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だから僕らは夢を見る  作者: チェダー
8/10

確信

目を通していただければ幸いです。

最近、急に寒くなったので皆様も体調管理には気をつけてください。

 真が家に着くとリビングで小説の執筆中だった。

「はぁ、はぁ、いい感じよ。 この調子でココはこうで、次は……。」

 自分の小説の中に飲み込まれていたようだ。

 完全に一人の世界を創り出していた。

 その様子は今まで何度も目にしてきた。 同時に痛い目もみてきた。

 気付かなかったフリをして二階に上がろうとするも時すでに遅し、いつの間にか目の前に朱音が立っていた。

「お兄ちゃん、その袋、頂戴。」

 一見、穏やかな口調だが目が笑っていない。

「……はいよ。」

 言われるがまま昼食が入った袋を渡すと、朱音はその袋を丁寧にテーブルに置き、真の側に寄ってきた。

「い、一応言っておくが、お、俺は何にも見てないぞ?」

「それは見たって言ってるようなもんなんだよ! クソ兄貴!」

 その一秒後、またしても正拳突きを浴びる羽目になった真であった。

「ごぼぁ⁉︎」

 

 気がつくと仰向けの状態でリビングの天井を見上げていた。 腹には鈍痛が残っていた。

 すぐ側には朱音がテレビを見ながら酢豚を食べている。

「あっ、お兄ちゃん、起きた?」

 こんな目に合わせた張本人がまっるで他人事のように聞いてくる。

「ん。 最悪の目覚めだけどな。」

 意識がハッキリと戻り、掛け時計を見ると十二時を示していた。

「ゴメンて。 少し当たりどころが悪かったみたいだね。」

「いや、そういうことじゃなくてだな。 朱音。 お前にはすぐ手が出る悪い癖がある。 それを直せと今まで俺は何度言ったか数え切れんぞ。」

 そう言いながら餃子と天津飯に手をつけ始める。

「いいじゃん別に加減はしてるし家族なんだから。 それにお兄ちゃんにしかやらないし。」

「みんなには出来るのに、どうして俺にだけ我慢出来ないんだよお前は。」

 その言葉のキャッチボールはそこで終わってしまった。

「ご馳走さま。」

 律儀に自分の使った食器などを台所へ下げ、朱音はパソコンを持って自室へと戻っていった。


 真も昼食を食べ終え自室に戻る。

 そして白石との待ち合わせに遅れないよう支度をする。

 支度といっても、オシャレに毛ほどの興味もない真にとっては服選びをするくらいなのだが……。

「まぁ、これが妥当だろう。」

 そういった真の服装は白シャツに紺のサマージャケット、黒のデニムにスニーカーとシンプルなものになった。

「一応、確認しておくか。」

 いまいち自分の感性に自信がない真は現役女子中学生である朱音にアドバイスをもらうことにした。

トントンと妹の部屋を優しくノックし尋ねる。

「朱音ー。 ちょっといいか?」

 するとすぐに部屋から朱音が出てきた。

「どうしたの。 何か用?」

「あーいや、用って程じゃないんだけど。 この服装どう思う?」

 数秒、考えてから放たれた言葉は真の期待通りの言葉だった。

「……普通。」

「そ、そうか。 ありがとう。」

「待ってお兄ちゃん。 そんな格好してもしかして……デート?」

 突然、朱音の様子が不機嫌になった気がした。

「デート?  違う違うそんなんじゃないよ!」

「じゃあ、何なのよ。 お兄ちゃんがそんな格好するんなんて不自然よ。」

「お、俺だって多少なりとも気にかけてるんだぞ。」

「ふーん。 で?」

「だから、ちょっと〈らんぷ〉で待ち合わせをしてるだけだって。」

「へー、その相手って一樹君?」


 妹の言う一樹とは真と同い年で親友の志賀一樹のことである。

 一樹は現在、柔道部に所属しており、高校一年にしてレギュラー争いに混じるほどの実力者だ。


「違うよ、朱音は知らない人だよ。」

「何それ、めずらしー。 その相手ってもしかして女?」

「そうだよ。 それが何か?」

 妹に言われたのはシャクだが本当に珍しいことなので少し威張ってみせる。

「それをデートっていうのよ!」

「だから違うって!」

「もういい! 勝手にすれば! クソ兄貴!」

 と言い放ち、ドアを乱暴に閉め自室に篭ってしまった。

「ああ、じゃあ言ってくる。」


 後味は悪かったが、予定に送れるといけない。

 そう思い、やや早めに家を出る真であった。

これから投稿頻度を上げていくつもりです。

皆様のご意見・ご感想お待ちしております。

では、また次の機会に・・・。

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