第1章 第3話 癒しのコーヒー
お久しぶりです、久々の更新です。
半年も間を開けてしまって申し訳ない…
読んでくださると嬉しいです!
「ほう?妖か。それは嬉しいこと。では用意するとしよう」
「店長!?」
いつの間にか白がカウンターに立っていた。さっきはいなかったのに。時々気配を消しているので驚かされる。
「舞。ちゃんとおつかいはできたかい?」
「もちろんです。今まで失敗したことなんてありませんよね?子供扱いしないでください」
私は少し怒ってみせる。白は愉快そうに笑っているだけだ。これくらいのお使い出来なきゃアルバイトとして名が廃る。
「それでお客様。ご希望は?」
「コーヒーはオススメのものをお願いしますわ。あと、ショートケーキなるものをひとつ」
「かしこまりました」
そう返して厨房に戻る。基本的にコーヒーとスイーツは白が作る。その時に癒しの力を注ぐのだ(と白が言っていた)。
鈴さんはそのサポートと接客。私は主に接客である。接客をしようと黒蝶へ向き合う。一瞬黒蝶の雰囲気が淀んでいるように見えた。
「娘。お前はあの白狐の何なのだ?」
え?
いきなり喋ったと思ったらまさかそんな質問が飛んでくるとは思ってもみなかった。というか、言葉遣いがさっきとまるで違う。色々な意味で驚きすぎて言葉が出ない。
「あの白狐は神であろう?お前は人じゃ。あの従業員も人ではなかろう。神は人に崇められる高貴な存在のはすだが」
黒蝶がじっと見つめてくる。確かにその通りである。白は神で鈴も人ではなく妖の部類に入るのだろう。私は黙って俯くしかなかった。
「それとも」
何か嫌な予感が、
「お前は白狐の餌か?」
え、さ?
「そんなわけなかろう。舞は儂の許嫁じゃ」
頭の上にポンポンと温かい感触。そこにはショートケーキを作り終えた白の姿があった。黒蝶の前にはコーヒーとショートケーキが置いてあった。コーヒーのいい香りで店内が満たされる。
ショートケーキはトッピングとして苺と星型のチョコが乗っている。なんてオシャレな。白は笑顔で接客する。
「それよりお客様。コーヒーは温かいうちに飲まれた方が美味しいですよ。」
「おぉ、待っておったぞ!」
黒蝶は目を輝かせながらコーヒーに魅入っている。黒蝶はブラック派なのかミルクも砂糖も入れていない。
「舞も飲むか?」
「えっ、でもまだバイト中…」
「休憩だ休憩」
そう言ってコーヒーを差し出してくれた。ここはお言葉に甘えさせてもらおう。休憩中のコーヒーは格別に美味しかった。
更新頻度は落ちますが、よろしくお願いします。