第1章 第2話 黒い蝶のお客様
2話です!
前話からめちゃくちゃ時間経ってて申し訳ない…
喫茶店は白の結界によって守られている。
害を及ぼさないものは受け入れるが、害があるものは店の存在自体を相手に見えないようにしている。
白が店内から出るのは妖が眠りにつく頃、つまり朝と昼しか外出出来ないのだ。
この時間帯は妖も活動的になり始めるので喫茶店から離れられない。
だから私が買い出しに行くのだ。
…隣に白の使い魔である白猫もいるが。
私のそばをトコトコ歩いている。可愛いと思ったが白の使い魔なので言わないことにした。
家のそばの桜が散っている。
というのも今は4月の半ばだ。普通なら桜は散り終わって葉桜になっているはずなのだが、この桜は一年中咲いているのだ。
(相変わらず不思議な桜…)
不思議に思いながらも商店街に向けて歩みを進めて行った。
商店街は家から徒歩5分程度で着く。昔ながらの商店街なのだがまだまだ活気がある。特に隣合っている魚屋と八百屋は今日も声で張り合っている。
「いらっしゃぁーい!」
「らっしゃい!」
元気そうだ。
苺は八百屋にも売ってあるのだが、他にも牛乳と砂糖が必要なので今回はスーパーを利用する。
「舞ちゃん、こんにちは」
スーパーへ向けて歩いていると時計屋のおばあさんに声をかけられた。
「あっ、時計屋さん。いつもお世話になっております」
「今日も元気そうだねぇ。それよりおつかいかい?」
「はい。今日は喫茶店の買い物なんですけど夕飯の材料も買って帰ろうかなと」
「舞ちゃん家のコーヒーは美味しいからねぇ。なんというか、癒されるね」
「ありがとうございます!」
時計屋のおばあさんは喫茶店の常連客なのである。
12時くらいに来るそうなのでなかなか会えない。
おばあさんと別れて無事買い物を済ませるとだんだん暗くなってきていた。帰路を急いでいると店の前に何かが集まっている。
「…蝶?」
黒い蝶が5匹程ドアの前にいるのだ。
ドアが開けられないのかと思いドアを開けて入店を促す。
ヒラヒラと店内に入っていった。
「おかえりなさい、舞ちゃん。あら、お客様?」
「はい、ドアの前で困ってらっしゃったようなので…」
「さっきは困っていたところを助けていただきありがとうございます。私、黒蝶と申します。早速ですけどコーヒーを1杯いただけます?ここのコーヒーは癒しの効力があるらしいので楽しみにしてましたの!」
黒い蝶はしばらく店内をヒラヒラ舞っていたがいつの間にか人に姿を変えていた。黒い長髪に紫のワンピースがミステリアスさを主張している。少し見とれていまい瞬きを忘れていた。
3話は明日投稿します!
お読みいただきありがとうございました!