表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生便は頼んでいません  作者: おぴろん
9/25

第009日目

第009日目


目が覚めたら行う行動は、既にルーチンとなっている。


名前:ユーヤ・タナカ

年齢:18

LV:5

主職業:採取人

特技:中級採取知識、中級採取量増加

装備:節の木の棒、採集用鎌(初級)

副職業:見習い戦士LV2

特技:初級戦闘知識、初級攻撃力増加

その他:言語の加護 職業選択の加護 奴隷使役


ゲッダ(男奴隷)見習い斥候LV1(見習い薬師LV3になりました)

ラーゲ(男奴隷)見習い戦士LV1

ジーウ(女奴隷)見習い薬師LV1(無職LV10となり自宅警備員が解放)


ジーウさんの職業解放は本人の名誉の為に黙っておこう。


斥候部隊には断崖沿いに森を抜け、切れ目に沿って北上し状況の確認を指示する。戦闘は出来るだけ避ける様に厳命。


ジーウとは物資の調達である。流石に回復中のジーウに背負い籠は大変そうなので今回は袋のみとした。ゲッダが加工した体力回復薬(初級)を何個か持っているようである。


小屋を出発し泉を向け森へと向かう。今日は斥候部隊が東側の切れ目を探索してるので、こちらは森の西側を北上して探索を行う。ジーウは見つけた薬草を都度都度採取しているようである。森を延々と北上すると行き止まりとなる。お約束のような断崖が存在し、はるか下には海のようなものが見える。断崖に沿い森とは逆の方向を探索することとした。草原の切れ目が存在し、変化があることが予想される。進むと大きな岩が混在する場所だ。

石板の地図を確認しながら西へ西へと向かう。ジーウから肩を叩かれしゃがむ様に促される。小声で何事かと確認すると、「何かがいる」と言う。何かが動いている。よくよく見るとそれは……


巨大なウサギだった。副職業の見習い戦士頼みでどんな動物か確認する。しかし名前が浮かばない。ジーウに聞いてみる。


ジーウペディアの情報によると


名前:ビッグラビット

温厚な性格の大きなウサギ。毛皮と肉ともに利用できる動物である。動きが素早く臆病な為、狩猟には弓が推奨される。


という高性能な情報を提供された。ジーウペディア有能である。


弓は手元にないので、存在だけを記憶し更に西へ向かう。


歩き石板をしていると、ジーウから合図される。確認するまでもなく「何かいます」という目をしている。今回はなんか見たことがある生物だが、サイズがやや大きい。


ジーウペディアの情報によると


名前:ロバ

極めて温厚な性格をしており、人間に懐き易い。草原の草を食料としており、飼育も容易である。速度は遅いがパワーがある。重量物の運搬も可能である。


騎乗可能であればすぐにでも入手したいが、今は保留するしかない。


更に更に西へ進む。最北西の場所へ到達することができた。


そこで目にしたものは巨大な滝である。見渡す限り水平線までその滝は続いている。

南へと足を運ぶ。歩き石板によると泉の場所が近づいている。海までの距離も最北西の場所に比べてかなり近づいており、数メートルの距離である。泉まであと少しの距離となり、そこには砂浜が存在していた。砂浜に降り、緩やかな坂になっている砂浜を北へと向かう。最北西の場所辺りまで進み形状が理解できた。

長年の浸食による影響か、絶壁は浸食され庇のように飛び出していた。どこまで続くのか分からない砂浜と、目の前には大きな落差があるであろう海の滝が存在する。

これは海なのだろうかとその水を口に含んでみる。しょっぱいのでこれは確かに海なのだろう。ジーウに海の滝を見たことがあるか尋ねてみるも、今回初めて見たそうだ。村から海までは結構な距離があった様で、目にする機会はなかったものの、「危険なので近づくな」と子供の頃から教えられたという。

海に関しては斥候部隊の2人の意見と知識も借りたいところである。


結構な距離を歩いたので、今日はこれまでとジーウに伝え拠点に戻ることとした。


泉に立ち寄り水分を補給する。ジーウがおかしなことを言っていた。

「この泉の水を飲むと、疲れが一気に取れるのです。日の出から日暮れまで食事の時間以外作業を続けても問題ありません。」


そんな24時間働ける恐ろしい水なのであろうか。確かに疲労回復の効果はあるが。

この泉の水を日本の会社に売りつけたら一財産になるな、等という社畜量産計画を思案していると斥候部隊の2人も泉へとやってきた。

2人に疲労回復効果を確認すると、ジーウと同じような社畜発言をする。ブラック化は避けたいので、長距離移動時以外は程ほどにするように話をしておく。


と同時にふと思った。

この場所には泉の水以外の水は存在しないのではないか。細かいことは置いておこう。


水ヒョウタンの実の採取と同時に、4人で誰のヒョウタンが一番大きいのか等という競争を行う。極めて不毛な争いであった。1位のジーウには干し肉を1個余分に食べる権利が与えられ、最下位だったゲッダは罰ゲームとして薬草をそのまま食べる権利が与えられた。無論、悶絶していた。


斥候部隊と今日確認できた地理的な情報をまとめる。


南に高い山が存在し、北と西には海が存在する。

泉の北には動物が生息するエリアが存在し、海へ繋がるルートもある。

泉の東には山から海まで繋がる森が存在し、多くの採取物が確保できる。


またロバの生息を伝えると、運搬用としてもロバは欲しいという結論に至った。

ただ馬具を製作する知識はない。今までの情報から考えるに、ゴブリンから奪えば手に入るというお約束の結論に至ったのである。


小屋に戻ると、南側の茂みで何かが動いている。過去の経験から察するに、動物か人間、もしくは魔物のいずれか。外れることのない予想を立て慎重に近づいていく。


茂みの中には4人の人間と1人の獣人のような初めてみる存在が居た。


獣人は初めて見る。対応に戸惑っているとジーウさんが話しかけて、水や食料を与えている。茂みの中はあんまりなので、キャンプ地へと誘導し落ち着かせる。


対応はジーウさんに一任しておく。

食料等物資の確認は斥候部隊に一任とする。


ジーウペディアによると


人間4人は全員戦争奴隷。男性3人、女性1人。全員とも元村人。

獣人の1人は奴隷ではない。女性である。元解放軍兵士。


解放軍兵士というのは、隣国が侵略されていることに危機感を募らせた獣人国が志願者を募り応援部隊として派遣した兵士達の総称。戦争終結後に獣人国へ帰還しようとするも、帝国の妨害もあり各地に点在していた。


潜伏していた村へ戦争奴隷の4人が逃げ込み、逃げる宛もなくただ獣人国を目指していた。道中で壊れた馬車を発見し、保存食が残っていたので食べている時に遠方から帝国兵らしきものが接近したので、急ぎ街道から逸れ逃走した。丘を見つけ今に至る。


兵士という言葉に過剰反応したけど、まぁ問題はないようだ。


ヘンリク(男奴隷)元村人 戦闘経験あり

ステン(男奴隷)元村人 戦闘経験あり

パウル(男奴隷)元村人 技師の経験あり

カーリン(女奴隷)元村人 鍛冶師の経験あり

ナニー(女獣人)元解放軍兵士 神官の経験あり


ジーウペディアさんは情報のまとめが正確で助かる。

皆さんここで生活したいそうだ。


斥候部隊2人も戻り、食料は残り2日分ということが分かった。

延々パンの実を食べるのも問題なので、生産ゴブリンを成敗して干し肉を強奪…ではなく確保しよう。あとは各自の役割分担だろうか。


あーでもない、こーでもないと考え、


斥候・戦闘部隊として

(前衛)

ラーゲ 見習い戦士

ヘンリク 見習い戦士

ステン 見習い戦士

(後衛)

ユーヤ 採取人・見習い戦士

ゲッダ 見習い斥候

ナニー 見習い神官


といった最強の布陣を決定する。ナニーさんから武器だけの現状を改善する様に指摘され、前衛3人には節の木を活用した防具として「節の木の盾」を配備する。

後衛で短い節の木の棒を持った人は攻撃が届かないので、より長い棒を用意して装備することとした。「節の木の長棒」の完成である。突いてバランスを崩すことを目的としている。

斥候職は周辺警戒が主な任務なので、装備の変更は行わなかった。ナニーさんは加工された薬草、皆の水ヒョウタンの実を背負い籠で持ってもらう。


残りのメンバーは生産部隊としジーウをリーダーと決め、


ジーウ 見習い薬師

パウル 見習い技師

カーリン 見習い鍛冶師


パンの実の確保、カマドの増設と完成、土鍋の追加製作、薪の確保を行う。


新メンバーも加わり、明日からは心機一転である。祈り台の設置も忘れない。


本日の夕食メニュー

・パンの実(文句を言えない)

・干し肉(分け合って食べた)

・泉の水(カマドを忘れてた反省)


本日の討伐モンスター等

・なし

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ