第020日目
第020日目
目が覚めたら行う行動は、既にルーチンとなっている。
名前:ユーヤ・タナカ
年齢:18
職業:戦士(採取人)
装備:節の木の長棒、ゴブリンナイフ
その他:言語の加護 職業選択の加護 奴隷使役 配下副職業の加護
配下のメンバーに特に変わった変化は無かった。
朝から行商人が顔を出し、相談があると言われる。
話を聞くと戦争奴隷となり獣人国へ逃れた多くの人間が職や食料に困っているそうだ。1人でもよいので、受け入れてくれないかと頼まれる。リーダー2人と相談し、5人までなら受け入れると回答する。既に14人+1人の所帯となっており、食料供給にやや不安を感じる。
戦闘部隊と今日の活動を相談し、森の東で更なる探索を行うこととした。
戦闘部隊の8名+ロバ馬車×2の編成で進む。
採掘現場の2箇所は放棄された様で、ゴブリンの姿は見えなかった。絶壁沿いに東に進むと急いで作ったバリゲードのような物が目に入る。斥候を状況確認に向かわせる。
バリケード周辺にゴブリン兵士が3匹おり、残り1匹装備の良いゴブリンが居るとのことであった。ロバ馬車の護衛として1人残ることとし、残り7名が戦闘に向かう。
斥候3人の弓が活躍した様で、短時間で戦闘は終了した。
名前:ゴブリン隊長
繁殖力に優れた二足歩行の魔物。非常に弱い魔物に分類され、他の魔物から捕食される。
ゴブリン兵士の上位個体。鎧と盾を装備し防御力に優れている。
(ゴブリンハンマー、ゴブリンシールド、ゴブリンアーマー)
ゴブリンハンマーは使い道がありそうなので確保する。
少し離れた場所に同様のバリケードが確認できた。同じ作戦でロバ馬車の護衛に残る。ゴブリン兵士が4匹にゴブリン隊長が1匹の構成だったそうだ。ゴブリンハンマーのみ確保する。
斥候のゲッダが周囲の捜索に走る。ロバ馬車が通れるサイズの洞窟が確認できたそうだ。
入口の左右にはバリケードが築かれ、兵士と隊長の部隊がそれぞれ警戒している様だ。
洞窟は恐らくゴブリンの拠点であろうが、相手の戦力が見えない。
視界の開けた場所であれば、弓やボウガンをメンバーに配備し、数でゴリ押しも出来るかもしれない。今回の相手は洞窟の中である。ナニー教官が「あまりオススメではない方法なのですが……」と作戦を提案してくれた。名付けて「毒ガス攻撃」である。致死性の毒ガスを発生させる方法は無いが、相手を錯乱させ同士討ちさせる効果のある毒草が存在するそうだ。毒草を大量に集めて火炎の実の樹皮と混ぜボール状にする。それに着火して洞窟に多数投げ込めば良いという訳だ。
獣人国でゴブリンが洞窟で異常繁殖した際の対処法らしい。毒草は森で手に入るとのことで、拠点へ戻り準備を開始する。戻る道中で毒草や火炎の実、樹皮は大量に集める。
日暮れまでに毒煙玉を十分に用意する。夜間は行動を控えていたので、夜の森や草原は初めての経験だ。松明を持った斥候3人を先頭に、絶壁沿いを歩きゴブリンの拠点を目指す。
ゴブリンの拠点へと到着する。入口付近にあったバリケードはそのままだが、見張りのゴブリンは存在しない様だ。斥候の3人と一緒に洞窟の中を進み、進んだ先には大きな空洞があった……。空洞の中は大量のゴブリンがひしめいている。毒煙玉に次々と点火しあらゆる場所へと投げ込んでいく。一通り投げ終わり、毒ガスに巻き込まれる前に走って洞窟から外へ出る。洞窟の入口では前列の3人とナニー教官が武器を構えて待ち構えている。少しづつではあるが、洞窟の中から煙が出てくることが確認できた。風向きも考え、場所を少しだけ移動する。洞窟の中からは叫ぶような声が大量に聞こえる。このまま朝まで見守ることとして、斥候の3人が交代で見張り、残りはバリケードに隠れて仮眠することにする。
一方、生産部隊はというと、女性陣からの圧力に負けたパウル主導で倉庫を長屋に魔改造する計画が進められていた。2棟目の長屋建設準備として、カーリンとニコライは大型の石釜のような物を洞窟の川近くに制作している。洞窟の川にぶち当たった段階で粘土岩の採掘は一時中断していたが、第2長屋建設計画に伴い粘土岩の採掘が始まったようだ。
洞窟の川も変化があった。川の上流側が水浴び場として整備され、川を渡る橋が建設されている。川の中流部分は「お肉」の処理場として有効活用されている。最後になるが下流側はトイレとして個室が整備されていた。