは…何者なんでしょうか?」
そんな疑問を、アランさんにぶつける。
すると、
「考えられるのは、王都騎士団ですな…」
王都騎士団…王都ロキを守る、国の精鋭部隊だ。
しかし、王都騎士団だとしたら、ある疑問が残る。
「じゃあなぜ、こんなに来るのが早かったんでしょうか?」
そう。
早すぎるのだ。
騒ぎが起きてから、数分しかたっていないのに、彼女はここに来た。
流石の王都騎士団でも、騒ぎが起きて伝達されるまでにかなりの時間はがあるから、数分の時間というのは早すぎる。
そんな中、一つの可能性が頭を過る。
考えられる可能性としてーー
そこで。
「あの化け物は倒れました!」
と、高台の方で声が聞こえた。
はっとする。
あの子の声だ。
そんなことを聞き、辺りは倒したことに対する歓喜の声、疑問の声、様々な声が湧いていた。
「あ、あんたは一体何者だ!?」
そんな中、一人の男が民衆を代表して声を上げる。
そして、女の子はすこし震えた声で、こう言った。
「私は…私は」
「『フィアナ騎士団』です」
『フィアナ騎士団』…?
知らない単語に疑問を浮かべていたら、あたりに異変が起きていることに気づく。
人々の雰囲気が変わった。
突然静まり返り、誰もが険しい顔をしていた。
何か、まるで怒っているような。
そんなことを考えていた刹那ーー
「『フィアナ騎士団』だと!?あの反乱軍どもめ!」
「『楽園』たる王都を侵す、反逆者どもめ!」
一瞬で、空気が変わった。
周囲が明らかに彼女に対し、怒りを向けている。
彼女に対し、石を投げつける者もいた。
辺りをこれほどまでに立たせる存在。
『フィアナ騎士団』…それは一体…?
気になり、隣にいるアランさんに声をかけた。
「ア、アランさん、『フィアナ騎士団』って…なんですか?」
「坊っちゃん、ご存知ないので?」
「は、はい…」
孤児院にいたころは、世界のことに興味を向けなくても生きていけていたので、あまり気にしていなかった。
詰まるところ、世間知らずということだ。
「『フィアナ騎士団』は、首領フィンを中心とした、王都へ対する反乱軍…」
「王都に歯向かう、危険分子です」
王都へ歯向かう…?
先ほど聞こえたように、王都は『楽園』と呼ばれるほど、人々が幸せに暮らす場所だ。
なぜ、反乱軍が…?
そんな疑問が頭に浮かぶ。
…いや、ただそんなことどうでもいい。
今考えるべきことはそんなことじゃない。
僕は感情に任せ、前進する。
「坊っちゃん?」
というアランさんの声が聞こえるが、気にせず人を掻き、前へ進む。
彼女の方を見ても、彼女はうつむいたまま、何も言わない。
だから、僕が思ったことを口にした。
誰にでも聞こえる、大きな声で。
「どうして、いの一番に、彼女に感謝しない!?」
僕は、怒っていた。
理由は簡単。
「彼女が王都を脅かす危険分子だとしても、この街を救ったのは事実だ!
「彼女がいなければ、お前たちは死んでいたかもしれないんだぞ!」
「坊っちゃん…」
そう、いい放った。
確かに彼女が所属するその『フィアナ騎士団』は、悪いやつらなのかもしれない。
だが、彼女はそれを顧みず、この街を救うことを決断したのだ。
そんな彼女に対しすべきことは、「感謝」すべきこと。
軽蔑することよりも先にすることがある。
それが人として、当たり前のことだから。
そう、民衆に訴えた。
自分の言葉を聞いて、しばらく民衆は黙りこくっていた。
今、自分がどうしたらいいのか、それが頭のなかで混乱しているのだろう。
その状況が続いていたら、ある人がその沈黙を破った。
「お姉ちゃん、ありがとう!」
子どもの声がした。
この声は。
カエルム君だ。
彼が真っ先に、そう言った。
民衆は彼を見た後、みんなで頷きあった。
そうして、ぽつぽつと人々が彼女に感謝をし始めた。
その後、兵士達が民衆を先導する。
仮説テントがどうのこうのなどを話している。
耳を済ますと、東地区はやはり甚大な被害が出たそうだ。
とりあえず復興までに、仮説テント等を使うという話だ。
この街の人も強いな、と思いつつ、そろそろ自分も次の街に行こうと考えていた時だった。
「あ、ありがとうございます!」
彼女…ステラそっくりの少女がそう声をかけてきた。
「いいえ、先ほどのお返しです。」
「先ほど…?ああ!東地区でお会いしましたね!」
そう言って、納得したような表情をする。
…やはり、彼女は僕のことを知らないようだ。
それはつまり、ステラではないということ…
そう思うと、少し泣きそうになる。
「どうしましたか?」
彼女がそう聞いてくる。
泣きそうだけど、ちょっと強がる。
「いいえ、なんでもないです」
「そ、そうですか?」
「はい」
そんな、他愛のない会話をする。
少しの沈黙が辺りを包む。
気、気まずい…
「あの、名前を教えていただけますか?」
突然沈黙を破ってきてびっくりして、
「え、は、はい?」
と、変な声がでてしまう。
「な、名前ですか?」
「はい、是非教えてくれませんか?」
「そうですね…僕の名前は」
「ルナと、いいます」
「ルナさん…可愛い名前ですね」
「それ…誉めてますか?」
「あなた、名前はなんていうの?」
甦る記憶。
初めてステラと会った、あの日。
「ルナ…」
「ルナっていうの?可愛い名前!女の子みたい!」
「それ、誉めてる…?」
あの日の記憶が脳裏を過る。
同じ会話を繰り広げていて、思い出してしまった。
ただ…彼女はステラじゃない。
いくらそっくりだからと言って、重ね合わせるのは彼女に対する冒涜だ。
「…?あらためて、今回は助けてくれて、ありがとうございます。」
「いいえ。大丈夫です。」
「僕は、もうこの街を出ます。あなたは?」
「私は、騎士団の拠点に戻ろうと思います。」
騎士団…フィアナ騎士団のことだろう。
そんなことを考えていたら、
「おっと…そろそろ私は行かなくちゃ」
と、彼女が言ったので、
「では、また」
「ええ、また」
と、別れの言葉を言った。
そうして、彼女はこの街を出ていった。
「…あ、名前聞き忘れた…」
街を出ていった後、思い出すのだったーー
彼女と別れた後…
さて、僕もそろそろ街から出る準備をしなくては。
一度宿に戻って、荷物を纏める。
そして、宿を出てあるところに向かう。
「おお、坊っちゃん!」
「アランさん!」
そう、交易港だ。
アランさんに、別れの挨拶をいいに来た。
「もう、街を出るんですね」
「ええ、お世話になりました。」
「ここから王都までまだまだあります。気をつけて行ってきてくださいね。」
「ありがとうございます。」
最後まで心配してくれるアランさんに感謝しつつ、街の門に向かう。
この街でいろいろあったが、一生忘れることはないだろう。
そしてなにより、あの少女。
ステラにそっくり、まるで生き写しのような彼女のことは、忘れない。
また会えそう…そんな予感がする。
そんなことを考えつつ、門をくぐった。
ーー「ルナ」
彼の名前はそう言った。
紫掛かった黒い髪、碧い瞳。
そして何より、心優しい少年だった。
また会えるかな?
…いや、また会う気がする。
そう思いながら、拠点へと帰るのだった。
ご精読ありがとうございます。
「この世界に、夜明けの炎を」第2話、いかがでしたか?
まさかの再会…かと思いきや、まさかの別人。世の中には同じ顔の人が3人いると言いますし、そんなところでしょうか。
これからも投稿し続けるので、是非感想などを書いてくださると、よりよく作れるようになります。よろしくお願いいたします。




