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転生便は頼んでいません  作者: おぴろん
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第003日目

第003日目


翌朝、目覚めると石板が点滅していることに気付いた。確認すると、


名前:ユーヤ・タナカ

年齢:18

LV:5

主職業:見習い採取人

特技:初級採取知識、初級採取量増加

装備:-

副職業:-

特技:-

その他:言語の加護 職業選択の加護


レベルが上がっていることが確認できた。あれこれ採取した経験が生かされたのであろう。


相変わらず起き上がると体が痛いので、今日こそは寝床を改善しようと心に誓う。

さて今日は何をするかと思案して、パンの実を食べつつ考え、


・寝床の改善(敷布団のようなものが欲しい)

・道具の入手(素手では限界なので)


を思いつく。


敷布団はウツボブクロに木の葉を詰めて並べ、代用するしかない。

道具の入手は・・・文明に遭遇するしかない。


まずは敷布団のような物を用意しよう。屋根材で使用したウツボブクロを手に、昨日の場所へと向かう。その途中、ある違和感を感じた。昨日採集したはずのウツボブクロの実が同じ場所に実っているのである。これはどういうことだろう?不思議に感じつつウツボブクロを採取する。奥に進み、同様に昨日採取したはずの接着の実を採取する。袋の中に落ち葉をしっかりと詰め、接着の実でしっかりと蓋をする。クッションらしきものを大量に作成し、近くにあった蔦を使って紐とし、抱えることができるだけのクッションらしきものを背負い、岩へと戻る。泉で水分補給を行い、岩へと向かう。そこでもまた違和感を感じる。昨日伐採したはずの節の木が存在するのである。世界が違うので、何かが違うのだろうと意味不明な解釈をしつつ小屋へ到着する。

小屋の床に残りの節の木と蔦を使い、簀の子もどきを製作する。いくつか製作し寝床のサイズが完成したところに、クッションもどきを敷き詰めていく。バラバラにならないように若干重ねた状態で接着の実でそれぞれを繋いでゆく。見た目や性能は置いておいて、岩の上にそのまま寝るよりはマシなのでこれで良しとした。


軽い空腹感を感じ、パンの実を何個か食べておく。仕方の無いことではあるが、毎食パンを食べるというのは辛いものがある。探索範囲を広げ、採取可能な物を増やしていく必要を感じた。今日の残りのお題である道具の入手のことあるし、出来るだけ広範囲を探っていこう。


岩から離れ、泉へと向かい水の補給を行う。通いなれたコースで接着の実がある場所へと向かい、更に奥へと進んでいく。今回は採取することが目的ではないので、気になったものは存在を記憶するだけして、奥へ奥へと向かう。

生い茂る木々が進むにつれ少なくなり、入口で見た草原の切れ目が目に入った。背の低い草原が続いてはいるのだが、右手には大きな山ようなものが見えた。山というか壁というか。上から見たら断崖絶壁であろう山?が存在している。あちら方向に進むことは無理だなと諦めつつ、目の前に広がる草原を進んでみることにした。

ガサガサという音が聞こえ、思わず身を伏せる。慎重に音のした方向に目をやると、背の低い二足歩行の生き物が何かを引きずり歩いていた。右手には長い棒状のものを握り、左手には音の発生源であろう袋を引きずっている。あの生き物は何だろうか?と観察をするも、採取の時のように詳細が確認できることはなかった。

現在の職業は戦闘職ではない。また武器も持っていない。もしも襲われでもしたら大変なことになるなと考えつつ、ゆっくりと後退し草原を後にする。

追尾されていないか、何度も振り返りつつ泉の場所まで戻ることができた。泉の水を飲み、落ち着いて先ほどのことを考えてみる。


・二足歩行のなにかが居た

・右手には棒のようなもの、左手には袋のようなもの

・詳しくは分からないが気付かれなかった

・会話が成立するのかは不明

・同じく文明を持っているのかは不明


仮に会話が成立する生物で一定の文化を持っていれば道具の入手に一歩前進となる。会話が成立せず、襲ってくるような生き物の場合は・・・見習い戦士という職業を思い出し、まぁそういうことだと納得する。

岩へと戻り、祈り台の準備を行う。今回は戦闘が発生することを考え見習い戦士への転職を念じる。


職業の変更が反映されるのは明日の朝。正体不明の二足歩行生命体のこともあり、岩周辺に集めた物資を整理し、小屋や寝床で消費した節の木を補充すべく採取する。明日、戦闘になった場合に丸腰なのは心配なので、手で握って持ちやすいサイズのものをバット程度の長さに調節した。RPGで定番の初期武器である〇〇〇の棒のようなものである。折れた時のことも考え、同じものを予備で1本用意する。作業を終え、この日は少し早めに就寝することにした。

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