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転生便は頼んでいません  作者: おぴろん
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第004日目

第004日目


翌朝、目が覚めると石板が点滅していた。転職の結果だろうと確認してみる。


名前:ユーヤ・タナカ

年齢:18

LV:1

主職業:見習い戦士

特技:初級戦闘知識、初級攻撃力増加

装備:-

副職業:-

特技:-

その他:言語の加護 職業選択の加護

    見習い採取人はLV7となりました


初級戦闘知識:初歩的な戦闘、武器、魔物に関する知識を得る

初級攻撃力量増加:ごくわずかに攻撃力が増加する


職業を変更したことでLVが1になっている。確か昨日の段階ではLV5だったはずなので、LVというものは職業ごとに設定されているものなのだろう。その他を見ると見習い採取人はLV7になったと書かれているので、昨日の経験は生かされているようだ。職業も変更されたので、これで不意な戦闘でも少しは対処ができるだろう。

昨日用意したバットサイズの節の木を手に取り確認してみる。


名前:節の木の棒

節の木で作られた簡素な棒。武器として使用することも出来る。


節の木から作られたので「節の木の棒」か。そのままだな。説明では戦闘にも使用が可能とあるが、どの程度なのか。何か試しに殴ってみよう。流石に小屋の柱を殴って倒壊させるのも寂しいので、岩を殴ってみることとした。どの程度の強度があるのか。まずは軽く殴ってみる。ガツッという音とともに、少し手が痺れる。問題は無さそうなので、更に力を込めて岩を殴ってみる。ゴツゥッという音と共に強い手の痺れを感じる。棒の状態を確認してみたが、岩を殴ったにも関わらず大きな傷は確認できない。武器としての強度は問題ないようだが、手が痺れることは対策が必要だろう。棒の持ち手の部分に接着の実を塗りこみ、ウツボブクロを丁寧にまいていく。途中何度か塗り込み巻いて、持ち手部分にしっかりと固定をする。これで問題ないだろう。試しに岩を殴ってみるが、痺れることはない。予備の1本にも同じ加工を施し、武器の用意は完了した。

武器も用意できたこともあり、早速昨日の発見ポイントへ向かうことした。泉に立ち寄り水分の確保は忘れずに行う。木々をかき分け草原の切れ目へと到着した。慎重に進み、身を屈め慎重に周囲を捜索する。……いた!

左手の袋は昨日と変わらないが、右手に持っているものは棒ではなく、鎌のような形状をしている。こちらに気付いてない二足歩行生命体に慎重に近づき、声をかけてみる。


「こんにちわ。突然で申し訳ないですが、お話させてくれませんか?」


二足歩行生命体は突然現れたことと、話掛けられたことに驚いている。

何か喚いているのだが、何を言っているのかまったく理解が出来ない。

すると、右手に持った鎌のようなものを振り上げ襲い掛かってきた。

見習い戦士になったお陰か、攻撃の回避方法がなんとなくわかる。節の木の棒で鎌を受け流し、少し距離を取る。相手は背が低く、手も短い。手にしている武器も短いものなので、リーチはこちらが有利だ。鎌を振り回しながら接近してくる二足歩行生命体の動きを観察し、一撃必殺の力を込めて節の木の棒をその頭に叩き込む。ゴン!という鈍い音とともにバタリと二足歩行生命体は倒れ、動かなくなった。止めとして再度頭を棒で殴っておく。


安全を確認し、二足歩行生命体が手にしていた鎌のような物を手に取り確認してみる。


名前:採集用鎌(初級)

植物の採集に向いた鎌。戦闘で使用することも可能だが、すぐに壊れる。


受け流し方が上手くいったのか、壊れることなく手にいれることができた様だ。


袋を引きずっていたことを思い出し、周囲を探してみる。少し離れた場所でその袋を発見することができた。草の葉やら土やらが大量に付着した袋の中を見てみると、薄っぺらい何かと、テニスボール位の塊のようなものが確認できた。


名前:干し肉

動物の肉を干して加工したもの。長期間の保存が可能となっている。味はよくない。


名前:岩塩

岩塩。削って塩として使用できる。


干し肉を20個と岩塩を3個手に入れることができた。

物を手持ちの袋に収め、周囲を更に確認してみる。二足歩行生命体の残骸はそのままだが、穴を掘るにも、燃やすにも道具が無いので仕方がない。このまま放置だ。


少し離れた場所に二足歩行生命体が動いていることが確認できた。気付かれないように後ろから慎重に忍び寄り、手に持っているものを観察してみる。どうやら昨日見つけた個体の様で、棒のようなものを手にしていた。ただ、袋らしき物は持っていない様である。注意深く二足歩行生命体を観察していると、頭の中に「ゴブリン」という名前が浮かびあがる。見習い戦士になった恩恵か、じっくりと観察すると対象の名前が分かるようである。


名前:ゴブリン

繁殖力に優れた二足歩行の魔物。非常に弱い魔物に分類され、他の魔物から捕食される。

知能が高い個体や肉体が発達した個体も確認されている。


先程のゴブリンとは異なり、今回は袋は持っていない様だ。

このまま倒してしまうことも可能だが、わざわざ戦闘することもない。そう考え、その場から去ることとした。慎重に草原の切れ目に向かう途中、先程倒したゴブリンのことが気になり、残骸のある場所に戻ってみることにした。


名前:生産ゴブリン

繁殖力に優れた二足歩行の魔物。非常に弱い魔物に分類され、他の魔物から捕食される。

植物の採取、小動物の捕獲、有用な鉱物の収集を行っている。


袋を引きずっていたことと、その中身と名前がそれとなく一致して納得ができた。


草原の切れ目に到着し、周囲の安全を確認。これからどうするか考えてみる。


・生産ゴブリンを探して食料と道具の確保を行う

・存在感が凄い山?壁?方面に何があるのか探索してみる


少しだけ考え、慣れない戦闘を続けるより探索が良いだろうと結論を出し、右手に存在する山?壁へと向かい進んでいく。もしかしたらと、石板を取り出し地図を確認してみる。探索した場所周辺が確認出来るのでまだ少しの部分しか確認は出来ないが、なんとなく場所の把握が出来る様になった。


現在地は森を抜けた草原の切れ目。

地図を見る限り、山?崖?は南方向に位置している。

小屋のある場所は森を抜けた西方向。

泉は小屋から北の方向に位置しているようだ。


それぞれの位置関係を確認し、石板を袋に入れて山?崖?の方向へ歩いて行く。

暫く歩くと山?崖?に到着することができた。遠くから見るのと違わず、断崖絶壁のようにそそり立つ壁を確認してみる。部分的に色が異なる場所が多数存在するものの、それが何なのか確認することはできなかった。明日は職業を変更して来ることにしよう。

地図を確認し、出発地点である草原の切れ目へと戻る。そして来た道を小屋のある方向へと歩き、小屋へと到着した。

明日の用意として、祈り台を用意して見習い採取人になりたいと念じる。


明日の職業変更は済んだので、今日の戦利品を確認してみる。


・採集用鎌(初級)×1

・干し肉×20

・岩塩×3


なかなかの成果ではないだろうか。今回、鎌という刃物が手に入ったこともあり、採集に便利な物を作っておくことにした。使えるものは限られているので、試行錯誤しつつ設計図を節の木の棒で地面に書いていく。製作する予定のものは背負い籠である。

おおよその大きさを決め、節の木をポキポキと折り採集していく。合わせて紐になる蔦も採集し材料は揃ったこととなる。小屋に戻り少し休憩の後に作業再開である。

節の木を粘着の実と蔦を併用し縦長の箱になるように組み立てていく。背中部分と底部分は加重も掛かるので節の木の細い物を活用して接着し補強を入れる。出来た箱の縦方向に何本か補強の節の木を接着し格子状の箱が完成である。これでは網目の大きな箱なので、内側からウツボフクロを開いたものを接着する。背負う為の紐はウツボブクロを開いたものを接着の実で接着して太い紐を作る。太い紐と箱を蔦で結び、何度かサイズ確認、手直しを行い接着の実で接着し完成である。これで両手が使え、採集量も伸びるだろう。


背負い籠が完成した頃、辺りは薄暗くなっていた。夜になると光源はないので、慌てて夕食をとり就寝することとした。


本日の夕食メニュー

・パンの実(食べ飽きた)

・干し肉(とにかく硬い、マズイ)

・泉の水


本日の討伐モンスター等

・生産ゴブリン×1


++++


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