遥か彼方からの来訪者!?
一体、何が起こった!?
俺が寮の部屋に戻ると、窓ガラスが盛大にぶち破られてて、本棚はぶっ倒れてるわ、炊飯器はひっくり返ってるわ、目の前には白い髪の女の子が突っ立ってる!?ここ男子寮じゃねぇの!!?
一体全体、どうなってるんだ〜!!??
────10分前。
降り注ぐ陽射しは、車のボンネットで目玉焼きが作れる程の厳しさだった。
「あ……暑い……」
明日からは待ちに待った夏休み、一学期最後の日程が全て終わり、高鳴っていた胸をげんなりと落ち込ませた降り注ぐ熱射……。
そう、天の悪戯か、今日という日に限って、ココ最近まで安定していた気温を4度も上回り、今夏最高気温32度をマークしたのだ。予報では今日は27度のはずだったが、携帯の気象アプリを見てみると30℃になっていた。
学生寮まで、残り500メートル。
(だぁー!!!部屋に戻ったら、エアコンと扇風機をがんがんに動かして、冷えたコーラで涼みてぇぇぇええ!!)
そんな事を思いながら歩き続け、漸く寮が見えたと思った、その矢先。
「んなっ………!?」
うちの寮の一室から濛々と煙が立ち上っているのだ。
寮は5階建て。煙の元は4階の右から2番目の部屋、、、って事は待てよ、、そこって、、
「────俺の部屋じゃねぇかっ!!!!」
(あああああああ!!管理人さんに大目玉くらうぞぉぉぉぉおお!!!こっ、こここここ、こういう時ってどうすりゃいいんだ!!?)
混乱する頭で顔を真っ青にして、階段を駆け上がる。エレベーターなんて贅沢なものは無い。
長い階段をようやく登りきって、急いで自室のドアノブに鍵を差し込む。動揺していた為、2回ほど手を滑らせながらも、どうにかドアを開け放つ。
流れ出る煙。
滅茶苦茶に散乱した参考書やら週刊モノの漫画雑誌………。
その先には、真っ白な髪の《少女》が突っ立って周りを見回していた。
俺はこの時まで知る由もなかった。高校2年のこの夏が、世界を懸けた大冒険になるなんて。